根拠のない自信が音楽を変える|女性音楽家のためのエフィカシー
過去の実績がなければ自信を持てないという幻想
「自分の音楽に自信が持てない」「あの時うまくいかなかった記憶が、ステージに立つたびによみがえる」。そんな思いを抱えている方は少なくないはずです。多くの人は、自分の価値を過去の実績や経験で測ろうとします。コンクールの結果、再生回数、評価された経歴。そうした「根拠」がなければ自信を持てないと感じてしまうのです。けれど、あなたの未来は過去の延長線上にあるわけではありません。過去にどんな経験をしてきたとしても、それは「これからのあなた」の可能性とは本来関係のないことなのです。
エフィカシーとは「未来の自分を信じる力」
エフィカシーとは、ゴールを達成する自己能力の自己評価のことです。ここで大切なのは、過去の実績や他人からの評価は一切関係ないということです。あくまでも、自分自身が自分の能力をどう評価するか。それだけなのです。あなたが音楽家として心から望む未来を思い描いた時、「私にはできる」と確信できるかどうか。その確信の度合いこそがエフィカシーです。根拠とは過去の事実を意味します。つまり、根拠に基づいた自信とは、過去の枠組みの中でしか自分を評価できていないということです。本当に大切なのは、まだ実現していない未来の自分を信じる力。「根拠のない自信」こそが、あなたを理想の音楽家としての姿へと導いてくれるのです。
エフィカシーが低いと、チャンスさえ見えなくなる
エフィカシーが高ければ、ゴール達成のための方法が見えるようになります。逆に低ければ、方法があっても見えなくなります。これは気の持ちようという話ではありません。私たちの脳は、自分にとって重要だと判断した情報だけを意識に上げる仕組みを持っています。「どうせ私には無理だ」というセルフイメージを持っていると、脳はその評価に合わない情報を無意識に排除してしまうのです。目の前にチャンスがあっても、共演の誘いがあっても、新しい可能性が開けていても、それが「見えない」。チャンスがないのではなく、チャンスが見えていない状態なのです。さらに、私たちの脳には成功体験よりも失敗体験を記憶に残しやすい傾向があります。そのため無意識のうちに「あの時うまくいかなかったから、今回もきっとだめだ」と判断してしまうことがあるのです。けれど、その記憶はもう手放していいのです。過去の失敗は、未来のあなたの可能性とは何の関係もありません。
あなたの音楽の未来は、他人の評価の中にはない
あなたが心から望む音楽の未来を語った時、周囲が信じてくれないこともあるでしょう。「もっと現実を見たら」「それで食べていけるの」。そうした言葉を投げかけてくる人は、あなたの過去しか見ていません。学歴、経歴、これまでの結果。それらはすべて「過去」です。他者があなたの未来の可能性を正しく評価できないのは、当然のことなのです。エフィカシーとは、あなた自身の内側にある評価です。他者の意見に左右される必要はありません。「私にはできる」「私はもっと成長できる」。その言葉を、まず自分自身にかけてあげてください。セルフトークが変われば、セルフイメージが変わります。セルフイメージが変われば、エフィカシーが高まり、あなたの音楽も、あなたの人生も、自然と動き始めるのです。エフィカシーは特別な才能や華やかな経歴がなくても、誰もが高めることができる力です。過去にとらわれず、根拠など気にせず、あなたが心から望む音楽家としての未来の自分を信じてください。その確信こそが、あなたにしか奏でられない音を、世界に届ける原動力になるのです。
