なぜいつも同じパターン?無意識の態度「アティテュード」を変える方法
無意識の態度「アティテュード」とは?
誰かを好きになっても、本当は好きなのに冷たく接してしまう。特に意識はしていないのに、なんとなく避けてしまう——そんな経験はありませんか?
あるいは、恋愛をするたびに同じような行動をとってしまう自分に気づくこともあるでしょう。一方で、好きな人ができたら積極的にアプローチし、恋愛を楽しめる人もいます。
普段は明るく元気なのに、恋愛となると消極的になってしまう。自分でもよくわからない態度をとってしまう。「こじらせてしまう」のは、なぜなのでしょうか。
アティテュードとは「無意識の選択・判断・行動」
無意識の行動パターン
アティテュード(Attitude)とは、無意識の選択・判断・行動のことを指します。同じような概念に「ハビット(Habit)」がありますが、これは無意識的な習慣を意味します。
アティテュードはそれよりも広く、無意識全般の思考や行動傾向を指すのです。
具体例
- 「コーヒーにしますか?紅茶にしますか?」と聞かれたとき、無意識に「コーヒー」と答える
- 服屋で黒と白の服が並んでいたら、いつもなんとなく黒を選ぶ
- 好きな人に対して、なぜか冷たく接してしまう
こうした「なんとなくそうしてしまう」行動の背景には、すべてアティテュードが関係しています。
アティテュードはなぜ変わらないのか
アティテュードは無意識的なものであるため、意識的に働きかけない限り、基本的には変わりません。なぜなら、私たちのマインドは現状維持を好む性質を持っているからです。
そのため、アティテュードを変えるためには、まずその形成メカニズムを理解することが大切です。
アティテュードの形成メカニズム
アティテュードは、大きく分けて次の2つの要素から形成されます。
- 情動記憶(Emotional Memory)
- 外部からの情報(Social Conditioning)
① 情動記憶による形成
情動記憶とは、強い感情や体感を伴った記憶のことです。これは、無意識に深く刻み込まれる特徴を持っています。
例:恋愛の情動記憶
好きな人に告白して、振られてしまった。強いショックを受け、一晩中泣いてしまった。このような体験は、無意識に強い情動記憶として保存されます。
その結果、「もう二度と傷つきたくない」という防衛反応が生まれ、次の恋愛では告白を避ける・距離を取るといった無意識的行動につながるのです。
② 外部からの情報による形成
もう一つは、外部からの影響です。特に幼少期に親や周囲から言われた言葉は、無意識に吸収されやすいものです。
幼い頃は善悪の判断も知識も未熟で、周囲の発言を無条件に信じてしまう傾向があります。
「女の子なんだから控えめにしなさい」「自分から行くと引かれるよ」
こうした言葉が積み重なり、やがて「私は積極的に動くべきではない」という信念(Belief)として固定され、アティテュードを形づくります。
「なんでいつもこうなるの?」の正体
これらの仕組みが無意識に働くため、私たちはしばしば「なんで私って、いつもこうなるんだろう」と感じます。
しかし重要なのは、原因を特定することではありません。むしろ今の自分のアティテュードのうち、ネガティブに働いている部分を見つめ直し、ゴールに合う方向へ変えていくことが大切なのです。
アティテュードを変える方法
新しい「情動記憶」をつくる
アティテュードを変える鍵は、新しい情動記憶をつくることです。「無意識を変える」と聞くと難しく思われがちですが、仕組みを理解すれば実はとてもシンプルです。
ステップ1:変えたいアティテュードを書き出す
まず、「今変えたい」と思うアティテュードを紙に書き出しましょう。
例:「好きな人に素直に接することができない」
ステップ2:望むシチュエーションをイメージする
次に、それとは反対の理想的な場面を想像します。好きな人に明るく笑顔で話しかけ、自然に会話を楽しんでいる自分を描きましょう。
ステップ3:五感を使って臨場感を高める
視覚・聴覚・感触・温度・香りなど、五感を使ってイメージに臨場感を持たせることが大切です。
「新しいアティテュードは、感情をともなうリアルな体験として上書きされる」
この情動記憶が増えるほど、無意識は自然とポジティブな方向へ書き換えられていきます。
まとめ:新しい自分を選び取る
アティテュードとは、無意識の「行動のクセ」です。
過去の情動記憶や外部の影響で形づくられたものですが、新しい情動記憶を重ねることで、いくらでも変えられます。
無意識のパターンを責めるのではなく、「これからの私」を再構築していく——。それが、アティテュードを変える第一歩なのです。
