アティテュードとは?無意識の選択があなたの人生を左右する理由
あなたの行動を決めているのは「無意識」
「なりたい自分になりたい」と思っているのに、なぜか行動できない。「変わりたい」と願っているのに、気づけば同じパターンを繰り返してしまう。そんな経験はありませんか?
実は、私たちの日常の選択や行動の多くは、意識的に決めているつもりでも、無意識の処理に基づいて行われています。この無意識の判断や態度のことを、「アティテュード(Attitude)」と呼びます。
この記事では、あなたの人生を左右するアティテュードの仕組みと、それを変えていく方法を解説します。
アティテュードとは何か
アティテュードの定義
アティテュードとは、無意識の判断・無意識の選択や態度のことを指します。
私たちは日常の中で数えきれないほどの判断や選択をしていますが、その多くは意識的に決めているつもりでも、実際には無意識の処理に基づいて行動しているのです。
脳は膨大な情報を瞬時に処理するために、過去の経験をもとに「自動的な判断パターン」をつくり出しています。これがアティテュードの正体です。
意識と無意識の違い
意識的な判断は、論理的に考えて「これがいい」と選ぶプロセスです。
しかし無意識の判断は、考える前に「なんとなく」「直感的に」選んでしまうプロセスです。そして実は、無意識の判断のほうが圧倒的に多く、行動に直結しやすいのです。
だからこそ、自分を変えたいと思うなら、この無意識のアティテュードに目を向けることが不可欠になります。
アティテュードの仕組み
情動記憶が基盤になる
アティテュードは、感情に刻まれた体験(情動記憶)を基準として形成されます。
情動記憶とは、出来事そのものよりも、その時に感じた感情とセットで記憶されたものです。脳は「この状況では、こんな感情を感じた」という情報を保存し、次に似た状況に遭遇したときの判断材料にします。
具体的には、次のような形でアティテュードがつくられます。
- 怖い思いをした → 避ける態度になる
- 楽しい体験をした → 近づく態度になる
無意識のスピード感
無意識の判断は一瞬で処理され、すぐに行動へ移されます。
本人の意識が追いつく前に、すでに「選択」は済んでいることが多いのです。
たとえば、何かに誘われたとき、「考えてから答えよう」と思う前に、体がすでに「うーん…」と引いてしまっていることはありませんか。これが無意識のアティテュードが働いている瞬間です。
日常での具体例
ホラー映画を避ける
ホラー映画で怖い体験をした人は、次に誘われても無意識に避ける態度を取ります。
「怖い映画=不快な感情」という情動記憶があるため、脳は自動的に「これは避けるべき選択肢だ」と判断してしまうのです。
挑戦を避けてしまう
学校や職場で失敗して恥ずかしい思いをした経験がある人は、似た状況で挑戦を避ける傾向があります。
「挑戦=失敗=恥ずかしい」という情動記憶が、無意識のブレーキになっているのです。
積極的に動ける人の違い
逆に、学校や仕事で成功体験を積んだ人は、似た状況で積極的に動けます。
「挑戦=成功=嬉しい」という情動記憶があるため、脳が自動的に「これは良い選択肢だ」と判断するからです。
このように、過去の感情体験が未来の行動を左右するのがアティテュードの特徴です。
ゴール達成とアティテュードの関係
無意識がブレーキになる
ゴールを達成するには適切な選択が必要ですが、アティテュードが変わらなければ「必要な判断」を回避してしまうことがあります。
なりたい自分になりたいと思っていても、無意識のアティテュードが邪魔をしているケースは非常に多いのです。
よくあるパターン
- 「失敗したくない」という無意識 → 挑戦を避ける
- 「自分には無理だ」という無意識 → 行動を制限する
- 「評価されたくない」という無意識 → 目立つことを避ける
望ましいアティテュードの形成
逆に、ゴールに合ったアティテュードを持てば、自然と挑戦や行動につながりやすくなります。
無意識が味方になれば、がんばって努力しなくても、自然と「なりたい自分」に近づく選択をするようになるのです。
これが、認知科学に基づくコーチングが重視するポイントです。
アティテュードを変える方法
新しい情動記憶を刻む
過去のネガティブな記憶に基づいたアティテュードを変えるには、新しいポジティブな情動記憶をつくることが必要です。
脳は新しい経験によって、古い記憶の意味づけを更新することができます。
具体的なアプローチ
- 苦手なことに小さな成功体験を積む
- ポジティブな感情と結びつけて記憶に対する解釈を書き換える
たとえば、人前で話すのが苦手な人は、いきなり大勢の前で話すのではなく、まずは信頼できる友人との会話で「話して良かった」という感情体験を積むことから始めます。
ゴールに合わせて更新する
ゴールにふさわしいアティテュードを意識的に育てることで、無意識の基準も変わっていきます。
結果として、ゴールに近づく行動を自然に取れるようになるのです。
アティテュード更新のステップ
- 今の自分のアティテュードに気づく:どんな時に避ける・引くという反応をしているか観察する
- なりたい自分ならどうするかを想像する:理想の自分ならどんな態度を取るかをイメージする
- 小さな行動から始める:無理のない範囲で、新しい選択を試してみる
- ポジティブな感情とセットにする:行動の後に、自分を褒める・喜ぶという感情体験を加える
環境と体験を変える
アティテュードは、置かれている環境や日常の体験によっても形成されます。
同じ価値観の人ばかりと過ごしていれば、その価値観に合ったアティテュードが強化されます。逆に、新しい環境や新しい体験に身を置けば、新しいアティテュードが育ちます。
なりたい自分になるためには、意識的に環境や体験を選ぶことも重要です。
アティテュードを変えることで得られる変化
自然と行動できるようになる
アティテュードが変わると、がんばらなくても自然と行動できるようになります。
「やらなきゃ」「がんばらなきゃ」という意識的な努力ではなく、無意識が「これがいい」と判断するようになるからです。
選択の質が変わる
無意識の基準が変わると、日常の小さな選択の質が変わります。
どんな情報に触れるか、どんな人と会うか、どんな言葉を使うか。そうした積み重ねが、人生全体の方向性を決めていきます。
自分らしく生きられる
古いアティテュードは、多くの場合「他人の評価」や「社会の常識」によってつくられたものです。
それを手放し、本当の自分のゴールに合ったアティテュードを育てることで、自分らしく自由に生きられるようになります。
まとめ
- アティテュード=無意識の判断・選択・態度
- 基準は情動記憶によってつくられる
- 無意識の判断は一瞬で行われ、行動に直結する
- ゴール達成のためには、望ましいアティテュードへの更新が不可欠
あなたが「なりたい自分になりたい」と願うなら、自分の無意識のアティテュードに気づくことをしてみてください。そして、小さな成功体験を積み重ねながら、新しいアティテュードを育てていきましょう。
無意識が味方になれば、あなたの人生は自然と理想の方向へと動き始めます。