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苫米地式コーチングとは ——未来から認知と行動を変える実践体系

苫米地式コーチングは、過去の実績や他者の評価から現在の自分を固定化するのではなく、自ら選ぶ未来を基準に、認知と行動を見直す実践体系です。

苫米地式コーチングが扱うのは、表面上の行動だけではありません。脳と心を分けずにマインドとして捉え、自己イメージや信念、無意識の判断と行動、何を重要な情報として認識するかまでを、その相互関係の中で扱います。

過去ではなく未来を基準にする

苫米地式コーチングの焦点は、過去の原因を繰り返し分析することではなく、これから実現したい未来です。ゴールを設定すると、現在の自己イメージと、ゴールを達成した世界の自己イメージとの間に差が生まれます。ゴール側の自己イメージの臨場感が高まると、この差が認知的不協和を生み、無意識がその不協和を解消する方向へ認識と行動を変えていきます。

ここでいう未来は、他者から与えられた義務ではありません。自分が心から望むWant-toのゴールを、現状の外側に置くことから始まります。Have-toと感じている行為では、創造的回避が働きやすくなります。

未来を基準にすることは、過去の事実を無視することではありません。修正すべき点は一度確認し、失敗した映像を繰り返すのではなく、「次はどうしているか」という未来側の映像へ視点を移します。

自ら望む未来

現状の外側に、Want-toのゴールを置きます。

重要性の基準

未来から現在を見ることで、重要だと判断する情報の基準が変わります。

認識と行動

これまで認識していなかった情報が意識に上がることがあり、そこから新しい選択を探索します。

現状を維持する働きと無意識

人の行動と判断には、意識的な決定だけでなく、自己イメージ、ブリーフ・システム、情動記憶、ハビット、アティテュードなどが関わります。それらを基準に形成される、慣れ親しんだ物理的・情報的な範囲がコンフォートゾーンであり、現在の選択と行動に関わります。

現在の基準が変わらなければ、異なる結果を望んでも、慣れ親しんだ範囲へ戻る方向が働きます。このため、行動だけを一時的に強く変えるのではなく、どの自分を自己イメージとして受け入れ、どの世界に臨場感をもつかという基準から見直します。

保存される基準
自己イメージ、ブリーフ・システム、情動記憶
無意識の行動と選択
ハビットとして現れる行動と、アティテュードとして現れる判断・選択
慣れ親しんだ範囲
自己イメージによって形づくられるコンフォートゾーン
基準を保つ働き
ホメオスタシスとセルフレギュレーション

ゴールが認識と行動を組み替える

ゴールが変わると、重要だと判断される情報も変わります。これまで認識していなかった可能性がスコトーマから外れ、RASを通して意識に上がることがあります。達成方法のすべてが、最初から見えている必要はありません。現状の外側にゴールを置くからこそ、現在の枠組みでは見えなかった道筋を探索する必要が生まれます。

エフィカシーは、自己のゴールに対する達成能力の自己評価です。過去の実績や他者の評価によって現在の自己評価を固定化するのではなく、ゴールを達成した自分を基準に、エフィカシーを高めていくことがコーチングの中心となります。

本ページでは、自ら選ぶ未来、重要性の基準、認識、行動の選び方という関係を一つの読み筋として整理します。

コーチングセッションが担うこと

用語を理解することと、個別セッションを受けることは同じ役割ではありません。当サイトで案内する個別セッションでは、クライアントが自ら選ぶゴールに向かう過程を、一対一の関係の中で扱います。

コーチは、クライアントの代わりに答えやゴールを決めません。クライアントが自ら選んだゴールに対するエフィカシーを高め、ゴールの達成と能力の発揮に向けたマインドの使い方を伝えます。

  1. ゴールはクライアントが選ぶ

    外から答えを与えるのではなく、自ら選ぶ未来を起点にします。

  2. エフィカシーを高める

    過去や他者の評価ではなく、ゴールを達成した自分を基準に、達成能力の自己評価を高めます。

  3. マインドの使い方を伝える

    未来側の自己イメージ、認識、無意識の判断と行動をどう扱うかを伝えます。

主要概念を四つの入口で読む

本ページでは、主要な関係を理解する入口として次の四つに整理します。

  1. 未来の方向自ら望むゴールを、現状の外側に設定します。
  2. 自己評価ゴールごとに、達成能力の自己評価であるエフィカシーを高めます。
  3. 無意識の基準自己イメージ、信念、コンフォートゾーン、判断と行動の慣れ親しんだ基準を扱います。
  4. 認識と行動重要性の基準と情報選択の関係、そこで認識される情報と行動の選び方を扱います。

