心と感情

おみくじで凶を引いたら不幸になる?脳の仕組みが運命を決める理由

kokihasutami

新年の初詣でおみくじを引いたとき、「凶」や「大凶」が出てしまった経験はありませんか?

「今年一年、悪いことが起こるんじゃないか…」

そんな不安が胸をよぎり、なんだか一年のスタートから気持ちが重くなってしまう。実はその瞬間から、あなたの脳は「悪いことを探すモード」に切り替わっているかもしれません。

この記事では、おみくじの結果が私たちの一年にどう影響するのか、そして脳の仕組みを理解することで、どんな結果でも前向きに受け止められる方法をお伝えします。

なぜおみくじの結果が気になるのか?

年始という特別なタイミング

年末年始、特にお正月の初詣は、私たちにとって特別な意味を持つ時間です。

「今年こそは頑張ろう」「今年の目標はこれだ」と、一年のスタートに心を込めて神社やお寺を訪れます。そんな気持ちが高まっているタイミングだからこそ、おみくじの結果に大きな意味を感じてしまうのです。

悪い結果ほど記憶に残る理由

もしもおみくじで「凶」が出て、「病気に注意」「金運低迷」などと書かれていたら、多くの人は「今年一年、本当にやばいんじゃないか」と不安になります。

実は、これは脳の自然な働きなのです。人間の脳にはネガティビティ・バイアスという仕組みがあり、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応し、記憶に残りやすい性質を持っています。

これは太古の昔、危険を察知して生き延びるために発達した機能です。しかし現代では、この仕組みが「不安の増幅装置」として働いてしまうことがあります。

脳が「悪い一年」を創り出すメカニズム

RASとスコトーマの働き

私たちの脳には、RAS(網様体賦活系)という情報フィルターが備わっています。

RASは、膨大な情報の中から「自分にとって重要なもの」だけを選び出し、意識に上げる役割を果たしています。逆に言えば、重要でないと判断された情報は意識に上がらず、存在していても「見えないもの」として扱われます。これがスコトーマ(心理的盲点)です。

信念が現実を創る

おみくじで「凶」を引いて「今年は悪い一年になる」と信じてしまうと、脳はその信念に基づいて情報を選別し始めます。

  • 良いことが起きても気づかない、または過小評価する
  • 悪いことばかりが目につくようになる
  • 些細なトラブルも「やっぱり凶だったからだ」と結びつける

結果として、客観的には良いことも悪いことも同じくらい起きているのに、本人は「本当に悪い一年だった」と感じてしまうのです。

行動パターンも変わってしまう

さらに、「悪いことが起こる」という思い込みは、無意識のうちに行動にも影響を与えます。

新しいチャレンジを避けたり、人との出会いに消極的になったり、自信を持てなくなったり。こうした行動の変化が、結果的に「悪い一年」を自ら創り出してしまうのです。

おみくじとの健全な付き合い方

良い結果は素直に受け取る

おみくじで「大吉」や「吉」が出たときは、その喜びを素直に受け取りましょう。

「今年は良い一年になる」という前向きな信念は、あなたの行動を積極的にし、チャンスに気づきやすくなり、実際に良い結果を引き寄せる力になります。脳の仕組みを、ポジティブな方向に活用するのです。

悪い結果は「気づき」として捉える

では、「凶」や「大凶」が出たときはどうすればいいのでしょうか?

大切なのは、それを「絶対的な運命」ではなく、「ちょっとした注意書き」として受け取ることです。

  • 「健康に注意」→普段無意識だった体調管理を少し意識してみよう
  • 「人間関係に注意」→コミュニケーションをより丁寧にしてみよう
  • 「金運低迷」→お金の使い方を見直すきっかけにしよう

このように、おみくじの内容を「意識を向けるべきポイント」として活用すれば、むしろプラスに働きます。

運命は自分で創るもの

おみくじの結果が、あなたの一年を決めるわけではありません。

古来から神社やお寺は、人々の心の拠り所であり、自分自身と向き合う場所でした。おみくじもまた、自分の内面を見つめ、気づきを得るためのツールの一つです。

現代においては特に、おみくじを「娯楽」や「気づきのツール」として楽しむスタンスが健全です。結果に一喜一憂するのではなく、そこから何を学び、どう行動するかが大切なのです。

あなたの一年を良くするのは、あなた自身

おみくじの結果がどうであれ、あなたの一年を創るのはあなた自身の信念と行動です。

「今年は良い一年にする」と心から決めて、そのための行動を積み重ねていけば、脳はあなたにとって必要な情報やチャンスを見せてくれるようになります。

逆に、「今年は悪い一年だ」と思い込んでしまえば、良いことは見えなくなり、悪いことばかりが意識に上がってきます。

今日からできること

もしあなたが年始におみくじで凶を引いてしまったとしても、今からでも遅くありません。

  • その結果を「決まった運命」ではなく「参考情報」として捉え直す
  • 今年達成したいことや、なりたい自分をイメージする
  • 毎日、小さな良いことに意識を向ける習慣をつける

こうした積み重ねが、あなたの脳の情報フィルターを変え、実際の一年を変えていきます。

運命は、あなたのマインドが創る

おみくじの結果に振り回されず、自分の人生を自分で創っていく。

そのためには、脳の仕組みを理解し、意識的に前向きな信念を持つことが大切です。神様のお告げも大切かもしれませんが、それ以上に大切なのは、あなた自身の意志と行動です。

あなたの一年は、まだこれから。どんなおみくじの結果であっても、素晴らしい一年にする力は、あなたの中にあります。

今年一年、あなたらしく、自由に、豊かに生きていきましょう。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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