心と感情

理想と現実のギャップに苦しいとき|それは「悪いこと」じゃない

kokihasutami

「理想の自分になりたいのに、全然そうなれない」

「なりたい自分と今の自分、あまりにも違いすぎる」

そんな風に感じて、不安になったり、モヤモヤしたり、イライラしたりすることはありませんか?

実は、それは悪いことではないのです。

むしろ、良い兆候なのです。

この記事では、理想と現実のギャップに苦しむ時の正しい捉え方と対処法をお話しします。

理想と現実のギャップが苦しい

新しいゴールを設定した時、こんな気持ちになることがあります。

「毎朝5時に起きて、朝活をする理想の自分」を思い描いたのに、現実は昼まで寝てしまう。

「堂々と自分の意見を言える自分」を目指しているのに、現実は会議で何も言えない。

「自信に満ちた自分」になりたいのに、現実は相変わらず自信がない。

理想と現実のギャップが、あまりにも大きすぎる。

そうすると、不安になります。

「私には無理なのかもしれない」

モヤモヤします。

「なんで私はこうなんだろう」

イライラします。

「どうして変われないんだろう」

こんな気持ちになって、苦しくなってしまう。

あなたも、こんな経験はありませんか?

それは「認知的不協和」という良い兆候

でも、大丈夫です。

この苦しさは、あなたが成長している証拠なのです。

この現象を、「認知的不協和」と言います。

認知的不協和とは、二つの矛盾する認識が同時に存在する時に生じる不快感のことです。

「理想の自分」という認識と、「現実の自分」という認識。

この二つが矛盾していると、脳は「気持ち悪い!」と感じます。

そして、その矛盾を解消しようとするのです。

つまり、あなたが不快に感じているということは、脳が「この矛盾を解消しなきゃ!」と動き始めた証拠なのです。

これは、とても良いことです。

海の波に例えると

わかりやすく、海の波に例えてみましょう。

あなたが海で泳いでいるとします。

理想の自分は、遠くの島です。

今のあなたは、こちらの岸辺にいます。

島に向かって泳ぎ始めると、波が押し寄せてきます。

前に進もうとすると、波が押し戻してくる。

「うわ、進めない!」

「また元の場所に戻されちゃう!」

そう感じて、不安になります。

でも、これは当たり前のことなのです。

波は、常に岸に向かって戻ろうとする力を持っています。

それが、ホメオスタシス(元に戻ろうとする力)です。

だから、波に押し戻されているからといって、「私にはできない」と思う必要はありません。

波が押し寄せてくるのは、当然のことなのです。

大切なのは、波に逆らって無理に泳ごうとするのではなく、波が穏やかになるのを待つことです。

引き戻す力は「ホメオスタシス」

この「元に戻そうとする力」が、ホメオスタシスです。

ホメオスタシスは、あなたを守るために働いています。

「いつもの状態」を維持しようとする力です。

だから、あなたが変わろうとすると、「危険だ!元に戻さなきゃ!」と判断して、ブレーキをかけるのです。

これは、あなたが悪いわけでも、意志が弱いわけでもありません。

脳の自然な働きなのです。

ホメオスタシスが強く働いている時、あなたはこんな感情を感じます。

不安

「本当に大丈夫かな」

「このままでいいのかな」

モヤモヤ

「何か違う気がする」

「しっくりこない」

イライラ

「なんでうまくいかないんだろう」

「どうして私はこうなんだろう」

これらは全て、ホメオスタシスが「元に戻そう」としている時のサインなのです。

台風のように去っていく

ここで、もう一つの例え話をします。

この不快な感情は、台風のようなものです。

台風が来ると、すごい風が吹いて、雨が降って、外に出られなくなります。

でも、台風は永遠に続きません。

必ず去っていきます。

あなたの不安やモヤモヤ、イライラも同じです。

今は強く感じているかもしれないけれど、これは永遠には続きません。

時間が経てば、必ず去っていきます。

だから、台風の中で無理に外に出ようとする必要はありません。

家の中で、静かに待っていればいいのです。

台風が去るのを、じっと待つ。

あなたの感情も同じです。

無理に抑え込もうとしたり、戦おうとしたりする必要はありません。

ただ、静かに待っていればいいのです。

