創造的逃避とは?頑張っているのに前に進めない理由
「やらなきゃいけないことがあるのに、なぜか部屋の掃除を始めてしまう」
「新しいことに挑戦したいのに、『まだ準備が足りない』と思って先延ばしにしてしまう」
こんな経験はありませんか?
一見すると何かに取り組んでいるように見えるのに、本当に大切なことからはなぜか遠ざかってしまう。
これは創造的逃避(Creative Avoidance)と呼ばれる心理的なメカニズムです。
この記事では、創造的逃避とは何か、なぜ起こるのか、そして乗り越える方法を詳しく解説します。
創造的逃避の定義
創造的逃避とは
創造的逃避とは、ストレスや不安を軽くするために、想像力を使ってゴールや目的から離れようとする行動や態度のことです。
一見すると前向きに工夫しているように見えますが、実際には「本当に大切なこと」から目をそらす働きをしています。
「創造的」と呼ばれる理由
単なる怠けや先延ばしとは違い、生産的で前向きな活動をしているように見えるのが創造的逃避の特徴です。
「Creative Avoidance」という言葉が示すように、ただ何もしないのではありません。何か別のことを「創造的に見つけて」逃げるのです。
そのため、本人も周囲も「頑張っている」と感じやすく、逃避していることに気づきにくいのです。
創造的逃避が起こる3つの背景
不安やストレスを避けたい気持ち
ゴールに向かう過程では、不安やプレッシャーがつきものです。
「失敗したらどうしよう」「うまくいかないかもしれない」「批判されたらどうしよう」
こうした不安が、ゴールに向かうことを躊躇させます。その感情を和らげるために、無意識は別のことへ意識を向けようとするのです。
想像力が逃げる方向に働く
本来はゴールを描く力になるはずの想像力が、逆に「現実逃避」に使われてしまうことがあります。
想像力は、未来をイメージする力でもあり、同時に「今やらなくていい理由」を見つける力でもあるのです。
結果として、大切な目標から少しずつ遠ざかってしまいます。
コンフォートゾーンの外側にいる不安
新しい挑戦や大きなゴールは、あなたのコンフォートゾーン(居心地の良い領域)の外側にあります。
私たちの脳には、コンフォートゾーンの外側に出ることを「危険かもしれない」と判断し、元の安全な場所に戻そうとする働きがあります。
これはホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼ばれる、本来は私たちを守るための仕組みです。しかし、新しいことに挑戦したいときには、このホメオスタシスが創造的逃避として現れてしまうのです。
創造的逃避の具体例
掃除や片付けに逃げる
勉強や仕事を始めようとすると、急に部屋の掃除をしたくなる。
これは典型的な創造的逃避のパターンです。
「環境を整えてから取り組もう」というのは一見合理的に聞こえます。でも実際には、本当にやるべきことから逃げているだけかもしれません。
準備ばかりして行動しない
新しい挑戦を前に「今はまだ準備が足りない」と理由をつけて先延ばしにしてしまう。
「もっと勉強してから」「もっと資格を取ってから」「もっとお金を貯めてから」「もっと情報を集めてから」
こうした言葉で、いつまでも行動を先延ばしにしていませんか?
別の趣味や活動に没頭する
ゴールを考えると不安になるので、別の趣味や気晴らしに没頭してしまうこともあります。
「息抜きも大切」というのは事実です。でも、それが本当にやるべきことから逃げるための言い訳になっていないか、見極める必要があります。
完璧を求めすぎる
「完璧にできないならやらない方がいい」と、完璧主義を理由に行動しないのも創造的逃避の一つです。
完璧な状態など永遠に来ません。結果的に何も始められなくなってしまいます。
創造的逃避に気づくサイン
サイン1:別の作業に逃げ込んでいる
やるべきことを前にすると、別の小さな作業や習慣に逃げ込んでいませんか?
本当に今やる必要がないことを、「これも大切だから」と理由をつけてやっていないか振り返ってみましょう。
サイン2:「もう少し〇〇してから」が口癖
「もっと準備してから」「もう少し時間ができたら」「もっと勉強してから」
この言葉が何度も出てくるなら、創造的逃避の可能性があります。
サイン3:ゴールへの不安や恐れがある
心のどこかで「本当はゴールに向き合うのが怖い」と感じていませんか?
不安や恐れを感じることは自然なことです。大切なのは、それを認めずに別のことで誤魔化していないかを確認することです。
サイン4:忙しいのに進んでいない
毎日忙しく何かをしているのに、本当に大切なゴールには近づいていないと感じる。
もしそう感じるなら、気づかない間に創造的逃避が働いているかもしれません。
サイン5:「やらない理由」を見つけている
行動しない理由を、創造的に見つけていませんか?
「今は時期じゃない」「もっと良いタイミングがある」といった理由を次々と見つけているなら、要注意です。
創造的逃避を乗り越える方法
ゴールの臨場感を高める
ビジュアライゼーションを活用する
ゴールを達成した自分を鮮明にイメージすると、「逃げたい気持ち」よりも「進みたい気持ち」が強くなります。
ビジュアライゼーションとは、五感と感情を使って未来をリアルに体験する技術です。
コンフォートゾーンを移動させる
ゴール側の世界を今よりもリアルに感じることで、コンフォートゾーンがゴール側に移動します。
すると、ホメオスタシスが「ゴール側を維持しよう」と働き始め、自然とゴールに向かう行動が取れるようになるのです。
「今やるべきこと」を明確にする
自分に問いかける
「本当に今やるべきことは何か?」を明確にすることで、創造的逃避に気づきやすくなります。
今やっていることが、ゴールに直結しているかどうかを冷静に見つめてみましょう。
まず行動してみる
ゴール実現のためにやった方が良いと思えるなら、まず一歩を踏み出してみましょう。
一旦行動に移してみたら、思っていたよりもスムーズに進んでいることが多いはずです。
自分に正直になる
自分への問いかけを習慣にする
「これは本当にやるべきことなのか、それとも逃げているのか?」と自分に問いかける習慣をつくりましょう。
自分に正直になることで、創造的逃避に気づきやすくなります。
不安を認める
ゴールに向かうときに不安を感じるのは、自然なことです。
不安を否定せず、「不安を感じている自分」を認めることが、逃避を手放す第一歩になります。
なりたい自分に向かって踏み出そう
創造的逃避は誰にでも起こりうる自然な反応です。だからこそ、それに気づき、修正していくことがゴール達成への第一歩になります。
もし今、忙しく動いているのに本当に大切なことには手をつけていないと感じるなら、それは創造的逃避かもしれません。気づいたこと自体が、変化の始まりです。
今日から、「本当に今やるべきことは何か?」と自分に問いかけ、小さな一歩を踏み出してみましょう。