ホメオスタシスとは?変われない理由と未来を変える力の正体

蓮彩聖基

「今年こそ変わりたい」と決意したのに、気づけばいつもの自分に戻っている。

新しい習慣を始めても三日坊主で終わってしまう。

ダイエットや朝活、資格の勉強…何度決意しても続かない自分に、「私って意志が弱いのかな」と落ち込んでしまうことはありませんか?

実はこれは、あなたの意志の問題ではありません。ホメオスタシスという、誰もが持っている生理的・心理的なメカニズムが働いているのです。

この記事では、変化を妨げる力であり、同時に理想の未来へ導く力にもなるホメオスタシスについて詳しく解説します。

ホメオスタシスとは

ホメオスタシスの定義

ホメオスタシスとは、恒常性維持機能のことです。

生物が内部環境を一定に安定させようとする生理学的なプロセスやメカニズムを指します。

言葉の由来

「ホメオスタシス(Homeostasis)」という言葉は、ギリシャ語に由来しています。

  • homoios:「同じ」
  • stasis:「状態」

この2つを組み合わせた言葉で、「同じ状態を保つ」という意味を持っています。

ホメオスタシスが必要な理由

私たちを取り巻く外部環境は、常に変化しています。

暑くなったり寒くなったり、食事をしたり、ストレスを感じたり。もし体内環境がこれらの変化にそのまま振り回されてしまったら、生命を維持することができません。

ホメオスタシスは、生命を守るために不可欠な機能なのです。

身体におけるホメオスタシスの働き

体の中で起きていること

私たちの体は、意識しなくても常に一定の状態を保とうとしています。

これは自動的に行われているため、普段は気づくことがありません。

具体的な例

体温の維持

体温を36〜37度前後に保つために、暑ければ汗をかいて体を冷やし、寒ければ体を震わせて熱を生み出します。

血糖値の安定

食事をして血糖値が上がるとインスリンが分泌され、逆に下がるとグルカゴンが分泌されて調整されます。

血液のpH調整

血液が酸性やアルカリ性に傾きすぎないよう、常に一定の範囲内に保たれています。

水分バランスの調整

体内の水分が不足すると「のどが渇いた」と感じ、水分を摂取するよう促されます。

ホメオスタシスがなかったら

もしホメオスタシスがなければ、少し暑いだけで体温が上がり続けたり、食事をするたびに血糖値が異常に変動したりしてしまいます。

命に関わる事態になりかねないのです。

マインドにおけるホメオスタシス

身体だけでなく心にも働く

ホメオスタシスは、もともと身体の機能を説明する概念でした。

しかし人間の脳が進化するにつれて、ホメオスタシスは物理的な身体だけでなく「マインドの世界」にも及ぶようになったのです。

マインドのホメオスタシスとは

マインドの領域でも、ホメオスタシスは働いています。

思考や感情における「いつもの状態」を維持しようとする働き。これが、マインドの中のコンフォートゾーンを保つ力です。

つまり、あなたが「いつもの自分」でいようとするのは、マインドのホメオスタシスが働いているからなのです。

女性の日常で起きていること

新しい挑戦への抵抗

たとえば、今まで人前で話すことが苦手だったあなたが、プレゼンに挑戦しようとしたとします。

すると「やっぱり無理かも」「恥ずかしい思いをしたらどうしよう」という気持ちが湧いてきませんか?

これはあなたの意志が弱いのではありません。ホメオスタシスが「いつもの安全な状態に戻ろう」と働いているのです。

SNSでの発信をためらう

自分の考えを発信したいと思っても、いざ投稿しようとすると手が止まってしまう。

「批判されたらどうしよう」「変に思われるかも」という不安が浮かんでくるのも、ホメオスタシスの働きです。

習慣化できることの理由

逆に、毎日のスキンケアや通勤ルートなど、習慣化したことは無理なく続けられますよね。

これも、ホメオスタシスが「いつもの状態」として認識しているからこそ、自然に継続できているのです。

ホメオスタシスと変化の関係

現状を守ろうとする力

ホメオスタシスは、「今の状態」を保つ働きがとても強いです。

そのため、成長や変化をしようとするときには、壁のように感じられることがあります。

こんな経験はありませんか?

