なぜか同じ壁にぶつかる理由|過去の記憶に縛られた認識を変える
私たちは「ありのまま」を見ていない
私たちは「自分の目で世界をありのままに見ている」と感じています。でも実は、私たちが認識している世界は、かなり限定的なものなのです。脳は膨大な情報の中から、ある特定のものだけを選び取って、それを「現実」として見せています。目には映っているのに、脳が「重要ではない」と判断した情報は意識に上がらず、存在していても「ないもの」として扱われてしまうのです。たとえば、新しいバッグを買おうと思って街を歩いていると、不思議と同じようなバッグを持っている人がたくさん目に入りますよね。でも実際には、その人たちはずっと前からそこにいたはずです。あなたが「バッグ」に意識を向けたから、急に見えるようになっただけなのです。
過去の記憶が「何を見るか」を決めている
では、脳は何を基準に「これを見せよう」「これは隠そう」と判断しているのでしょうか。その答えの一つが情動記憶です。情動記憶とは、過去に経験した出来事に感情がセットになって記憶されているもののことです。楽しかったこと、悲しかったこと、怖かったこと。感情が動いた体験ほど、強く刻まれます。大切なのは、その感情がポジティブかネガティブかは関係ないということです。どちらであっても、感情を伴った記憶は「重要なもの」として脳に登録されます。そして脳は、この情動記憶に紐づいたものを優先的に認識するようになっているのです。たとえば、犬に対する反応を考えてみてください。子どもの頃に犬と楽しく遊んだ記憶がある人は、街で犬を見かけると自然と目が向き、温かい気持ちになります。反対に、犬に噛まれて怖い思いをした記憶がある人は、無意識に犬の存在を察知して、身構えてしまいます。どちらも「犬」という同じ対象なのに、過去の記憶によって、見え方も感じ方もまったく違うものになるのです。
同じパターンが繰り返される理由
あなたが見ている世界は「過去の記憶」によってつくられています。しかしそれは本当にあなたが望んでいる現実でしょうか。過去に傷ついた記憶、失敗した記憶、否定された記憶。それらが無意識のうちに「重要なこと」として設定されると、あなたの脳は自動的にそれらに関連するものばかりを拾い続けます。結果として、同じようなパターンの出来事や感情が繰り返されるという現象が起きてしまうのです。「なぜかいつも同じような人間関係で悩む」「同じような壁にぶつかる」「いつも同じところで挫折する」。こうしたパターンの背景には、過去の情動記憶が影響しています。認識の仕組みを理解しないまま生きていると、私たちは無意識に過去の延長線上を歩き続けることになります。言ってしまえば、過去の記憶の世界を生きているようなものなのです。
認識を未来へ切り替える方法
では、どうすればこの状態から抜け出せるのでしょうか。答えは、ゴールを設定することです。ゴールとは、あなたが心から実現したいと思える未来のことです。それを明確にすることで、脳の認識のシステムが切り替わります。過去ではなく、未来を基準にして世界を見るようになるのです。ここで重要なのは、ゴールを「現状の外側」に設定することです。現状の延長線上にあるゴールでは、認識のシステムは変わりません。今の自分では達成方法が見えない、自己イメージの変化を必要とするゴールを設定することで、脳は本気で創造性を発揮し始めます。ゴールを設定すると、脳は「そのゴールに必要な情報」を重要だと判断し始めます。すると、これまで見えなかった情報、新しい可能性、出会い、選択肢がどんどん目の前に現れてきます。今まで気づかなかった扉や道が見えてくるようになるのです。
あなたの人生は、あなたが選んでいい
私たちはつい、「現実とはこういうもの」と思い込んでしまいがちです。でも本当は、あなたが何に意識を向けるかで、見える現実は変わるのです。現実は一つではありません。あなたの認識が、あなたの現実を創っています。過去の記憶に支配されるのではなく、自分が本当に望む未来に意識を向けること。それが、あなた自身の人生を取り戻す第一歩になります。いまこの瞬間から、あなたは自分の世界を選び直すことができるのです。過去にどんな記憶があっても、未来は自分で決めていいのです。
