女性の生き方

自信がない自分を変える方法|エフィカシーとセルフエスティームの育て方

蓮彩聖基

「自信」を2つの視点から理解する

「自信がない」という悩みを抱えている方は少なくありません。

自分に自信が持てないと、新しいことに挑戦するのが怖くなったり、人前で堂々と振る舞えなかったり、日常のあらゆる場面で生きづらさを感じてしまいます。

では、そもそも「自信」とは何でしょうか?

実は、自信には2つの側面があります。エフィカシーセルフエスティームです。この2つを理解することで、自信のない状態から抜け出すための具体的な道筋が見えてきます。

エフィカシーとは何か

エフィカシーとは、自分のゴールを達成する能力に対する自己評価のことです。

簡単に言えば、「私はこのゴールを達成できる」と自分自身がどのくらい確信しているか、その度合いを指します。

たとえば、新しいプロジェクトを任されたとき、「私ならきっとうまくやれる」と心から思えるなら、エフィカシーが高い状態です。反対に、「私には無理だ」「失敗するに決まっている」と感じてしまうなら、エフィカシーが低い状態と言えます。

エフィカシーは、特定のゴールや課題に対する自信です。何か新しいことに挑戦するとき、その挑戦を成功させられるかどうかの自己評価がエフィカシーなのです。

セルフエスティームとは何か

一方、セルフエスティームは、自分自身の存在価値に対する評価です。日本語では「自尊心」や「自己肯定感」と訳されることもあります。

エフィカシーが「何かをできるかどうか」の自信であるのに対し、セルフエスティームは「自分という存在そのもの」に対する自信です。

「私は価値のある人間だ」「私は愛される存在だ」「私はここにいていいのだ」

このように、何かを達成できるかどうかとは関係なく、自分の存在そのものを肯定できる感覚がセルフエスティームです。

エフィカシーが低いとどうなるか

挑戦する前から諦めてしまう

エフィカシーが低いと、「どうせ私には無理」という思いが先に立ちます。

本当はやってみたいことがあっても、挑戦する前から諦めてしまう。新しい機会が目の前にあっても、自分には手が届かないものだと決めつけてしまう。

その結果、行動の幅がどんどん狭くなり、現状を変えることが難しくなっていきます。

小さな目標すら達成できないと感じる

エフィカシーが極端に低い状態では、周囲から見れば十分に達成可能な目標でさえ、「私には無理だ」と感じてしまいます。

「こんな簡単なこともできない自分はダメだ」と自己否定に陥り、さらにエフィカシーが下がるという悪循環に入ってしまうこともあります。

失敗を必要以上に恐れる

エフィカシーが低いと、失敗することへの恐怖が大きくなります。

「失敗したら終わりだ」「失敗したら周りに笑われる」「失敗したら自分の価値がなくなる」

このような思考パターンに陥り、リスクを取ることを極端に避けるようになります。

セルフエスティームが低いとどうなるか

自分を価値のない存在だと感じる

セルフエスティームが低いと、自分の存在そのものを否定してしまいます。

「私なんかいてもいなくても同じ」「私は誰からも必要とされていない」「私には価値がない」

このような思いを抱えながら日々を過ごすのは、とても苦しいことです。

他人の評価に振り回される

セルフエスティームが低いと、自分の価値を他人の評価に頼るようになります。

褒められれば一時的に気分が良くなりますが、少しでも批判されると深く傷ついてしまう。他人の顔色を常にうかがい、自分の意見や感情を押し殺してしまう。

他人軸で生きることになり、本当の自分らしさを見失ってしまいます。

生きることそのものがつらくなる

セルフエスティームが極端に低い状態が続くと、「生きている意味がわからない」「自分なんかいない方がいい」という思いにまで発展することがあります。

これは非常に深刻な状態です。このような思いを抱えているなら、専門家のサポートを受けることも大切な選択肢のひとつです。

エフィカシーが高いとどうなるか

目の前のゴールに向かって進める

エフィカシーが高いと、「私ならできる」という確信を持ってゴールに向かうことができます。

困難な状況に直面しても、「どうすればうまくいくだろう」と前向きに考えられる。失敗しても、「次はこうしてみよう」と学びに変えられる。

行動することへのハードルが下がり、自然と前に進んでいけるようになります。

ワクワクしながら毎日を過ごせる

エフィカシーが高い状態では、新しい挑戦が怖いものではなく、楽しみなものに変わります。

「次は何に挑戦しよう」「もっと成長したい」「もっといろんなことを経験したい」

このようなポジティブな気持ちで毎日を過ごせるようになります。

周囲からの信頼も高まる

エフィカシーが高い人は、自然と自信に満ちた振る舞いをします。

その姿を見た周囲の人は、「この人なら任せられる」「この人についていきたい」と感じます。その結果、より多くの機会やチャンスが巡ってくるようになり、さらにエフィカシーが高まるという好循環が生まれます。

