目の前の問題に追われる毎日から抜け出す|視点を変える技術
毎日、目の前のことに追われていませんか?
仕事のタスクをこなして、人間関係のトラブルに対応して、気づけば一日が終わっている。
「なんだか、ずっと同じところをぐるぐる回っている気がする」
そんな風に感じているなら、それは物事を見る視点が低いせいかもしれません。
この記事では、物事を見る「高さ」を変えることで、人生をもっと楽に、もっと豊かにする方法をお伝えします。
視点の「高さ」とは何か
抽象度という考え方
物事を捉えるとき、私たちは無意識に「どの高さから見るか」を選んでいます。
この「視点の高さ」のことを、抽象度と呼びます。
たとえば、「ポチ」という一匹の犬を見るとき。
目の前にいる「ポチ」だけを見ているのが、抽象度が低い状態です。
でも、視点を少し上げると「犬」という種類が見えてきます。
さらに上げると「哺乳類」、もっと上げると「生物」、そして「存在」という大きな枠組みが見えてきます。
これが、抽象度を上げるということです。
なぜ視点の高さが大切なのか
抽象度が低い状態、つまり視点が低いままだと、目の前の細かいことにばかり意識が向いてしまいます。
「この仕事、どうやって終わらせよう」
「あの人の言葉、傷ついた」
「今月のお金、足りるかな」
もちろん、これらは大切なことです。
でも、ずっとこの視点だけで生きていると、「なぜこれをやっているのか」「本当に大切なことは何なのか」が見えなくなってしまうのです。
視点が低いとき、何が起こるか
問題が次々と現れる
抽象度が低い状態では、目の前の問題を一つ解決しても、また次の問題が現れます。
それはまるで、モグラ叩きゲームのようです。
一つ叩いても、また別のところから顔を出す。
終わりがありません。
本質が見えない
視点が低いと、「なぜこんなことが起きているのか」という根本的な原因が見えません。
たとえば、職場で人間関係のトラブルが続くとき。
抽象度が低いままだと、「この人が悪い」「あの人が悪い」と、一つ一つの出来事にだけ反応してしまいます。
でも、視点を上げて見てみると、「そもそも、私は自分の気持ちを我慢しすぎているのかもしれない」という本質が見えてくるかもしれません。
視点を上げると、何が変わるのか
全体像が見える
抽象度を上げると、物事の全体像が見えてきます。
今、自分が人生のどこにいて、どこに向かっているのか。
目の前の問題は、全体の中でどういう位置づけなのか。
そうした「地図」が見えるようになります。
本当に大切なことがわかる
視点が高くなると、「これは本当に大切なことなのか?」という判断ができるようになります。
たとえば、毎日残業して頑張っているけれど、視点を上げて見てみたら「そもそも、この仕事は私が本当にやりたいことなのだろうか?」と気づくかもしれません。
選択肢が増える
抽象度が上がると、スコトーマ(心理的盲点)が外れて、今まで見えていなかった選択肢が見えてきます。
「この方法しかない」と思っていたことが、実は他にもたくさんの道があったことに気づくのです。
視点を上げる具体的な方法
「なぜ?」を繰り返す
今、目の前にある問題や悩みに対して、「なぜ?」を繰り返してみてください。
「なぜ、私はこの仕事をしているのだろう?」
「なぜ、この人との関係に悩んでいるのだろう?」
「なぜ、私はこれを達成したいのだろう?」
何度も「なぜ?」を繰り返すことで、表面的な理由から、より深い本質的な理由へとたどり着くことができます。
より大きな枠組みを意識する
今の悩みや問題を、より大きな時間軸や空間で捉えてみてください。
「1年後の私から見たら、この問題はどう見えるだろう?」
「10年後の私から見たら?」
「人生全体で見たら、この出来事はどんな意味を持つのだろう?」
視点を広げることで、今の問題の重みが変わってきます。
「本当に大切なことは何?」と問う
日々の忙しさの中で、ときどき立ち止まって問いかけてみてください。
「私が本当に大切にしたいことは何だろう?」
「私は、何のために生きているのだろう?」
こうした問いは、あなたの視点を自然と上げてくれます。
視点が上がると、行動が変わる
迷わなくなる
抽象度が上がって、自分の本当に大切なものが見えてくると、日々の選択に迷わなくなります。
「これは、私の大切なものに近づく選択かどうか?」
そのシンプルな基準で、判断できるようになるからです。
振り回されなくなる
視点が高いと、目の前の小さな出来事に一喜一憂しなくなります。
全体の中での位置づけが見えているからです。
たとえ一時的にうまくいかないことがあっても、「全体としては、私は前に進んでいる」と感じられるようになります。
自然と目標に近づく
抽象度が上がると、ゴール設定がより明確になります。
「何のために、これを達成したいのか」という本質的な目的が見えているので、行動に迷いがなくなります。
そして、その目的に沿った情報や機会が、自然と目に入るようになるのです。
バランスが大切
高すぎても、低すぎてもダメ
視点は、高ければ高いほどいいというわけではありません。
抽象度が高すぎると、ふわふわして具体的な行動ができなくなってしまいます。
逆に、低すぎると目の前のことに追われて本質を見失います。
大切なのは、高い視点と低い視点を自由に行き来できることです。
具体と抽象を繋げる
「私は、豊かで幸せに生きたい」という高い視点(抽象度が高い)と、「だから今日は、この仕事を丁寧に仕上げる」という低い視点(抽象度が低い)。
この二つを繋げることができると、日々の行動に意味が生まれます。
目の前のことも、大きな目的も、どちらも大切にできるようになるのです。
今日から始められること
視点を上げる練習は、今日からすぐに始められます。
朝起きたとき、「今日、私が本当に大切にしたいことは何だろう?」と問いかけてみてください。
仕事や人間関係で悩んだとき、「この悩みの本質は何だろう?」と一歩引いて考えてみてください。
夜寝る前に、「今日の出来事は、私の人生全体の中でどんな意味があるのだろう?」と振り返ってみてください。
こうした小さな習慣が、少しずつあなたの視点を高くしていきます。
そして、気づけば、目の前の問題に追われる毎日から抜け出して、自分の人生を自分でデザインできるようになっているはずです。