  • 「ダイエットを始めよう」と決意しても、数日で元の食生活に戻ってしまう
  • 「朝活を始めよう」と思っても、気づけばいつもの時間に起きている
  • 「新しいことに挑戦したい」と思うのに、なぜか一歩が踏み出せない
  • 「もっと自分を表現したい」と思いながら、結局いつもの自分でいてしまう

これらはすべて、ホメオスタシスが現状を維持しようとしているサインです。

ホメオスタシスは敵ではない

ここで大切なことをお伝えします。

ホメオスタシスは、決してあなたの敵ではありません。

急激な変化は、脳にとって「危険かもしれない」と判断されます。だからホメオスタシスは、元の安全な状態に戻そうとするのです。

つまり、ホメオスタシスはあなたを守るために働いているのです。

変われない自分を責める必要はありません。それは、あなたの中にある「守ろうとする力」が正常に機能している証なのです。

ホメオスタシスを味方につける方法

基準を変えるという発想

ホメオスタシスは、「何を現状とするか」という基準によって働きます。

今の現状よりも、ゴール側の世界のほうが臨場感が高くなれば、ホメオスタシスはゴール側を維持しようと働き始めます。

つまり、「現状維持の力」を逆に利用して、理想の未来を安定させることができるのです。

ゴール側の臨場感を高める

最も重要なのは、ゴールを達成した未来の自分を、今よりもリアルに感じることです。

ビジュアライゼーション

ゴールを達成している自分の姿を、毎日映像としてイメージします。

どんな場所にいて、何をしていて、どんな表情をしているのか。五感を使って鮮やかに思い描いてみてください。

アファメーション

ゴールを達成している状態を、現在形の言葉にして宣言します。

「私は〇〇している」「私は〇〇な女性だ」というように、すでに実現しているかのように言葉にするのです。

感情を味わう

ゴールを達成したときの喜び、充実感、誇らしさを、今この瞬間に感じてみてください。

感情を伴うイメージは、より強く無意識に刻まれます。

小さな変化から始める

いきなり大きな変化を求めると、ホメオスタシスが強く抵抗します。

小さな変化から始めることで、抵抗を最小限にすることができます。

具体的な始め方

  • 「毎日1時間運動する」→「毎日5分ストレッチする」から
  • 「完璧な食生活にする」→「朝食に野菜を一品加える」から
  • 「毎日本を1冊読む」→「毎日5ページ読む」から
  • 「SNSで毎日発信する」→「週に1回投稿する」から

小さな成功体験を積み重ねることで、新しい行動が「いつもの状態」になっていきます。

ホメオスタシスが味方になったら

変化が自然になる

ホメオスタシスの基準がゴール側に移ると、変化することが苦痛ではなくなります。

「やらなきゃ」という努力ではなく、「これが普通」という感覚で行動できるようになるのです。

朝のスキンケアが習慣になっているように、新しい行動も自然とできるようになります。

元に戻らなくなる

今までは「新しいことを始めても、すぐに元に戻ってしまう」という経験が多かったかもしれません。

しかし、ホメオスタシスの基準が変わると、元に戻ろうとする力が働かなくなります。

むしろ、新しい状態を維持しようとする力が働くようになるのです。

理想の自分が「普通の自分」になる

ホメオスタシスを味方につけると、かつて憧れていた理想の自分が「当たり前の自分」になります。

努力して維持するのではなく、それが自然体の自分になるのです。

ホメオスタシスと向き合うときの注意点

焦らないこと

ホメオスタシスの基準を変えるには、時間がかかります。

一朝一夕で変わることを期待せず、少しずつ臨場感を高めていくことが大切です。

自分を責めないこと

元の状態に戻ってしまったとしても、それはホメオスタシスが正常に働いているだけです。

「私ってダメだな」と自分を責めるのではなく、「まだ内面が変わりきっていないだけ」と捉えてください。

ホメオスタシスを理解して、なりたい自分へ

ホメオスタシスについて、改めて整理してみましょう。

ホメオスタシスの本質

  • 身体や心を一定に保つための恒常性維持機能
  • 身体では体温や血糖値などを安定させる
  • マインドではコンフォートゾーンを守るように働く
  • 変化を妨げる力であり、同時に未来を維持する力にもなる

味方につける方法

  • ゴール側の臨場感を高める(ビジュアライゼーション、アファメーション)
  • 感情を伴ったイメージを持つ
  • 小さな変化から始める
  • 焦らず、自分を責めない

ホメオスタシスは「変化を妨げる力」でありながら、同時に「理想の未来を維持する力」にもなります。

どちらに働かせるかは、あなたがどんな世界を臨場感豊かに思い描けるかにかかっています。

ゴール側の世界を今よりもリアルに感じられるようになれば、ホメオスタシスは自然とあなたをそこへ導いてくれます。

変われない自分を責める必要はもうありません。

ホメオスタシスという味方を得て、焦らず、未来の自分を「当たり前の私」にしていきましょう。

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