パートナーとの価値観の違いを乗り越える|視点を変える方法
パートナーとの価値観の違いに悩むあなたへ
「どうして私の気持ちをわかってくれないんだろう」
パートナーとの関係の中で、そう感じたことはありませんか?
お金の使い方、休日の過ごし方、子育ての方針、仕事への向き合い方。日常の中で価値観の違いを感じる場面は数えきれないほどあります。
最初は「考え方が違うのは当たり前」と思えていたことも、一緒に過ごす時間が長くなるにつれて、その違いが大きな溝のように感じられることがあるのです。
対立は同じ視点で見ているから起きる
価値観の違いによる対立は、実はとても狭い視野の中で起きていることが多いものです。
たとえば、「週末は家でゆっくり過ごしたい」というあなたと、「週末は外に出かけたい」というパートナー。この二つの意見は、一見すると正反対で、どちらかが折れなければ解決しないように思えます。
でも、本当にそうでしょうか?
二人とも「週末の過ごし方」という同じ具体的なテーマについて、それぞれの正解を主張しているから対立が生まれているのです。
視点の高さを変えるという発想
私たちが何かを考える時、その考えには「視点の高さ」があります。
- 視点が低い状態:具体的な行動や細かいやり方に焦点を当てている
- 視点が高い状態:目的や本質、大きな意味に焦点を当てている
この視点の高さのことを「抽象度」と呼びます。
抽象度が低い状態では、細部の違いがくっきりと見えます。だからこそ、「あなたと私は違う」という認識が強くなりやすいのです。
一方、抽象度を上げて物事を見ると、細部の違いよりも、もっと大きな共通点が見えてくるようになります。
抽象度を上げると対立が消えていく
「なぜそれを望むのか」を問いかける
先ほどの週末の過ごし方の例に戻りましょう。
「家でゆっくり過ごしたい」と思う理由は何でしょうか。おそらく、「心身を休めたい」「リラックスした時間が欲しい」という想いがあるのではないでしょうか。
では、「外に出かけたい」と思う理由は?こちらも「気分転換したい」「リフレッシュしたい」という想いがあるかもしれません。
ここで気づくことがあります。「休息を取りたい」「リフレッシュしたい」という本質的な望みは、実は同じなのです。
具体的な「方法」のレベルでは対立していても、「目的」のレベルでは一致している。これが抽象度を上げて物事を見るということです。
共通の想いが見えた時、解決策が生まれる
抽象度を上げて共通の想いが見えると、不思議なことが起こります。
「どちらが正しいか」という対立構造が消え、「二人の望みを両方満たすにはどうすればいいか」という協力構造に変わるのです。
週末の例で言えば、こんな選択肢が見えてくるかもしれません。
- 午前中は家でゆっくり過ごして、午後から近場にお出かけする
- 今週は家で過ごして、来週は出かけるという交互のリズムを作る
これは妥協ではありません。お互いの本当の望みを尊重した上での、より高い次元での解決策なのです。
価値観の違いは「レベルの違い」で見えてくる
お金に対する価値観の違い
パートナーシップにおいて、お金の価値観の違いは特に大きな課題になりやすいものです。
「将来のために貯金したい」というあなたと、「今を楽しむためにお金を使いたい」というパートナー。この対立も、具体的な「お金の使い方」というレベルで見ている限り、永遠に平行線をたどります。
でも、抽象度を上げて考えてみましょう。
- 「貯金したい」の奥には「安心して暮らしたい」「将来の不安をなくしたい」という想いがある
- 「今を楽しみたい」の奥には「人生を豊かに過ごしたい」「幸せを感じていたい」という想いがある
さらに抽象度を上げると、どちらも「幸せに生きたい」という同じ想いに行き着くのです。
子育てに対する価値観の違い
子育ての方針も、価値観の違いが表面化しやすい領域です。
「子どもには厳しくしつけたい」という考えと、「のびのび自由に育てたい」という考え。具体的な「しつけの方法」のレベルでは対立しているように見えます。
でも、抽象度を上げると、どちらも「子どもに幸せになってほしい」という想いから来ていることがわかります。
- 厳しくしつけたいのは、社会に出た時に困らないようにという愛情から
- 自由に育てたいのは、子どもの個性を大切にしたいという愛情から
根っこにある想いは同じなのです。その共通の想いが見えた時、「どちらのやり方が正しいか」ではなく、「この子にとって何が最善か」という視点で話し合えるようになります。
抽象度を上げる練習
「なぜ?」を繰り返し問いかける
抽象度を上げるための最もシンプルな方法は、「なぜ?」を繰り返し問いかけることです。
パートナーの言動に違和感を覚えた時、すぐに反論するのではなく、「なぜこの人はそう思うんだろう?」と問いかけてみてください。そして、自分自身にも「なぜ私はこう思うんだろう?」と問いかけてみてください。
「なぜ?」を何度か繰り返すと、表面的な意見の奥にある本質的な想いにたどり着くことができます。その本質的な想いのレベルで対話ができた時、二人の関係は大きく変わり始めるのです。
「より大きな括り」を意識する
もう一つの方法は、「より大きな括り」を意識することです。
たとえば、「今日の夕食のメニュー」で対立したとします。その時、視点を広げてみましょう。
- 「夕食のメニュー」という括りから
- 「二人で過ごす食事の時間」という括りに広げる
- さらに「二人の日常の幸せ」という括りに広げる
括りが大きくなるほど、細かい違いは気にならなくなり、本当に大切なことが見えてきます。
「何を食べるか」よりも「一緒に食べる時間を楽しむこと」の方がずっと大切だと気づけた時、メニューの違いで対立すること自体がばかばかしく思えてくるかもしれません。
違いを受け入れることと理解することは違う
理解できなくても受け入れることはできる
ここで誤解しないでいただきたいことがあります。
抽象度を上げて共通の想いを見つけることは、パートナーの考え方を完全に理解することとは違います。相手の価値観を100%理解することは、正直なところ難しいかもしれません。育ってきた環境も、経験してきたことも、感じ方も違う二人なのですから。
でも、理解できなくても、受け入れることはできるのです。
「この人はこういう考え方をする人なんだ」「その奥には、私と同じように幸せになりたいという想いがあるんだ」。そう思えた時、理解できないことへの苛立ちが和らいでいきます。
違いがあるからこそ補い合える
抽象度を上げて物事を見ると、もう一つ大切なことに気づきます。それは、違いがあるからこそ、二人で一緒にいる意味があるということです。
もし二人の価値観が完全に同じだったら、お互いの視野を広げることはできません。自分一人では気づけなかったことに気づかせてくれるのは、違う価値観を持っているパートナーだからこそなのです。
- 慎重なあなたと行動派のパートナー
- 計画的なあなたと柔軟なパートナー
その違いは対立の種ではなく、二人でより豊かな人生を創るための資源なのです。
視点を変えれば関係が変わる
パートナーとの価値観の違いに悩む時、私たちは無意識に「相手を変えよう」としてしまいがちです。「どうしてわかってくれないの」「もっとこうしてほしい」。
でも、相手を変えることはできません。変えられるのは、自分の視点だけです。
抽象度を上げて物事を見るという選択は、あなた自身ができることです。そして、あなたの視点が変わると、不思議なことに相手との関係も変わり始めるのです。
具体的なレベルで対立し続けるのか、抽象度を上げて共通の想いを見つけ、協力していくのか。後者を選んだ時、パートナーシップは単なる「一緒にいる関係」から、「共に成長し、高め合う関係」へと変化していきます。
視点を上げて、相手の奥にある想いを感じてみてください。きっと、今まで見えなかったものが見えてくるはずです。
