自己実現

やりたいことが分からない20代女性へ|本当の自分に出会う方法

蓮彩聖基

あなたは今、「やりたいことが分からない」と感じていませんか?

周りの友人は夢に向かって進んでいるように見えるのに、自分だけが取り残されている気がする。毎日同じことの繰り返しで、このままでいいのか不安になる。そんな気持ちを抱えているとしたら、それはあなただけではありません。

なぜ「やりたいこと」が見つからないのか

「やりたいことが分からない」という状態は、実は脳の仕組みと深く関わっています。

私たちの脳は、「重要だ」と判断した情報だけを意識に上げる性質を持っています。逆に言えば、重要ではないと判断された情報は、目の前にあっても見えていないのです。

これをスコトーマ(心理的盲点)と呼びます。

あなたの可能性はスコトーマの中に隠れている

想像してみてください。新しいバッグを買った後、街中で同じバッグを持っている人をたくさん見かけた経験はありませんか?

そのバッグを持っている人は以前からそこにいたはずです。でも、あなたが買うまでは気づかなかった。これがスコトーマの典型的な例です。

「やりたいこと」も同じです。今のあなたにとって重要と認識されていないため、目の前にあるチャンスや可能性が見えていないのです。

「現状の内側」で探しても見つからない理由

多くの人は「やりたいこと」を見つけようとするとき、今の自分の延長線上で考えてしまいます。

今の仕事の中から探そうとしたり、今の趣味の範囲で考えようとしたり。でも、それでは見つからないのです。なぜなら、本当にあなたを輝かせる「やりたいこと」は、現状の外側にあるからです。

現状の外側とは

現状の外側とは、今の自分の延長線上では達成できない領域のことです。

  • 達成方法がすぐには見えない
  • 今の自己イメージでは想像しにくい
  • 大きな変化や成長を必要とする

例えば、事務職として働いているあなたが「世界中を旅しながら働く」というゴールを設定したとします。これは今の生活の延長では実現できません。でも、そのゴールを本気で設定した瞬間から、あなたの脳は変わり始めます。

脳は「ゴール」を設定すると動き出す

ここからが重要なポイントです。

脳は、明確なゴールが設定されると、そのゴールに関連する情報を自動的に収集し始めるのです。これは意識的な努力ではなく、無意識のレベルで起こります。

ゴール設定による変化

26歳の美咲さんは、長年「やりたいことが分からない」と悩んでいました。毎日会社と家の往復で、週末は疲れて寝て終わる生活。

ある日、彼女は思い切って「人の心を癒す仕事で独立する」というゴールを設定しました。達成方法は全く分かりませんでした。

すると、不思議なことが起き始めました。

通勤電車で目にする広告が違って見えるようになりました。友人との会話の中で、以前は聞き流していた情報が耳に飛び込んでくるようになりました。書店で手に取る本のジャンルが変わりました。

これまで見えていなかった情報が、急に見えるようになったのです。スコトーマが外れたのです。

ゴールは「want to」で設定すること

ただし、ゴールには重要な条件があります。

それは、心から「こうなりたい」と思えるものでなければならないということです。

「should」ではなく「want to」

  • 「安定した仕事に就くべき」(should)
  • 「親が喜ぶ道を選ぶべき」(should)
  • 「周りに合わせるべき」(should)

こうした「べき」で選んだゴールは、あなたの脳を動かしません。

一方で、

  • 「私はこう生きたい」(want to)
  • 「これが本当にやりたいこと」(want to)
  • 「こんな未来を創りたい」(want to)

こうした内側から湧き上がる想いは、あなたの無意識を強力に動かします。

セルフイメージが可能性を決めている

「でも、私にはそんな大きなことできない」

そう思ったかもしれません。その思いの正体は、セルフイメージです。

セルフイメージとは、「自分はこういう人間だ」という無意識の認識です。そして、私たちは無意識のうちに、このセルフイメージ通りの行動を選んでいます。

セルフイメージの影響力

「私は人前で話すのが苦手」というセルフイメージを持っている人は、人前で話す機会を無意識に避けます。「私には才能がない」と思っている人は、新しいチャレンジの前に諦めてしまいます。

でも、セルフイメージは変えることができます。

ゴールを達成した自分をリアルに想像すること。その未来の自分を何度も体験すること。そうすることで、「私はそういう人間だ」という新しいセルフイメージが育っていきます。

ビジュアライゼーションで未来を体験する

ビジュアライゼーションとは、未来をリアルに想像する技術です。

ただ漠然と「こうなればいいな」と思うのではありません。五感すべてを使って、その未来をまるで今体験しているかのように感じるのです。

実践方法

リラックスした状態で目を閉じます。

ゴールを達成したあなたの一日を想像してください。

朝、目覚めたときの気分は?窓の外に見える景色は?部屋の空気の感じは?