セルフエスティームが高いとどうなるか

自分らしく堂々と生きられる

セルフエスティームが高いと、ありのままの自分を受け入れることができます。

完璧でなくてもいい。失敗してもいい。人と違っていてもいい。

「私は私でいい」という安心感の中で、自分らしく生きることができるようになります。

他人の評価に左右されなくなる

セルフエスティームが高いと、他人からどう思われるかを過度に気にしなくなります。

もちろん、フィードバックを受け入れる柔軟さは大切です。でも、誰かに批判されたからといって、自分の価値が揺らぐことはありません。

自分の軸をしっかり持って、他人の意見は参考にしながらも、最終的には自分で判断できるようになります。

人間関係が健全になる

セルフエスティームが高いと、人間関係も良い方向に変わっていきます。

自分を大切にできる人は、他人も大切にできます。自分の価値を認められる人は、他人の価値も素直に認められます。

対等で健全な人間関係を築けるようになり、より深いつながりを持てるようになります。

他人の評価は本当に関係ない

エフィカシーもセルフエスティームも「自己評価」

ここで大切なことをお伝えします。

エフィカシーもセルフエスティームも、どちらも「自己評価」です。他人がどう思っているかではなく、自分自身がどう思っているかがすべてなのです。

周囲の人が「あなたには無理だよ」と言っても、自分が「私ならできる」と確信していれば、エフィカシーは高い状態を保てます。

誰かに悪口を言われても、自分の価値をしっかり認識していれば、セルフエスティームは揺らぎません。

外側の評価に振り回されない

私たちは、つい外側からの評価を気にしてしまいがちです。

「あの人に認められたい」「みんなから好かれたい」「誰にも批判されたくない」

このような思いは自然なものですが、外側の評価に自分の価値を委ねてしまうと、永遠に満たされることはありません。

なぜなら、他人の評価はコントロールできないからです。どれだけ頑張っても、すべての人に認められることは不可能です。

だからこそ、自分で自分を認めること、自分で自分の能力を信じることが大切なのです。

なぜ私たちは自信を失うのか

セルフイメージは環境の中で形成される

では、なぜ多くの人がエフィカシーやセルフエスティームが低い状態になってしまうのでしょうか?

その答えは、セルフイメージの形成過程にあります。

セルフイメージとは、「自分はこういう人間だ」という無意識レベルの自己認識のことです。このセルフイメージの一部として、エフィカシーやセルフエスティームが存在しています。

私たちのセルフイメージは、生まれたときから今日までの経験を通じて形成されてきました。特に幼少期は、周囲の大人から言われた言葉をそのまま受け入れてしまう傾向があります。

周囲の言葉がセルフイメージを作る

  • 「あなたは何をやってもダメね」
  • 「お姉ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの」
  • 「そんなこともできないの」
  • 「あなたには無理よ」

子どもの頃にこのような言葉を繰り返し聞いていると、「私はダメな人間だ」「私には能力がない」というセルフイメージが形成されていきます。

反対に、「あなたならできるよ」「失敗しても大丈夫」「あなたは大切な存在だよ」という言葉をたくさん受けて育った人は、高いエフィカシーとセルフエスティームを持ちやすくなります。

大人になっても環境の影響を受け続ける

セルフイメージの形成は、子どもの頃だけで終わるわけではありません。

大人になってからも、職場での評価、パートナーからの言葉、友人との関係など、さまざまな環境からの影響を受け続けます。

ネガティブな言葉を浴び続ける環境にいれば、セルフイメージは下がっていきます。反対に、ポジティブな言葉に囲まれた環境にいれば、セルフイメージは上がっていきます。

セルフイメージは書き換えられる

過去に形成されたものは変えられる

過去の環境の中で形成されたセルフイメージは、今から書き換えることができます

「私はダメな人間だ」というセルフイメージも、「私は価値のある人間だ」というセルフイメージに変えていくことができるのです。

エフィカシーとセルフエスティームは、セルフイメージの一部です。つまり、セルフイメージを書き換えることで、エフィカシーとセルフエスティームを高めることができます。

書き換えのための2つの方法

セルフイメージを書き換える方法は、いくつもありますが今回は2つご紹介します。

  1. アファメーション
  2. セルフトークのコントロール

どちらも、言葉の力を使って無意識レベルのセルフイメージに働きかける方法です。

アファメーションでセルフイメージを育てる

アファメーションの基本

アファメーションとは、なりたい自分の姿を言葉にして宣言することです。

ポイントは、一人称で、現在形で、肯定的に語ることです。

「私は〜になりたい」ではなく、「私は〜している」という形で表現します。まだ実現していなくても、すでに実現しているかのように語るのです。

なぜ現在形で語るのか

私たちの脳は、現実の体験と臨場感の高いイメージを区別することが苦手です。

「私は自信を持って生き生きと生活している」と繰り返し宣言し、その状態をリアルにイメージすると、脳はそれを現実として認識し始めます。

すると、無意識のレベルでセルフイメージが書き換わり、実際の行動や振る舞いも変わっていくのです。

アファメーションの具体例

以下は、エフィカシーとセルフエスティームを高めるためのアファメーションの例です。

  • 「私は毎日自信を持って、生き生きと生活している」
  • 「私は自分を心から愛し、周囲の人も愛している」
  • 「私は価値ある存在であり、私らしく輝いている」
  • 「私は新しい挑戦を楽しみ、成長し続けている」
  • 「私は自分の能力を信頼し、どんな状況でも最善を尽くしている」

