女性の生き方

私には無限の可能性がある|幼い頃の言葉に縛られない生き方

kokihasutami

あなたは誰かに「夢を見すぎ」と言われたことはありませんか?

あるいは「もっと現実を見なさい」と諭されたことは?

この記事では、私たちが持っている本当の可能性の大きさと、それを見えなくしてしまう”ある仕組み”について、ひとりの女性の物語を通じてお話しします。

対照的な二人の女性

27歳の優子と、同い年の真理。

二人は大学時代からの友人で、卒業後も定期的に会う仲でした。

ある日曜日の午後、二人はいつものカフェで向かい合っていました。

「ねえ、私ね、会社辞めて海外でビジネス始めようと思ってるんだ」

真理の言葉に、優子は驚きを隠せませんでした。

「え? 海外? 真理、英語そんなに得意じゃなかったよね? それにビジネスの経験もないのに…大丈夫なの?」

真理は笑顔で答えます。

「大丈夫だよ。英語はこれから本気で学べばいいし、ビジネスも実際にやりながら学んでいくつもり。なんとかなると思うよ」

優子は内心、真理の楽観性に戸惑いを感じていました。

どうして真理はそんなに自信があるんだろう?

私にはとてもそんな勇気は出ない。

優子の世界

優子は幼い頃から、こんな言葉を繰り返し聞いて育ちました。

「優子ちゃんは大人しい子だから、目立たないようにしなさい」

「無理しなくていいのよ。できる範囲でいいから」

「失敗したら恥ずかしいでしょう? 確実にできることだけやりなさい」

両親は優子を心配するあまり、いつも慎重な選択を促しました。

先生たちも同じでした。

「優子さんは真面目だから、堅実な道を選んだ方がいいわね」

こうした言葉は、すべて優子を守るための愛情から生まれたものでした。

でも、優子の心の中には、いつの間にかこんな言葉が繰り返されるようになっていったのです。

「私には特別な才能はない」

「私は平凡な人間だ」

「大きな夢を見ても、どうせ叶わない」

それは優子が選んだ信念ではなく、知らず知らずのうちに植え付けられた信念でした。

真理の世界

一方、真理はまったく違う環境で育ちました。

「真理ならできるよ!」

「失敗してもいいから、やりたいことに挑戦しなさい」

「あなたには無限の可能性があるんだから」

真理の両親は、いつも娘の可能性を信じていました。

小学生のとき、真理が「宇宙飛行士になりたい」と言ったとき、両親は笑って否定することはありませんでした。

「素敵な夢ね。どうやったらなれるか、一緒に調べてみようか」

中学生のとき、真理が生徒会長選挙に立候補したいと言ったとき、母はこう言いました。

「当選するかどうかは分からないけれど、挑戦することに意味があるわ。真理なら大丈夫」

こうした言葉のシャワーを浴びて育った真理の心には、いつの間にかこんな声が根付いていました。

「私にはできる」

「やってみないと分からない」

「可能性は無限にある」

二つの世界の違い

カフェで真理と別れた後、優子は考え込んでいました。

なぜ真理はあんなに自信を持てるんだろう?

なぜ私には勇気が出ないんだろう?

