自己実現

目標を設定しても達成できないのはなぜ?無意識の抵抗を乗り越える方法

蓮彩聖基

頑張っているのに前に進めない理由

「今年こそは変わりたい」と決意したのに、気づけば元の生活に戻っている。

そんな経験はありませんか?

実はこれは、あなたの意志が弱いわけでも、努力が足りないわけでもありません。

無意識が現状を守ろうとして、巧妙に「やらない理由」を作り出しているのです。

この現象を「創造的逃避」と呼びます。

一見前向きな行動をしているように見えて、実は本当に大切なことから目をそらしている状態です。

たとえば、新しいキャリアに挑戦したいと思っているのに「もう少し資格を取ってから」と準備ばかりしてしまう。

部屋の片付けに没頭して「環境を整えてから始めよう」と先延ばしにしてしまう。

これらは全て、無意識があなたを守ろうとして起こしている反応なのです。

脳は変化を「危険」と判断する

私たちの脳には、現状を維持しようとする強力な仕組みが備わっています。

これは体温や血糖値を一定に保つのと同じように、心の状態も「いつもの状態」に戻そうとする働きです。

コンフォートゾーンを守る力

あなたが心地よく過ごせる領域を「コンフォートゾーン」と呼びます。

脳はこの領域の外側に出ることを、生存を脅かす危険だと判断してしまうのです。

だから、現状を大きく変えるような目標を設定すると、無意識が「これは危ない」と察知して元の安全な場所に戻そうとします。

創造的な言い訳を作り出す

興味深いのは、脳がとても創造的に「やらない理由」を生み出すことです。

「今は忙しいから」「もっと準備が必要だから」「完璧にできないなら意味がない」

こうした一見もっともらしい理由は、実は無意識があなたを現状にとどめておくために作り出した防衛反応なのです。

ゴールの世界をリアルにする

では、どうすればこの無意識の抵抗を乗り越えられるのでしょうか?

答えは、ゴール側の世界を現状よりもリアルに感じられるようにすることです。

未来に強い臨場感を持たせる

脳は現実と想像の区別がつきにくいという特性を持っています。

この特性を活用して、ゴールを達成した未来を五感を使って詳細にイメージしてみましょう。

朝目覚めてから夜眠るまで、その世界で過ごす一日を具体的に思い描くのです。

どんな部屋で目覚めますか?

どんな服を着て、誰とどんな会話をしていますか?

そのとき、どんな気持ちを感じていますか?

視覚だけでなく、聴覚、触覚、香り、そして何より感情を伴わせることが重要です。

毎日少しずつ臨場感を高める

このイメージを朝晩5分ずつでも続けることで、無意識にとっての「当たり前」が徐々に書き換わっていきます。

最初は違和感があるかもしれません。

でも、それは成長の証。

続けていくうちに、ゴール側の世界が「自然な未来」として感じられるようになるのです。

新しいコンフォートゾーンを作る

臨場感が高まってくると、不思議なことが起こり始めます。

ゴール側の世界があなたの新しいコンフォートゾーンになり、そこに向かう行動が自然と選べるようになるのです。

無意識が味方になる

今まで現状維持のために働いていた無意識が、今度はゴールを維持するために働き始めます。

「やらなきゃ」という努力ではなく、「これが自然」という感覚で行動できるようになるのです。

必要な情報が見えてくる

さらに、ゴールに必要な情報やチャンスが自然と目に入るようになります。

今まで見えていなかった可能性に気づき、行動の選択肢が広がっていくのです。

あなたの未来はあなたが創る

変化を恐れる無意識の働きは、決してあなたの敵ではありません。

それはあなたを守ろうとする、防衛反応です。

だからこそ、無理に押し込めるのではなく、ゴール側の世界を「安全で心地よい場所」として認識させてあげることが大切なのです。

毎日少しずつ、理想の未来をリアルに感じる時間を持ってみてください。

その積み重ねが、あなたの無意識を味方につけ、自然と行動できる自分へと導いてくれます。

あなたの本当になりたい未来は、すでにあなたの中にあります。

それを現実にするのは、他の誰でもない、あなた自身なのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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