一旦立ち止まって、リラックスする

だから、理想と現実のギャップに苦しい時は、一旦立ち止まってリラックスしてください。

無理に前に進もうとしなくていいのです。

リラックスの方法

1. 深呼吸をする

目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしてください。

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐く。

これを5回繰り返すだけで、心が落ち着いてきます。

2. 好きなことをする

音楽を聴く。

お気に入りのカフェに行く。

友達とおしゃべりする。

映画を見る。

本を読む。

何でもいいので、あなたが好きなことで時間を過ごしてください。

3. 自然に触れる

公園を散歩する。

空を見上げる。

花を眺める。

自然に触れると、心が自然と落ち着いてきます。

4. 体を動かす

ヨガをする。

ストレッチをする。

軽く走る。

体を動かすことで、ネガティブな感情が流れていきます。

5. 何もしない時間を作る

ただぼーっとする。

何も考えない。

何もしない。

これも、とても大切なことです。

ネガティブな臨場感から離れる

大切なのは、ネガティブな臨場感から一旦離れることです。

「理想と現実のギャップ」について、ずっと考え続けていると、その世界の臨場感がどんどん強くなってしまいます。

「私はダメだ」

「うまくいかない」

「無理かもしれない」

こうした思考が、頭の中でぐるぐる回り続けます。

これは、ネガティブな世界の臨場感を高めてしまっているのです。

だから、一旦その世界から離れてください。

好きなことをして、楽しい時間を過ごしてください。

リラックスして、心を穏やかにしてください。

そうすることで、ネガティブな臨場感が薄れていきます。

少し離れたら、すぐにおさまる

不思議なことに、少し離れると、あんなに強かった不安やモヤモヤが、嘘のようにおさまることがあります。

「あれ、何であんなに苦しんでたんだろう?」

そう思えることもあります。

それは、台風が去ったからです。

ホメオスタシスの波が、一旦引いたからです。

だから、焦らなくて大丈夫です。

今、苦しくても、それは一時的なものです。

必ず去っていきます。

苦しい時は「良い兆候」と捉える

理想と現実のギャップに苦しい時、それは良い兆候です。

あなたが変わろうとしている証拠です。

あなたが成長しようとしている証拠です。

何も変わろうとしていない人は、こんな苦しみを感じません。

いつも通りの生活をして、いつも通りの自分でいれば、何も苦しくないからです。

でも、あなたは違います。

あなたは、理想の自分に向かって歩き始めました。

だから、ホメオスタシスが働いているのです。

だから、認知的不協和が起きているのです。

それは、あなたが正しい道を歩いている証拠なのです。

苦しい時の合言葉

理想と現実のギャップに苦しくなったら、この言葉を思い出してください。

「これは、良い兆候だ」

「私は、変わろうとしている」

「すぐに去っていく」

「焦らなくていい」

「一旦、立ち止まって、リラックスしよう」

この言葉を、自分に優しくかけてあげてください。

あなたは、ちゃんと進んでいる

あなたは、しっかり進んでいます。

理想と現実のギャップに苦しんでいるということは、理想を持っているということです。

不安やモヤモヤを感じているということは、変わろうとしているということです。

それだけで、素晴らしいことなのです。

多くの人は、理想すら持っていません。

多くの人は、変わろうともしていません。

でも、あなたは違います。

あなたは、理想を持ち、変わろうとしている。

だから、苦しいのです。

でも、それは良いことなのです。

焦らず、ゆっくり、自分のペースで進んでいけば大丈夫です。

台風が来たら、一旦休む。

台風が去ったら、また歩き始める。

それを繰り返していけば、必ず理想の自分に近づいていきます。

あなたは、一人ではありません。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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