人と比べてしまう、本当の理由
SNSを見ていて、気づけば「あの人はすごいな、私はまだまだ…」と感じてしまうことはありませんか?誰かの幸せや成功を見て焦ったり、逆に心の中で相手を見下して安心したりする。
この「比べグセ」が積み重なると、気づかないうちに心が疲弊していきます。その根本にあるのが、セルフエスティーム(自尊心)なのです。
セルフエスティームとは何か
自分を価値ある存在として尊重する感覚
セルフエスティームとは、自分を価値ある存在として尊重し、大切に思うことです。コーチングでは、これを「自尊心」と訳しますが、もう少し具体的に言うと以下のような感覚のことなのです。
- 他人からの評価に左右されない
- 自分の存在そのものに価値を見いだせる
- 誰かと比べずとも、自分を認められる
つまり、「私は私でいい」と自然に思える感覚のことなのです。
エフィカシーとの深い関係
ここで重要になるのが、エフィカシー(ゴールを達成する自己能力の自己評価)です。実は、セルフエスティームとエフィカシーは連動しているのです。
セルフエスティームが低い場合
- 「自分は価値がない」と思い込む
- 「どうせ能力もない」とエフィカシーまで下がる
- 挑戦する力が失われる
セルフエスティームが高い場合
- 「私は価値ある人間」と思える
- 「だからきっとゴールを達成できる」とエフィカシーが高まる
- 挑戦する力が湧いてくる
このように、自分をどう扱うかが、能力の自己評価にまで影響するのです。
SNSで比べてしまう心理
他人基準でしか測れない状態
SNS疲れの正体は、セルフエスティームの低下と深く関係しています。
- フォロワー数や「いいね」の数を気にしてしまう
- ブランド品や豪華な生活を見て落ち込む
- 他人の成功を素直に喜べない
- 相手を卑下して、自分を優位に感じようとする
これらはすべて、自分の価値を外側に求めている状態なのです。他人基準でしか自分を測れないからこそ、疲れてしまうのです。
セルフエスティームが低い人の特徴
セルフエスティームが低い人には、こんな傾向があります。
- 自分に厳しく、自己否定が多い
- 他人の成功に嫉妬する
- 批判や比較で心がざわつく
- 他人を下げて、自分を保とうとする
- 失敗や過去のミスにとらわれやすい
こうした思考の癖が積み重なることで、「自分の価値」を見失ってしまうのです。
セルフエスティームを高める3つのステップ
ステップ1:成功体験を書き出す
どんなに小さなことでも構いません。
- 嬉しかったこと
- 褒められたこと
- 誇らしかったこと
これらをノートに書き出し、見える化しましょう。書くことで「自分にも成功体験がある」という実感が強まるのです。
ステップ2:その時の感情を思い出す
書き出した内容を読み返し、当時の体験を臨場感豊かに再現してください。
「あのとき、本当に嬉しかったな」「自分でもできたのだ」という誇らしい気持ち――。
体感や感情をしっかり味わうことで、脳はそれを「今の経験」として受け取ります。これが、セルフエスティームを強化するプロセスなのです。
コーチングでは、このような感情を伴った記憶を情動記憶と呼びます。
情動記憶を再体験することで、自己イメージが書き換えられていくのですね。
ステップ3:繰り返し実践する
このプロセスは、1回きりでは意味がありません。繰り返すことで、自己否定が少しずつ自己肯定へと書き換えられていきます。
継続するほど「私は大丈夫」「私にもできる」と思えるようになるのです。
他人の評価は関係ない
自分が自分をどう扱うか
セルフエスティームは、自分が自分をどう扱うかによってのみ決まります。
- フォロワー数
- 高級ブランド
- 周囲の反応
これらに依存している限り、セルフエスティームは安定しません。逆に言えば、自分の中で価値を見いだせるようになれば、揺らぐことはないのです。
あなたはすでに成功を積み重ねている
忘れないでください。あなたはこれまでに、たくさんの成功や達成を経験してきました。
- 学んだこと
- 乗り越えた困難
- 誰かに与えた影響
それらを「なかったこと」にしているだけかもしれません。思い出し、再体験し、何度も自分に刻みましょう。
まとめ:比べない心を育てる
セルフエスティームが高まれば、他人の成功も素直に喜べるようになります。
この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。
- セルフエスティームが低いとエフィカシーまで下がり、挑戦する力が失われる
- SNS疲れはセルフエスティーム低下のサイン
- 成功体験を思い出し、感情を再体験することで高められる
- 他人の評価ではなく、「自分が自分をどう見るか」がすべて
SNSで疲れない心をつくるには、「比べないこと」よりも「自分を大切に思う力」を育てることなのです。
セルフエスティームが高まれば、自然と自分のゴールに集中できるようになります。
