子供の頃に刷り込まれたセルフイメージ|今からでも変えられます
セルフイメージとは何か
無意識の中にある「自分という認識」
セルフイメージとは、自分自身に対する無意識の判断や見解が積み重なることでできあがった「無意識の中の自分という認識」のことです。
心の中で思い描いている「自分らしさ」と言い換えることもできます。その大部分は無意識のレベルに存在しているため、普段は意識することがほとんどありません。
このセルフイメージは、性格や特性、価値観、能力やスキル、他者からの評価の認識、自己評価、社会的アイデンティティなど、さまざまな要素が積み重なって形成されています。
セルフイメージが行動を決めている
私たちは日々、無数の選択や行動をしています。何を食べるか、どんな言葉を使うか、どんな人と関わるか。その一つひとつの選択の背後には、セルフイメージが深く関わっています。
「できる自分」というセルフイメージを持っている人は、自然と挑戦的な行動を取りやすくなります。一方で「できない自分」というセルフイメージを持っていると、行動の幅が狭まってしまいます。
脳にはセルフイメージと現実を一致させようとする性質があります。そのため、セルフイメージ通りの現実が自然と創られていくのです。
あなたのセルフイメージはいつ作られたのか
子供の頃に受け取った言葉たち
私たちのセルフイメージの多くは、幼少期に形成されています。
親や先生、周囲の大人たちから繰り返し言われた言葉が、セルフイメージの土台となっているのです。
- 「君には無理だよ」
- 「あなたはこういうのが向いているよ」
- 「あなたはこういう人生を歩みなさいね」
- 「女の子なんだから控えめにしなさい」
- 「あなたは不器用だから」
このような言葉を何度も聞いているうちに、それが「自分らしさ」として無意識に刻み込まれていきます。
子供は大人の言葉を無条件に受け入れてしまう
子供の頃は、知識も経験も限られています。物事を広い視野で捉えたり、複雑なことを考えたりする力もまだ発達していません。
そのため、周囲の大人たちが語りかける言葉は、子供にとって絶対的なものになってしまうのです。
反論しようとしても言い負かされてしまう。そうした経験を繰り返すうちに、大人の言葉を無意識に受け入れるようになっていきます。
これは決してあなたが弱かったわけではありません。子供として自然な反応だったのです。
過去の環境が「今のあなた」を作った
セルフイメージは、過去の環境から大きな影響を受けています。
たとえば、幼少期に親がとても厳しく、小さな失敗にも激しく怒る人だったとしましょう。子供は怖気づいてしまい、自分を守るために嘘をつくようになったかもしれません。
その結果「私は嘘をついてしまう人間だ」というセルフイメージが形成されることがあります。
あるいは、何をやっても「まだ足りない」と言われ続けた人は、「私はいつも足りない存在だ」というセルフイメージを持つようになるかもしれません。
こうした経験は、当時の環境の中であなたが生き延びるために必要だったことです。しかし、大人になった今、そのセルフイメージがあなたの可能性を制限してしまっていることがあります。
大人になると現状維持が働く
ホメオスタシスという仕組み
私たちの脳にはホメオスタシス(恒常性維持機能)という仕組みがあります。これは「今の状態を保とう」とする働きのことです。
体温を一定に保ったり、血糖値を安定させたりするのもホメオスタシスの働きです。この機能は生命を守るために欠かせないものです。
しかし、このホメオスタシスは心の領域にも働きます。思考や感情においても「いつもの状態」を維持しようとするのです。
変わりたいのに変われない理由
大人になってから「変わりたい」と思っても、なかなか変われないことがあります。
これはホメオスタシスが働いているからです。脳にとって、急激な変化は「危険かもしれない」と判断されます。そのため、元の安全な状態に戻そうとする力が働くのです。
三日坊主で終わってしまう、元の習慣に戻ってしまう、無意識に挑戦を避けてしまう。これらはおおよそホメオスタシスの働きによるものです。
ホメオスタシスは敵ではありません。あなたを守るために働いている機能なのです。ただ、この仕組みを理解していないと、変化を起こすことが難しくなります。
セルフイメージがより固まっていく
大人になると、ホメオスタシスの働きによって現状維持が続きます。その結果、子供の頃に形成されたセルフイメージがさらに強化されていくのです。
同じような思考パターン、同じような行動、同じような選択を繰り返すことで、セルフイメージはますます「これが本当の私だ」という確信へと変わっていきます。
