女性の生き方

やりたいことリストが叶わない理由|願望を現実に変えるゴール設定

蓮彩聖基

「やりたいこと」は、なぜ現実にならないのか

手帳やスマホに書き出した「やりたいことリスト」。海外旅行、資格取得、起業、もっと自由な働き方──書いた瞬間はワクワクしたはずなのに、いつの間にか眺めるだけになっていませんか?

これは意志の弱さや怠けではありません。「やりたいこと」を書き出すだけでは現実が動かない、明確な理由があるのです。

「やりたい」と「やる」の本質的な違い

「やりたい」という言葉には、受動的なニュアンスが含まれています。「できたらいいな」「いつかそうなれたら」という願望の領域にとどまっているのです。

これは夢や目標と呼ばれるものであり、心のどこかで「今の自分のままでもいいかな」という逃げ道を残しています。

一方で、現実を動かす力を持つのは「私はこうなる」という強い意志です。単なる願望ではなく、自分の未来に対するコミットメント(約束)なのです。

脳の恒常性維持機能が行動にブレーキをかける

私たちの脳にはホメオスタシスと呼ばれる、現状を維持しようとする働きがあります。体温を一定に保ったり血糖値を安定させたりするのと同じように、心の状態も「いつもの自分」に戻そうとするのです。

新しいことを始めようとしても、なぜか元の生活パターンに戻ってしまう。これは脳があなたを「守ろう」としているからです。

ホメオスタシスは生命を守るために不可欠な機能ですが、成長や変化をしようとするときには壁となります。三日坊主や元の習慣に戻ってしまう現象は、この機能が働いている証拠なのです。

ゴール設定が持つ変革の力

夢・目標とゴールの決定的な違い

本当に人生を変えるためには、「やりたいこと」をゴールとして設定し直す必要があります。

ゴールとは、単なる願望ではありません。「私はこれを成し遂げる」という能動的で強い意志を伴った、自分との約束です。

  • 夢・目標:「できたらいいな」という受動的な希望
  • ゴール:「私はこれを成し遂げる」という能動的な意志とコミットメント

この違いは決定的です。夢や目標は現状の自分を変える必要がないため、エネルギーも創造性も生まれません。

達成方法がわからないことこそ本物の証

「どうやって実現するかわからないのに、ゴールなんて設定できるの?」と思われるかもしれません。

実は、達成方法がわからないことこそ、本物のゴールの証なのです。

すぐに達成方法が見えるものは、今の自分の延長線上にあるもの。現状の内側のゴールでは自分を変える必要がないため、本当の意味での成長にはつながりません。

ゴールを設定すると、不思議なことが起こります。今まで見えなかった情報やチャンスが、急に目に入るようになるのです。

これはスコトーマ(心理的盲点)が外れる現象です。脳は毎秒膨大な情報から「自分にとって重要」と判断した情報だけを意識に上げています。ゴールを設定すると、そのゴールに関連する情報が「重要」と認識され、見えるようになるのです。

新しいバッグを買った途端に、同じバッグを持っている人がやたら目につくようになる経験はありませんか?それと同じ仕組みです。

効果的なゴール設定の原則

現状の外側に設定する

ゴールは、今の自分が大きく変わらないと達成できない場所に置きます。

今の環境や習慣の延長線上で達成できるものではなく、セルフイメージの大きな変化を必要とするものを選ぶのがコツです。

「今のままでもなんとかなりそう」と思えるものは、ゴールとしては小さすぎます。現状の外側に設定することで、脳は創造性を発揮して達成方法を見つけようとし、エネルギーを生み出します。

心から望むものを選ぶ

よくある間違いが、他人のゴールを自分のものだと思い込むことです。

  • 親が望む安定した仕事
  • 社会が求める「理想の女性」像
  • 周りと比較して「これくらいは達成しないと」という焦り

これらは、あなた自身の心から湧き上がる望みではありません。他者から直接・間接的に強制されて設定したゴールは、自尊心が傷つけられ、創造的逃避が起きやすくなります。

自分の内側に静かに問いかけてみてください。「誰にも評価されなくても、これをやっていたい」と思えることは何でしょうか?

人生の複数領域でバランスよく設定する

キャリアだけ、恋愛だけ、というように一つの分野に偏らないことも大切です。

バランスホイールという考え方があります。人生を車輪に例えると、すべての領域がバランスよく満たされているとスムーズに前進しますが、一つの領域が欠けると車輪が歪んでガタガタと走りにくくなるのです。

ゴールは仕事・健康・人間関係・趣味・ファイナンス・学び・社会貢献など、人生のさまざまな領域で持つことで、どこかで停滞しても他の分野からエネルギーを補えます。

セルフイメージの書き換えが鍵を握る

無意識の自己認識が行動を決める

ゴールを設定したら、次に大切なのはセルフイメージの更新です。

セルフイメージとは、心の奥底にある「私はこういう人間だ」という無意識の自己認識のこと。私たちの行動はこのセルフイメージに沿って自動的に選択されています。

「私は行動力がない」というセルフイメージを持っていると、無意識のうちに行動を避ける選択をしてしまいます。逆に、「私は挑戦できる人間だ」というセルフイメージがあれば、自然と一歩を踏み出せるようになります。

