長所に意識を向けるということ:現状最適化を超えて
相手の長所を何度も褒めれば、その人の長所はどんどん磨かれていくことでしょう。逆に、あら探しを始めると欠点はいくらでも見つかってしまう。これは多くの人が経験的に知っていることと思います。実はこのことは、苫米地理論・潜在ポテンシャル統一理論でもきちんと説明できるのです。
苫米地理論では、私たちの中には大きく2つの働きがあると考えます。ひとつは Selfの働きです。心の地形そのものを書き換える働きのことです。もうひとつは Egoの働きです。書き換えられた地形の中で、一番居心地のよい場所へ自動的に流れていく働きです。
長所に意識を向けるとは、Selfが「長所の場所」を居心地のよい谷として深く彫っていく作業に当たります。そして谷が彫られれば、Egoは何の苦労もなく、自然にその場所へ私たちを運んでくれます。反対にあら探しは、Self が欠点の場所を居心地のよい谷にしてしまう作業といえます。
Egoは、「一番居心地のよい場所」に自動的に向かっていく性質を持っています。ここがポイントで、頑張らなくても、地形さえ彫られれば、私たちは勝手にそこへ流れていくのです。ここで言う「居心地のよい場所」が、苫米地理論では TCZ(Total Comfort Zone)と呼ばれる領域です。
ここでもうひとつ重要な原理があります。それは、この心の地形は時間をかけて意識を向け続けた分だけ深くなるということです。一度だけ自分を褒めても、地形はほとんど変わりません。ですが、毎日少しずつでも「自分のいいところ」「恵まれている部分」に目を向ける習慣を続けると、その場所の谷がじわじわ深くなります。つまり変形していくのです。
谷が深くなるほど引き寄せる力が強くなる。これが「長所に磨きがかかる」「恵まれている部分がさらに大きくなる」という現象の正体といえます。逆にあら探しを習慣にしている人は、欠点の谷を毎日深く掘り続けていることになります。同じ仕組みが、逆方向にも働いてしまうのです。
しかし今からでも、その地形は変えることができるのです。地形をどこに彫るかは、自分で選べる、ということです。外の世界の起こる出来事は変えられなくても、「自分がどこに意識を向けるか」という主導権だけは、いつでも自分の手の中にあるのです。
長所に意識を向けると決めること、それは単なる前向きな思考というだけではなく、自分の未来が流れ着く場所を自分でデザインする技術といえます。自分の良いと思うところを一つ、意識して見つけみましょう。