しかし、ここで大切なことをお伝えします。
セルフイメージは変えられるものなのです。
セルフイメージは今からでも変えられる
セルフトークがセルフイメージを作る
セルフトークとは、自分自身に対して心の中で語りかけている言葉のことです。
私たちは1日に数万回も、無意識のうちにセルフトークを行っています。この内なる対話が、セルフイメージを形成し、強化しているのです。
セルフトークには言葉・映像・感情という3つの要素があります。
- まず「言葉」で考える
- その言葉が「映像」を想起させる
- その映像が「感情」を生み出す
この流れが行動へとつながっていきます。
つまり、セルフトークを変えることで、セルフイメージを変えることができるのです。
ネガティブなセルフトークに気づく
多くの人のセルフトークは、ネガティブな傾向にあります。これは人間の脳が危険を察知するためにネガティブな情報に注目しやすい性質を持っているためです。
よくあるネガティブなセルフトークのパターンには、次のようなものがあります。
- 自己否定:「私にはできない」「どうせ無理」
- 過度な心配:「失敗したらどうしよう」「うまくいくはずがない」
- 他者との比較:「あの人に比べて私は」「私なんかが」
- 完璧主義:「完璧にできないならやらない方がいい」
まずは、自分がどんなセルフトークをしているか観察してみてください。無意識に繰り返している言葉に気づくことが、変化の第一歩です。
セルフトークでセルフイメージを変える方法
ステップ1:新しいセルフイメージを先に定義する
変化を起こすためには、まず「どんな自分になりたいのか」を明確にすることが大切です。
今までの自分らしさは、変わらないものではありません。変えられるものなのです。
「私はこういう人間になる」という新しいセルフイメージを、先に心の中で定義してみてください。
- 約束を守る自分
- 自分の意見を堂々と伝える自分
- 挑戦を楽しめる自分
- 自分を大切にできる自分
どんな自分になりたいですか?その姿を具体的にイメージしてみましょう。
ステップ2:新しいセルフイメージにふさわしいセルフトークを心がける
新しいセルフイメージを定義したら、そのイメージにふさわしいセルフトークを意識的に行っていきます。
たとえば、時間を守れる自分になりたいとしましょう。
今までは「私は時間にルーズな人間だ」と思っていたかもしれません。しかし、それは過去の環境が作ったセルフイメージに過ぎません。
朝、家を出る準備をしながら、こう心の中で語りかけてみてください。
「今日も時間を守って行動する。それが私らしい」
最初は違和感があるかもしれません。でも、繰り返していくうちに、それが自然な感覚へと変わっていきます。
ステップ3:うまくいった時といかなかった時の言葉を変える
日常の中で、うまくいった時といかなかった時、それぞれどんな言葉を自分にかけているでしょうか。
うまくいった時は、こう言ってみてください。
「これが私らしい」
当たり前のように受け流すのではなく、しっかりと自分を認めてあげましょう。
うまくいかなかった時は、こう言い換えてみてください。
「これは私らしくない。次は○○する」
自分を責めるのではなく、新しいセルフイメージに照らして「らしくなかった」と捉え、次の行動につなげるのです。
この小さな言葉の選び方が、セルフイメージを少しずつ書き換えていきます。
過去はあなたを定義しない
子供の頃の刷り込みは「真実」ではない
子供の頃に刷り込まれたセルフイメージは、確かにあなたの中に深く根を下ろしています。
しかし、それは「真実のあなた」ではありません。過去の環境が作り出した、一つの認識に過ぎないのです。
あなたには、今日から新しいセルフイメージを選び直す力があります。
あなたの言葉で、あなた自身を作り変える
セルフトークは、あなた自身が選ぶことができます。
過去に受け取った言葉ではなく、これからの自分にふさわしい言葉を、自分に語りかけていきましょう。
- 「私は変わることができる」
- 「私にはその力がある」
- 「これからの私は、こういう人間だ」
あなたの内なる言葉が、あなたの現実を創っていきます。
今日から始める新しい自分
過去に作られたセルフイメージは、今日から作り直すことができます。
まずは、自分がどんなセルフイメージを持っているのか、静かに観察してみてください。そして、どんな自分になりたいのか、心に問いかけてみてください。
新しいセルフイメージにふさわしいセルフトークを、今日から始めてみましょう。
一歩ずつ、焦らずに。あなたのペースで大丈夫です。あなたには、自分を変えていく力が、すでに備わっています。