脳はセルフイメージと現実を一致させようとする性質を持つため、セルフイメージ通りの現実が創られるのです。

ビジュアライゼーションで未来を体験する

ゴールを達成している自分を、できるだけリアルにイメージしてみてください。

ビジュアライゼーションとは、視覚だけでなく五感と感情を総動員して、未来をリアルに体験する技術です。

  • その時、あなたは何を見ていますか?
  • どんな声が聞こえますか?
  • どんな気持ちですか?
  • 体はどんな感覚ですか?

脳は現実の体験と臨場感の高いイメージを区別することが苦手です。だからこそ、この「体験リハーサル」が効果を発揮します。

ゴール側の世界の臨場感が現状より高くなれば、ホメオスタシスはゴール側を維持しようと働き始めます。変化が「やらなきゃ」ではなく「これが普通」になるのです。

エフィカシーを育てる

自己能力への確信が可能性を開く

ゴール達成能力に対する自分への確信をエフィカシーと呼びます。

エフィカシーが高い人は、失敗を「学びの機会」と捉え、次のチャレンジに活かします。低い人は、失敗を「自分には能力がない証拠」と捉え、挑戦をやめてしまいます。

エフィカシーが高まると周囲の信頼を得やすくなり、さらにエフィカシーが強化される好循環が生まれます。

エフィカシーを高める方法

  • セルフイメージの更新:アファメーションやビジュアライゼーションを活用する
  • 過去の成功体験の想起:どんな小さなことでも、うまくいった経験を思い出す
  • 肯定的な環境づくり:応援してくれる人と過ごす
  • ポジティブな言葉の使用:セルフトークを意識的に選ぶ
  • ゴール達成している自分の想像:すでに達成した自分として考え、感じる

あなたには、なりたい自分になる力が必ずあります。今はまだ方法が見えなくても、ゴールを設定することで、必要な情報は自然と見えてくるのです。

社会の刷り込みから自由になる

信念があなたの可能性を制限している

  • 女性は控えめであるべき
  • 目立たないほうがいい
  • 自己主張は好まれない

私たちは、知らず知らずのうちにこうした信念を受け入れてきたかもしれません。

これらは幼少期から繰り返し聞いてきた言葉や、社会の空気から形成されたブリーフシステム(信念体系)の一部です。

信念は、思考や行動のフィルターとなり、世界の見え方を決めます。「私はこういう人間だ」という認識が、選択の幅を狭めているのです。

信念は書き換えられる

信念は生まれつきのものではありません。後天的に形成されたものだからこそ、意識的に書き換えることができます。

  1. 自分のブリーフシステムに気づく
  2. その影響を評価する(ゴールにプラスかマイナスか)
  3. 新しい信念を意識的に選ぶ
  4. アファメーションとビジュアライゼーションで定着させる

ゴールを設定して、それに向かって行動すること。自分の意見を持ち、それを表現すること。社会の中で活躍し、影響力を持つこと。

これらは、あなたが諦める必要のないことです。あなたの人生は、あなたのものなのです。

今日から始める具体的なステップ

やりたいことリストを見直す

今ある「やりたいことリスト」を見てみましょう。その中で、本当に心から望んでいるものはどれですか?

誰かの期待や社会の常識ではなく、あなた自身の内側から湧き上がる望みを見つけてください。

言葉を書き換える

見つけたものを、言葉を変えて書き直してみましょう。

  • ✕「起業したい」→ ◯「私は起業する」
  • ✕「海外で働きたい」→ ◯「私は海外で働く」
  • ✕「もっと自信を持ちたい」→ ◯「私は自信を持って行動する」

たったこれだけで、脳の受け取り方が変わります。

達成した自分を毎日イメージする

朝起きた時と夜寝る前、5分でいいので、ゴールを達成している自分をイメージしてみてください。その時の喜びや達成感を、今この瞬間に味わうのです。

焦る必要はありません。セルフイメージが変わるには時間がかかります。途中で元に戻ってしまっても、自分を責めないでください。それは、まだ内面が変化の途中にあるというサインなのです。

あなたの人生は、あなたが創る

「やりたいことリスト」は、あなたの可能性の種です。

でも、種を蒔いただけでは花は咲きません。「私はこうなる」という強い意志を持ち、その未来を先取りして生きることで、初めて現実が動き始めます。

現実はマインドが情報処理した結果です。マインドが変われば、現実が変わります。

今日から、「やりたいことリスト」を「やっていることリスト」に変えていきませんか?

あなたの一歩を、心から応援しています。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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