内面から湧き上がるゴールの体感
やりたいことが見つからない、あるいは新しいことを始めても三日坊主で終わってしまうと悩んだ経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。自己啓発の知識をどれほど詰め込んでも、大きな変化を体感できず、結局元に戻ってしまっている。それは自分の意志が弱いからだと責めてしまうような人もいるでしょう。
しかし、物事が続かないのは、決してあなたの根性や才能のせいではないのです。それは単に、私たちのマインド、つまり脳と心が、本来の力を発揮できるゴールにチューニングされていないだけなのです。私たちは日常的に夢や目標という言葉を使いますが、コーチングの文脈で運用されるゴールは、これらとは少し性質が異なるものなのです。
子供の頃に抱いた受動的な願望や、日々のルーティンの延長線上にある現実的な目標は、私たちの内側から湧き出る自由意志に基づいたものではないことが多いのです。
もちろん、日々の役割を果たすことも社会の中で生きていくうえでは大切なことですが、途中でモチベーションが枯渇してしまうものは、そもそもマインドが真のゴールとして認識していない、他者の言葉で作られたブリーフシステムに縛られた結果かもしれません。
ゴールが私たちの認知や行動をどう変えるのかは、抽象度という視点から考えることができます。たとえば、病に倒れた家族を救うために険しい山へ薬草を取りに行くという状況を思い浮かべてみてください。家族一人のためという前提から、一歩抽象度を上げて、村全体の未来を救うために薬草の種を持ち帰り、共に育てるというゴールに書き換えてみるのです。
すると、私たちの脳に備わる認知の働きにより、それまで風景の一部に過ぎなかった専門家の存在などが盲点から立ち現れ、世界の見え方や必要な準備が劇的に変化していくわけです。達成へのステップが最初から見えているものは、慣れ親しんだ過去の延長線上に過ぎず、私たちの心に眠る圧倒的なエネルギーを呼び覚ますことはありません。やり方がわからないからこそ、それは現状の外側にある真のゴールになり得るのです。
私たちが、こうありたいという未来の鮮やかな映像をマインドにセットに埋め込めれば、無意識はその映像と現実とのギャップを埋めるための方法を探し出し、新しい可能世界へとアクセスし始めるのです。私たちが今の自分に限界を感じてしまうのは、過去の社会の常識や他者の評価の累積によって作られた、古い前提の枠組みにとらわれているからではないでしょうか。
しかし、この世界は常に移り変わる諸行無常の性質を持っています。過去の記憶の延長線上を生きるのではなく、自らの内面から湧き上がる愛や調和に基づいた未来の映像を静かに観じることで、私たちはマインドのあり方を能動的に書き換えることができるのですね。
ゴールとは、論理的に紙に書き出すものではなく、未来の自分が生きている可能世界そのものであり、内側から震えるような体感そのものなのです。
私たちがその映像を確信し、自らの世界の創造主として、自由意志を持って歩み始めたとき、目の前の現実は変わり始めていきます。