TCZと自由——苫米地理論で読み解く「やりたいこと」
蓮彩聖基
「やりたいことだけをやる」というのは、決してワガママなことではありません。
苫米地理論では、人の行動は評価関数V(x,t)——「どの状態がどれだけ快適か/苦しいか」を測る心の物差し——に従って、最も安定する場所、TCZ(トータル・コンフォート・ゾーン/心が落ち着いていられる領域)へ収束していきます。
あなたのEgo(意思決定する自分)は、毎瞬「どう動けば一番ラクか」を計算し続け、最も心の負担が軽くなる軌道を、無意識に選び続けています。
何を選んでも「自分で選んだ」と感じる——それがEgoの働き方です。親の、会社の、社会の、SNSの…誰かに書き換えられた認知の地形の上でも、Egoは変わらず「自分にとって一番ラクな軌道」を選び続けます。
だからこそ命じられた感覚はなく、「これが正しい」「こうすべき」と、あたかも自分の意思であるかのように感じてしまうのです。違和感、日曜の夜の重さ、月曜の朝の息苦しさ——それらは、今の評価関数のもとで最適化された軌道と、自分が選びたい軌道とのズレから生まれるサインです。
自由とは、自分が選んだ評価関数のもとで、自分の軌道を選ぶこと。やりたいことだけやる。それこそが、人生の戦略的核心と言えます。