情動記憶とは?過去の感情が今のあなたを決めている理由と変える方法

kokihasutami

なぜ過去の経験が今のあなたを縛るのか

「あの時の失敗が忘れられない」「また同じことが起こるのではないかと怖い」

過去の辛い体験が、今のあなたの行動を制限していることはありませんか。

逆に、「あの時の成功体験が自信になっている」「あの時の喜びがまた挑戦する力になる」という経験もあるでしょう。

実は、強い感情を伴った過去の体験は、情動記憶として心に深く刻まれ、今のあなたの判断や行動を無意識に決めています

この記事では、情動記憶の仕組みと、それを活かして理想の自分になる方法を解説します。

情動記憶とは何か

情動記憶の定義

情動記憶とは、信念を形成するほど強い情動をともなった体験記憶のことです。

心に強く刻まれた体験は、無意識のレベルで私たちの判断や行動に影響を与え続けます。

情動記憶は、単なる出来事の記憶ではなく、その時に感じた感情とセットで記憶されたものです。

情動とは何か

情動とは、強く心を動かす感情のことです。

喜び、悲しみ、恐怖、怒り、安心、不安など、心が大きく動いた時の感情が情動です。

情動を伴う体験は、ただの出来事よりも遥かに強く記憶に残ります。

普通の記憶との違い

普通の記憶

「昨日の夕食は何を食べたか」「去年の今頃何をしていたか」といった、感情を伴わない出来事の記憶は、時間とともに薄れていきます。

情動記憶

「初めて人前で失敗して恥ずかしかった」「大切な人に認められて嬉しかった」といった、強い感情を伴う体験は、何年経っても鮮明に覚えています

そして、その記憶は今も無意識にあなたの行動を左右しているのです。

情動記憶に刻まれる感情

良い感情も、そうでない感情も

情動記憶には、ポジティブな感情もネガティブな感情も刻まれます。

ポジティブな情動記憶

  • 楽しさ
  • 喜び
  • 安心感
  • 達成感
  • 愛されている感覚
  • 誇らしさ

ネガティブな情動記憶

  • 悲しみ
  • 恐怖
  • 怒り
  • 恥ずかしさ
  • 不安
  • 孤独感

どちらの感情もマインドに記録され、無意識の自分の在り方に影響します

強い情動の力

情動記憶には、次のような特徴があります。

鮮明に残りやすい

普通の記憶よりも鮮明に残りやすいのが、情動記憶の特徴です。

何年前、何十年前の出来事でも、強い感情を伴った体験は、まるで昨日のことのように思い出せることがあります。

行動を促したり制限したりする

情動記憶は、行動を促したり、逆に制限したりする大きな要因になります。

  • ポジティブな情動記憶:「またやりたい」と行動を促す
  • ネガティブな情動記憶:「もうやりたくない」と行動を制限する

無意識に与える影響

行動・判断・選択を決める基盤

情動記憶は、私たちが気づかないうちに行動を左右します

意識的に考える前に、無意識が「これは危険だ」「これは安全だ」と判断し、行動を決めてしまうのです。

具体例1:失敗の記憶

「過去に失敗して恥ずかしかった」という情動記憶があると、

  • 似た状況を無意識に避ける
  • 「また失敗するのではないか」と不安になる
  • 挑戦する前に諦めてしまう

たとえば、学生時代に人前で発表して笑われた経験があると、大人になってからも人前で話すことを無意識に避けてしまいます。

具体例2:成功の記憶

「誰かに褒められて嬉しかった」という情動記憶があると、

  • また挑戦したくなる
  • 「自分にはできる」と感じられる
  • 似た状況を求めるようになる

たとえば、幼少期に絵を描いて褒められた経験があると、大人になっても創作活動を楽しめるようになります。

信念の形成につながる

強い情動を伴う体験は「私はこういう人間だ」という信念に変わっていきます

信念が強まるほど、セルフイメージや日常の行動パターンも固まっていきます。

例:ネガティブな情動記憶から生まれる信念

  • 失敗して笑われた → 「私は人前で話すのが苦手だ」という信念
  • 努力しても認められなかった → 「頑張っても意味がない」という信念
  • 親から否定された → 「私には価値がない」という信念

例:ポジティブな情動記憶から生まれる信念

  • 挑戦して成功した → 「私にはできる」という信念
  • 誰かに感謝された → 「私は役に立つ存在だ」という信念
  • 愛されている実感があった → 「私は愛される価値がある」という信念

情動記憶を活かすために

未来に向けた新しい情動記憶をつくる

私たちは新しい情動記憶を合成して作ることができます。その方法は、ゴールを達成した未来の自分をリアルにイメージし、その時の感情を先取りすることです。

未来を「すでに体験したこと」として情動記憶に刻むことで、自然に行動が変わっていきます。

実践方法:未来の情動記憶をつくる

ステップ1:ゴールを達成した瞬間をイメージする

ゴールを達成した瞬間の自分を、できるだけ鮮明にイメージします。

ステップ2:その時の感情を感じる

その瞬間に感じるであろう感情を、今、深く味わいます。

  • 達成感
  • 喜び
  • 誇らしさ
  • 安心感
  • 自由を感じる感覚
ステップ3:五感とともに体験する

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を使って、その瞬間をリアルに体験します。

この作業を繰り返すことで、未来のゴール達成が情動記憶として刻まれます

毎日、この未来の情動記憶を体験することで、脳は「これはすでに起こったこと」として認識し始めます。

すると、ゴールに向かう行動が自然になっていくのです。

まとめ

  • 情動記憶=強い感情を伴った体験が心に刻まれたもの
  • 良い感情も悪い感情も、無意識の判断や信念の基盤になる
  • ポジティブな体験を増すことで、望む未来を選びやすくなる

未来のポジティブな情動記憶をつくることで、あなたは過去に縛られない自由な自分になれます。

新しい情動記憶を合成し、自分自身に取り入れることで無意識のハビットやアティテュードも自然と変わっていきます。

過去は気にせず未来だけをみていきましょう。

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