これらは例ですので、あなた自身の言葉で、あなたがなりたい姿を表現してみてください。

アファメーションの実践方法

アファメーションは、朝起きたときと夜寝る前に行うのが効果的です。

この時間帯は、意識と無意識の境界が曖昧になりやすく、言葉が無意識に届きやすいと言われています。

また、日中に何度か繰り返すことで、より効果が高まります。通勤中、休憩中、お風呂の中など、自分のタイミングで行ってみてください。

大切なのは、感情を込めて行うことです。ただ言葉を唱えるだけでなく、その状態になっている自分を鮮明にイメージし、その時の喜びや充実感を感じながら行いましょう。

セルフトークを味方につける

セルフトークとは何か

セルフトークとは、心の中でつぶやいている言葉のことです。

声に出していなくても、私たちは常に心の中で自分に語りかけています。この心の中の独り言が、セルフトークです。

「今日も疲れたな」「また失敗しちゃった」「私って本当にダメだな」

このようなネガティブなセルフトークを繰り返していると、セルフイメージはどんどん下がっていきます。

ネガティブなセルフトークに気づく

まずは、自分がどんなセルフトークをしているかに気づくことから始めましょう。

多くの人は、無意識のうちに自分を否定する言葉を繰り返しています。それが当たり前になりすぎて、気づいていないことも多いのです。

「あ、今私は自分を責める言葉を使った」

このように気づくことが、変化の第一歩です。

ポジティブなセルフトークに置き換える

ネガティブなセルフトークに気づいたら、意識的にポジティブな言葉に置き換えていきましょう。

  • 「また失敗した」→「次はこうしてみよう」
  • 「私ってダメだな」→「今回は上手くいかなかったけど、次がある」
  • 「どうせ無理」→「やってみなければわからない」
  • 「みんなに嫌われている」→「私を大切にしてくれる人もいる」

最初は違和感があるかもしれません。でも、繰り返していくうちに、新しいセルフトークが自然になっていきます。

自分を褒める習慣を持つ

セルフトークの中で、意識的に自分を褒める習慣を持ちましょう。

「今日もよく頑張った」「この部分は上手くできた」「成長している自分がいる」

小さなことでも構いません。自分を認め、褒める言葉を心の中でかけてあげてください。

他人が褒めてくれなくても、自分で自分を褒めることができれば、セルフエスティームは確実に高まっていきます。

過去の成功体験を思い出す

どんな人にも成功体験がある

「私には自信を持てるような経験がない」と思っている方もいるかもしれません。

でも、本当にそうでしょうか?

人生を振り返れば、大小さまざまな成功体験があるはずです。それが見えなくなっているのは、今のセルフイメージがそれを見せないようにしているだけなのです。

思い出してほしい記憶

以下のような記憶を、ぜひ思い出してみてください。

  • 「やった!」という達成感を味わった瞬間:テストでいい点が取れた、目標を達成した、難しいことをやり遂げた
  • 「できた!」という喜びを感じた瞬間:初めて自転車に乗れた、新しいスキルを習得した、苦手なことを克服した
  • 「楽しい!」と心から思えた瞬間:好きなことに没頭した、大切な人と過ごした、充実した時間を過ごした
  • 「私すごいかも!」と感じた瞬間:人から感謝された、認められた、自分の良さに気づいた

感情とともに思い出す

大切なのは、その時の感情を一緒に思い出すことです。

出来事を思い出すだけでなく、その時に感じた喜び、達成感、誇らしさ、充実感を、今ここで感じてみてください。

感情を伴う記憶は、脳に強く刻まれます。過去の成功体験を感情とともに思い出すことで、「私はできる」「私には価値がある」というセルフイメージが強化されていきます。

成功日記をつける

日々の小さな成功を記録する「成功日記」をつけるのもおすすめです。

「今日できたこと」「今日うまくいったこと」「今日嬉しかったこと」を、毎日3つ書き出してみてください。

最初は書くことがないように感じるかもしれません。でも、意識して探すようになると、毎日たくさんの小さな成功があることに気づくはずです。

この習慣を続けることで、「私は毎日成功している」というセルフイメージが育っていきます。

あなたは本当はすごい人

エフィカシーとセルフエスティームが低いのは、過去の環境の中で形成されたセルフイメージのせいです。

それはあなたの本当の価値を反映しているわけではありません。

あなたの中には、まだ気づいていない才能があります。まだ発揮されていない可能性があります。あなたは、自分が思っているよりもずっとすごい人なのです。

今日から、アファメーションとセルフトークを意識してみてください。過去の成功体験を思い出し、その感情を味わってみてください。

少しずつ、でも確実に、セルフイメージは変わっていきます。

エフィカシーが高まり、「私ならできる」と心から思えるようになる。セルフエスティームが高まり、「私は価値のある存在だ」と心から感じられるようになる。その日は、必ず来ます。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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