コラム

感情という、人生の彩り——感動はやがて縁起を紡ぐ

蓮彩聖基

今日、久しぶりに映画を観ました。観たい作品が見当たらず、しばらく遠ざかっていたのです。

おおよそ私は、映画を選ぶとき、まず予告編を観て、自分の心が動くかどうかで決めます。話題作だから、賞を獲ったから、という理由ではほとんど選びません。誰かの評価を鵜呑みにして観たいとは、あまり思わないのです。どこか、自分の感覚を明け渡しているような気がするからです。きっかけとして受け取るのは良いのです。ですが、評判につられて観た作品が、深く心に残ったことは、私にはあまりありませんでした。

今日観たのは、『The Notebook(きみに読む物語)』という恋愛映画です。初めて観たのは高校生の頃でした。当時は英語の学習に夢中で、海外ドラマや洋画を毎日のように観て、アメリカのラジオを浴びるように聴いていました。そのころに出会った一本です。同じ時期に『Twilight』という吸血鬼ものの恋愛映画にも惹かれましたが、繰り返し戻ってくる回数は、『The Notebook』の方がずっと多いのです。

それから今日までに、十回ほどは観ています。一曲の音楽を十回聴くことはあっても、二時間程度の映画を十回繰り返すことは、そう多くないかもしれません。それでも私は、この作品に何度も戻ってきました。

観るたびに、作中の至るところで胸が締めつけられ、気づけば涙がこぼれています。何にそれほど心が動かされているのか、自分でもはっきりとはわかりません。今日も、一人で泣いていました。

恋愛を描いた映画の多くは、それほど高い抽象度の世界観を持っているわけではありません。目の前の相手に見返りを求めず尽くす姿は、たしかに美しいものです。ですが、その心が向かう先は、あくまで目の前の、その人ひとりに限られています。我が子へ注がれる母の愛とも、また位相が異なるのです。

この映画では、青年期と晩年とが、交互に時間軸を行き来します。「きみに読む」とは、過ぎた日の二人の物語を、いま誰かに読み聞かせている、という意味です。なぜ読み聞かせるのか——そこには、ある理由があります。ですが、その行為そのものが、私にはただ美しく映るのです。

相手を思いやる心。大切にする心。案じる心。好ましく想う心。自分の時間も労力も惜しまない心。しかも、無条件に。こうした心は、努力して作り出すものではなく、内側からごく自然に、ほとんど無意識に湧き上がってくるものですね。それらをひとまとめに抽象化して、私たちは愛と呼んでいるのです。

ですから、日々の中で、笑うこと、心を動かされること、幸せや心地よさを感じることを、たくさん味わって良いのです。感情は、人生のおまけではありません。世界に色を添え、生きているという実感そのものを、豊かにしてくれるものなのです。恐れや不安は、無理に抱え込む必要はありません。それについては、また別の機会に綴ろうと思います。

あなたにとって心地よい感情を、どうか、たくさん感じてください。そして、その感動を誰かと分かち合えたなら——それはもう、縁起を紡ぎはじめています。一つの心の震えが、人と人のあいだを渡り、世界の手ざわりを少しずつ変えていくのです。

ABOUT ME
蓮彩聖基(はすたみ こうき)
蓮彩聖基(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ(2016年認定)、苫米地テオレム認定シニアエバンジェリスト(Senior-TTCE、2026年認定)。苫米地理論の解説と、苫米地式コーチングに基づく一対一のパーソナルコーチングを行っています。
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