女性の生き方

3日坊主の正体|脳の仕組みを味方につければ習慣は続く

蓮彩聖基

あなたの意志が弱いわけではない

ダイエット、運動、勉強。始めた瞬間はやる気に満ちているのに、気づけば元の生活に戻っている。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。でも、それはあなたの意志が弱いからではありません。脳には「慣れ親しんだ状態を守ろうとする仕組み」が備わっているのです。この仕組みをホメオスタシスと呼びます。脳はこの快適な領域を維持しようとして、変化を「違和感」として処理し、元に戻そうとします。生物として生き残るために、変化は予測できないリスクとして認識されるからです。3日坊主の正体は、あなたの根性の問題ではなく、脳の防衛本能なのです。

脳は「臨場感の強い方」を現実として選ぶ

新しい挑戦を始めるとき、脳の中では静かな戦いが起きています。「今の自分」と「理想の自分」、どちらがよりリアルに感じられるかという戦いです。臨場感とは「まさにその場にいる」という感覚のこと。毎日体験している現在の生活は、当然ながら臨場感が強いのです。一方、まだ体験していない理想の未来は、どうしても想像の域を出ません。脳は臨場感の強い方を「本当の現実」として採用します。だから多くの場合、慣れ親しんだ今の生活が勝ち、挑戦は途中で止まってしまうのです。「やる気が続かない」のは、意志の問題ではなく、この臨場感の差が原因なのです。

矛盾を未来に向けると脳が動き出す

「痩せたい」と思いながら夜中にお菓子を食べてしまう。「勉強しよう」と決めたのにSNSを開いてしまう。このとき脳は不快感を覚えています。望む未来と現在の行動が矛盾しているからです。この不快感を認知的不協和と呼びます。脳はこの矛盾を解消しようとして、二つの道を提示します。一つは「別に痩せなくてもいいか」と目標を下げる道。もう一つは「お菓子を控えよう」と行動を変える道。ここで未来の臨場感が十分に高ければ、脳は自然と後者を選びます。未来がよりリアルに感じられると、今の行動の方が「おかしい」と認識されるようになるのです。無理に頑張らなくても、脳が自動的に未来へと導いてくれます。

行動より先に「内面」を移行させる

「とにかく行動すれば変わる」と思われがちですが、内面が今のコンフォートゾーンに縛られたままでは、必ず引き戻されます。数日頑張っては挫折し、「やっぱり私はダメだ」と自己否定を強めてしまう。このサイクルから抜け出すには、行動よりも先に内面を未来に移行させることが大切です。内面の移行とは、未来の臨場感を高め、そこを新しい「当たり前」として感じられるようになることです。ゴールを達成している自分の生活を、まるで今体験しているかのように思い描いてみてください。その場所の空気感、聞こえてくる音、感じる感情まで細かく想像するのです。これをビジュアライゼーションと呼びます。臨場感が高まるほど、脳はその世界に合わせて現実を変えようとしてくれます。

習慣が「努力」から「当たり前」に変わるとき

未来の臨場感が十分に高まり、その世界に居心地の良さを感じるようになると、不思議なことが起こります。脳が「今の自分」を変えざるを得なくなるのです。食事改善や運動が自然な習慣になり、勉強や読書が日常の一部になります。頑張って続けているのではなく、やめる方が不自然に感じるほどになるのです。続けられる人は特別な意志の強さを持っているわけではありません。ただ、脳の仕組みを上手に活用しているだけなのです。あなたも「未来の自分ならどう行動する?」と問いかける習慣をつけてみてください。内面が変われば、行動は自然についてきます。3日坊主とは無縁の人生が、そこから始まります。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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