その答えは、二人が持っている「信念の体系」の違いにありました。

私たちは皆、幼い頃から周囲の大人たちの言葉を通じて、世界の見方を学んでいきます。

「こういうものだ」

「これが普通だ」

「あなたはこういう人間だ」

こうした言葉が積み重なって、私たちの中に一つの世界観が形成されていく。

それが「ブリーフシステム」と呼ばれるものです。

優子のブリーフシステムは「可能性は限られている」という信念で構成されていました。

一方、真理のブリーフシステムは「可能性は無限にある」という信念で構成されていたのです。

そして、この信念の違いが、二人の「コンフォートゾーン」つまり心地よく感じられる領域の大きさを決めていました。

優子にとって、海外でビジネスを始めるという選択肢は、コンフォートゾーンの遥か外側。

だから不安で、恐ろしく、「私には無理」と感じられたのです。

しかし真理にとって、それはコンフォートゾーンの中、あるいはすぐ隣にある選択肢。

だから自然で、ワクワクして、「やってみよう」と思えたのです。

もう一つの出会い

優子が真理との会話を引きずっていたある日のこと。

会社の休憩室で、先輩の佐藤さんと二人きりになりました。

佐藤さんは35歳。入社10年目のベテランで、いつも落ち着いた雰囲気の女性です。

何気ない会話の中で、優子はつい本音を漏らしてしまいました。

「佐藤さん、私って何をやっても中途半端で…才能とか、ないんですよね」

佐藤さんは優子の顔を見て、静かに微笑みました。

「優子ちゃん、それって誰が決めたの?」

「え?」

「あなたに才能がないって、誰が決めたの? あなた自身?」

優子は言葉に詰まりました。

考えてみれば、それは自分で決めたことではなく、いつの間にか「そう思い込んでいた」だけかもしれません。

佐藤さんの物語

佐藤さんはゆっくりと話し始めました。

「実は私も、昔は優子ちゃんみたいだったの」

「え、佐藤さんが?」

「そう。私の両親は厳しくて、『女の子は控えめに』『出る杭は打たれる』って、いつも言われてた。だから私は、自分には大したことができないって、ずっと信じてたの」

佐藤さんは窓の外を見つめます。

「でもね、28歳のとき、ある本に出会ったの。そこにこう書いてあった。『あなたの可能性は、あなたが信じている範囲でしか発揮されない』って」

「可能性は、信じている範囲でしか…」

「そう。つまり、私が『自分には才能がない』と信じていたら、本当の才能は発揮されない。逆に『私にはできる』と信じたら、可能性が開けていく」

佐藤さんは優子の目をまっすぐ見ました。

「優子ちゃん、あなたの可能性を決めているのは、周りの人の言葉じゃない。あなた自身が何を信じるかなの」

信念は選べる

その日の夜、優子は自分の部屋で過去を振り返っていました。

「優子ちゃんは大人しい子」

「無理しなくていい」

「確実なことだけやりなさい」

これらの言葉は、両親や先生たちの愛情から生まれたものでした。

でも、それを今の自分の真実として受け入れ続ける必要はないのかもしれない。

優子は気づきました。

私は「私には才能がない」という信念を、いつの間にか真実だと思い込んでいた。

でも、それは真実ではなく、ただの「信念」だったんだ。

そして信念は、選び直すことができる。

可能性は本当に無限なのか

次の日曜日、優子は再び真理と会いました。

「ねえ真理、聞いていい? なんでそんなに自信があるの?」

真理は少し考えてから答えました。

「自信っていうか…それが当たり前だから、かな」

「当たり前?」

「うん。私は小さい頃から、『やってみたらできる』って経験を積み重ねてきたの。だから、新しいことに挑戦するときも、『きっとなんとかなる』って思えるんだと思う」

真理は続けます。

「でもね、優子。あなたにも同じ可能性があるよ。ただ、今までそう信じる機会がなかっただけ」

「私にも…?」

「そう。人間ってね、本当は誰でも無限の可能性を持ってるんだって。ただ、それを信じられるかどうかの違いだけ」

優子の胸に、小さな灯りが点りました。

もしかしたら、私にもできるのかもしれない。

今まで「できない」と思い込んでいただけで、本当は可能性があるのかもしれない。

小さな一歩

翌週、優子は小さな決断をしました。

ずっと興味があったけれど「私には無理」と諦めていた、社内の新規プロジェクトに手を挙げたのです。

上司から「本当にやるのか?」と聞かれたとき、優子の心には不安がありました。