アファメーションでは、ゴールを達成した自分が見ている世界そのものを、自分と周囲との関係まで含めて言語で記述します。その言葉から映像を想起し、感情を伴わせることで、自己イメージの臨場感を高めます。ビジュアライゼーション、セルフトーク、未来の記憶も、それぞれを切り離されたテクニックとしてではなく、未来側のリアリティと自己イメージをつくるために相互に関係する方法として位置づけます。

ゴールを広げ、更新する

ゴールは、一つの分野に一つ置いて終わるものではありません。仕事、家族、健康、学び、社会への貢献など、人生の複数の領域にゴールを置きます。バランス・ホイールは、一つの領域だけに注意が偏らないよう、人生の各領域を見渡すための道具です。

また、現在のゴールへ近づくと、その未来も次第に現状へ含まれていきます。ゴールへ到達する前に、その先の未来へ新しいゴールを置き直すことで、未来の方向を発展的に更新していきます。

領域を広げる

人生の複数の領域を見渡し、それぞれに自ら望む未来を置きます。

未来を更新する

現在のゴールへ近づく過程で、さらに先の未来へゴールを置き直します。

理論ガイドとの役割の違い

よくある質問

現状の外側のゴールは、単に規模が大きいゴールですか?

現状の外側かどうかは、金額や肩書などの見た目の大きさではなく、今の考え方や行動のままで到達できるかによって考えます。大きく見えるゴールでも、現在の延長にあるなら現状の内側です。

達成方法が見えないだけで、現状の外側のゴールといえますか?

達成方法が見えないことは、現状の外側を考える一つの目安です。ただし、現状の外側のゴールは、今の考え方や行動のままでは到達できず、自ら望んで選ぶゴールです。単に情報が足りず、方法を知らないだけの場合とは分けて考えます。

Want-toとHave-toは、行動を続けられたかどうかで決まりますか?

Want-toHave-toは、行動を続けたかどうかではなく、まずゴールをどう選んだかによって区別します。Want-to-Goalは自ら望んで選んだゴール、Have-to-Goalは他者から直接・間接に強制されて受け入れたゴールです。同じ行動でも、どのゴールとの関係で行うかによって意味が変わるため、続けたかやめたかという結果だけでは判断できません。

エフィカシーは、漠然とした自信のことですか?

エフィカシーは、自分が設定したゴールに対する達成能力の自己評価です。あらゆることへの漠然とした自信ではなく、ゴールごとに「自分には達成する能力がある」と自分で評価することを指します。

コンフォートゾーンは悪いものですか?

コンフォートゾーンは、自分が慣れ親しみ、緊張せずにいられる物理的・情報的な範囲です。人はその範囲を維持しようとするため、新しいゴールへ進むときには元へ戻ろうとする働きが生じます。コーチングでは、ゴール側の状態を新たに慣れ親しんだものにしていきます。

スコトーマがあるのは能力が低いからですか?

スコトーマは、注意が向かず認識されていない情報、つまり認識の盲点です。誰にでもあり、能力や人格の高さを表す言葉ではありません。ゴールが変わると重要だと判断する情報も変わり、以前は見えていなかった情報に気づくことがあります。

ゴールを設定すれば、必要な情報は必ず見えるようになりますか?

ゴールを設定すると、重要だと判断する情報の基準が変わり、それまで認識していなかった情報に気づく可能性があります。ただし、必要な情報が自動的にすべて見えるということではありません。自分で選んだゴールであり、自分が取り組む対象として受け入れていることも必要です。

アファメーションは、文章を書いて読むだけのものですか?

アファメーションは、ゴール側の世界を、そこで周囲と関わりながら生きている自分の言葉として記述し、宣言する実践です。記述するのは、自分の属性だけではありません。どこで、誰と、何をし、何を見聞きし、何を感じ、周囲とどのように関わっているかまで含めて、その世界を具体化します。その言葉から五感を伴う映像と感情を想起し、ゴール側の世界と、そこにいる自分の臨場感を高めます。ビジュアライゼーション、未来の記憶、未来側のセルフトークは、この過程の中で相互に関係します。

反対意見を言う人は、すべてドリームキラーですか?

ドリームキラーは、過去の実績などを基準に、本人が選んだゴールを諦めさせようとする人を指します。異なる意見を述べたという事実だけでは判断できません。意見の内容と、ゴールを諦めさせようとする言動かどうかを分けて確認します。

理論を学ぶこととコーチングを受けることは同じですか?

理論を学ぶこととコーチングを受けることは、役割が異なります。理論を学ぶことは、概念や仕組みを理解することです。コーチングを受けることは、コーチとの関わりの中で、クライアント自身が選んだゴールに向けてエフィカシーを高め、マインドの使い方を実践することです。知識は実践を理解する助けになりますが、学習だけでコーチングを受けたことにはなりません。

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