コーチングの基本

3日坊主になってしまう、本当の理由

kokihasutami

ダイエットや運動を始めても、3日程度でやめてしまう。勉強や資格試験の計画を立てたのに続かない。

「結局、私は意志が弱いんだ」と落ち込んでしまう――こんな経験はありませんか?

でも、安心してください。実は3日坊主は意志の弱さの問題ではないんです。原因は、私たちの脳が持つコンフォートゾーンにあるのです。

コンフォートゾーンが引き戻している

脳は「快適な状態状態」を守ろうとする

コンフォートゾーンとは、快適で安心ができる状態「慣れ親しんだ世界」のことです。脳はこのコンフォートゾーンを保とうと、常に働いています。

  • ダイエットを始めても、「今までの食生活」の方が慣れている
  • 勉強を始めても、「テレビやSNSを見る習慣」に戻りたくなる

脳は変化を「違和感」と判断し、元に戻そうとします。この引き戻しの力こそが、3日坊主の正体なんですね。

変化は脳にとって危険信号

なぜ脳は現状を維持しようとするのでしょうか?それは、生物として生き残るための本能です。変化は予測できないリスクを伴うため、脳は「このままの方が安全」と判断してしまうのです。

ですから、あなたの意志が弱いわけではありません。脳の仕組みが、そうさせているだけなのです。

臨場感の戦い:今の自分 vs 未来の自分

脳の中で起きている「リアリティの競争」

新しい挑戦を始めるとき、脳の中では臨場感の戦いが起こっています。臨場感とは、「実際にその場にいる」というような感覚のことです。

そして、脳は臨場感の強い方を現実として選んでしまうのです。

現在の臨場感

  • 慣れている生活・安心感
  • 毎日体験しているからリアル
  • 臨場感:強い

未来の臨場感

  • 理想の自分・未知の世界
  • まだ体験していないから想像
  • 臨場感:弱い

結果として、多くの場合「今の臨場感」が勝ち、挑戦は途中で止まってしまいます。これが「やる気が続かない」正体なのです。

認知的不協和を未来に向ける

矛盾を感じると、脳は不快になる

人は「今の現実」と「望む未来」が矛盾すると、不快感を覚えます。これを認知的不協和と呼びます。

例えば:

  • 「痩せたい」と思っているのに、夜中にお菓子を食べてしまう
  • 「勉強しよう」と決めたのに、SNSを見てしまう

この矛盾を解消するために、脳は2つの選択肢を持っています。

  1. 今に合わせる:「別に痩せなくてもいいか」と諦める
  2. 未来に合わせる:「お菓子を食べるのをやめよう」と行動を変える

未来の臨場感を高めれば、脳が勝手に動く

未来の臨場感を高めることで、脳は今の現実を変えないとおかしいと感じるようになります。

すると、無理に頑張らなくても、脳が自動的に未来へと引き寄せてくれるのです。

行動より「内面の移行」が先

よくある誤解

多くの人は「とにかく行動すれば変わる」と思いがちです。

でも、内面が今のコンフォートゾーンに縛られたままでは、必ず引き戻されてしまいます。

  • 数日頑張っても「やっぱり続かない」
  • 自己否定が強まり「私はダメだ」と思い込む

だからこそ大切なのは、行動よりも先に内面を未来に移行させることなのです。

未来の臨場感を強め、そこを新しい「当たり前」にする。これが、挫折しない秘訣です。

未来の臨場感を強める方法

ビジュアライゼーション(視覚化)の活用

未来を「ただの目標」ではなく、すでにある現実として感じることが大切です。

コーチングでは、これをビジュアライゼーション(視覚化)と呼びます。

具体的なやり方

  1. ゴール達成している時の生活を、今体験しているかのように思い描く
  2. 未来の感情・空気感・香り・音まで細かく想像する
  3. 「まるで映画の主人公になったように」未来の自分を体験する

臨場感を高めるほど、脳はその映像の世界を現実に合わせようとするのです。

コンフォートゾーンが変わる瞬間

未来の臨場感が強まり、そこに居心地を感じるようになると、脳は「今の自分」を変えざるを得なくなります。

  • 食事改善や運動が「自然な習慣」になる
  • 勉強や読書が「日常の一部」になる
  • 行動が努力ではなく「当たり前」になる

この状態になれば、3日坊主とは無縁です。むしろ、やめる方が不自然に感じるほどになります。

実践ステップ:未来へシフトする4つの方法

ステップ1:未来を鮮明にイメージする

ゴール達成をしている自分を「映画のワンシーン」のように思い描きましょう。できるだけ具体的に、細部まで想像してください。

ただし、自分が主役となって1人称の視点で世界を見ているようにイメージしてください。

ステップ2:臨場感を高める

視覚・聴覚・嗅覚・感情をフル活用して体験します。

「どんな景色が見える?」「どんな音が聞こえる?」「どんな気持ち?」と自分に問いかけてみてください。

ステップ3:内面の基準を未来に移す

「今」ではなく「未来の自分」をコンフォートゾーンに設定します。

「未来の自分なら、どう行動する?」と考える習慣をつけましょう。

ステップ4:行動は自然に起きる

頑張らずとも、脳が未来へと導いてくれます。無理に自分を追い込む必要はありません。

内面が変われば、行動は自然についてくるのです。

まとめ:続けられる人になるために

続けられる人は特別ではありません。ただ、脳の仕組みを上手に使えているだけなのです。

この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。

  • 3日坊主の原因は「意志の弱さ」ではなく「コンフォートゾーン」
  • 脳は「臨場感の強い方」に引き寄せられる
  • 認知的不協和を未来側に向けることで、行動は自然に続く
  • 内面の変化を先に行えば、変化は努力ではなく「当たり前」になる

あなたも今日から、3日坊主と無縁の人生を歩み始められます。少しずつ未来の臨場感を高めていけば、あなたの脳は確実に変わっていくのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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