でも同時に、こんな声も聞こえました。

「やってみないと分からない」

「私にも可能性はある」

プロジェクトは決して簡単ではありませんでした。

最初の提案は却下され、二度目の提案も大幅な修正を求められました。

でも、優子は諦めませんでした。

そして三ヶ月後、優子の提案は採用され、小規模ながらもプロジェクトがスタートしたのです。

プロジェクト開始の日、優子は真理にメッセージを送りました。

「ありがとう。私にもできるって、少し信じられるようになった」

真理からの返信は、シンプルでした。

「最初から言ったでしょ? あなたにはできるって。おめでとう!」

異なる信念を持つ人たちとの向き合い方

優子が変わっていく中で、一つの疑問が浮かびました。

「可能性が無限だと信じられない人を、どう理解すればいいんだろう?」

真理に相談すると、真理はこう答えました。

「それはね、その人が持っているブリーフシステムが違うだけなんだよ」

「ブリーフシステム?」

「信念の体系のこと。その人が育った環境や経験で作られた、世界の見方」

真理は続けます。

「私の母が『あなたにはできる』と言ってくれたのは、母自身がそういうブリーフシステムを持っていたから。でも、優子のお母さんが『無理しなくていい』と言ったのは、お母さんなりの愛情と、お母さん自身のブリーフシステムから出た言葉」

「つまり…」

「どちらが正しいとか間違ってるとかじゃないの。ただ、信念が違うだけ。そして私たちは、自分の人生に合った信念を選べばいい」

優子は、自分の両親への見方が変わっていくのを感じました。

両親は間違っていたわけではない。

ただ、両親が信じていた世界と、私が選びたい世界が違うだけ。

そして、それは誰も悪くない。

あなたにも無限の可能性がある

優子が変化してから半年が経った頃。

彼女は新しい挑戦をいくつも経験していました。

すべてが成功したわけではありません。

失敗したプロジェクトもあれば、途中で諦めたこともありました。

でも、優子の中で確実に変わったことがありました。

「私には可能性がある」

この信念が、少しずつ、でも確実に根付いていったのです。

ある日、優子は後輩の女性社員から相談を受けました。

「先輩、私って何もできなくて…才能がないんです」

優子はその言葉に、かつての自分を見ました。

そして、かつて佐藤さんが自分にしてくれたように、こう答えました。

「それって、誰が決めたの?」

あなたへのメッセージ

この物語を読んでいるあなたに、伝えたいことがあります。

あなたには、無限の可能性があります。

もし今、「私には才能がない」「私は平凡だ」「大きな夢は無理」と思っているなら、それはあなたの真実ではなく、誰かから受け取った信念かもしれません。

幼い頃に親から言われた言葉。

学校の先生から繰り返し聞いた言葉。

周囲の大人たちが「常識」として伝えた価値観。

それらはすべて、あなたを守るための愛情から生まれたものかもしれません。

でも、それを今のあなたの真実として受け入れ続ける必要はないのです。

一方で、「私には何でもできる」と自然に信じられる人もいます。

彼女たちは特別なのではなく、ただ違うブリーフシステムを持っているだけ。

違うコンフォートゾーンを持っているだけ。

そして、あなたも今この瞬間から、自分のブリーフシステムを選び直すことができます。

「私には可能性がある」

「やってみないと分からない」

「挑戦する価値がある」

こうした信念を、あなた自身で選ぶことができるのです。

最初は小さな一歩で構いません。

今まで「無理」と思い込んでいたことに、ほんの少しだけ挑戦してみる。

失敗してもいい。

完璧じゃなくてもいい。

大切なのは、「私にはできる」という新しい信念を、少しずつ育てていくこと。

あなたの可能性は、あなたが思っているよりもずっとずっと大きいのです。

他の誰かと比べる必要はありません。

あなたには無限の可能性があります。

だから大丈夫。

あなたは、あなたが思っている以上のことができる人です。

今日この瞬間から、新しい信念を選んでください。

そして、あなた自身の可能性を、信じてあげてください。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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