仕事をしているあなたは何をしていますか?どんな表情をしていますか?周りにどんな人がいますか?

その時、あなたの心はどんな感情で満たされていますか?誇らしさ?喜び?充実感?

この感情を深く深く味わってください。

なぜ効果があるのか

脳は、現実の体験と、臨場感の高いイメージを区別することが苦手です。

リアルに想像された未来は、脳にとって「もう経験したこと」になります。すると、無意識はその未来を「自然な未来」として認識し始めます。

そして、その未来に向かう行動が、努力ではなく自然な選択になっていくのです。

アファメーションで言葉の力を使う

アファメーションは、言葉を使って無意識の自己イメージを書き換える技術です。

ただし、いくつかの重要なルールがあります。

アファメーションの11のルール

  1. 個人的|自分自身について語る
  2. 肯定的|「〜しない」ではなく「〜している」
  3. 現在形|「〜になる」ではなく「〜である」
  4. 達成を示す|「できるかも」ではなく「やっている」
  5. 比較をしない|他人基準を避ける
  6. 動作を表す言葉|映像が浮かぶ表現
  7. 感情を表す言葉|気持ちが動く表現
  8. 正確|具体的でリアルなイメージ
  9. バランス|人生の複数領域をカバー
  10. 現実的|自分が受け入れられる範囲
  11. 秘密|他人に話さない

実践例

例えば、こんなアファメーションです。

「私は自分の才能を活かして、人の心を癒す仕事をしている。毎日目覚めるのが楽しみで、感謝の気持ちに満ちている。私の仕事は多くの人に喜びをもたらし、私自身も豊かで自由な人生を送っている」

これを朝晩、リラックスした状態で繰り返します。その時、言葉だけでなく、その状態にいる自分を想像し、感情を味わうことが大切です。

コンフォートゾーンを広げる

「やりたいことが分からない」という状態は、実は脳があなたを守ろうとしている結果かもしれません。

コンフォートゾーンとは、あなたがストレスを感じずに過ごせる心地よい領域のことです。そして、脳は本能的にこのゾーンの中にとどまろうとします。

ホメオスタシスの働き

ホメオスタシスは、「同じ状態を保とうとする」脳の性質です。

体温を一定に保つように、脳は思考や感情も「いつもの状態」に保とうとします。これは本来、あなたを守るための大切な機能です。

でも、ゴールを達成するためには、この機能を味方につける必要があります。

コンフォートゾーンを移動させる

ポイントは、ゴール側の世界に強い臨場感を持つことです。

ビジュアライゼーションとアファメーションを繰り返すことで、ゴール側の世界が「心地よい場所」として感じられるようになります。

すると、ホメオスタシスはゴール側の状態を維持しようと働き始めます。変化することが、脳にとって自然になるのです。

認知的不協和を成長のエネルギーに

現状とゴールの間には、必ずギャップがあります。

「今の自分」と「なりたい自分」が一致していない。この矛盾した状態を認知的不協和と呼びます。

不快感は成長のサイン

認知的不協和は、不快な感覚を生みます。「このままではいけない」という焦りや、「変わりたいのに変われない」というもどかしさ。

でも、この不快感こそが、あなたを動かすエネルギーになります。

脳は矛盾を解消しようとする強い動機を持っています。ゴール側の臨場感が現状より高ければ、脳は自然とゴールに向かう行動を選び始めるのです。

活用方法

不安や焦りを感じたとき、「これは成長のサインだ」と捉えてください。

そして、ゴール側の臨場感をさらに高めましょう。ビジュアライゼーションを行い、アファメーションを唱え、ゴールを達成した自分をリアルに感じてください。

すると、不快感は行動のエネルギーに変わります。

エフィカシーを高める

エフィカシーとは、ゴールを達成する自己能力に対する自己評価です。

「私にはできる」という確信の度合いと言ってもいいでしょう。

エフィカシーが行動を決める

エフィカシーが高い人は、困難に直面しても「方法を見つけられる」と考えます。失敗しても「学びの機会だ」と捉えます。

エフィカシーが低い人は、挑戦する前に「どうせ無理だ」と諦めてしまいます。小さな失敗で「やっぱり自分には才能がない」と結論づけてしまいます。

高める方法

エフィカシーは、意識的に高めることができます。

過去の成功体験を思い出してください。どんな小さなことでも構いません。「あの時、私はできた」という記憶を丁寧に振り返ります。

ゴールを達成している自分を想像してください。その時の自信に満ちた姿を感じてください。

そして、自分に優しい言葉をかけてください。「私にはできる」「私には可能性がある」「私は成長している」

これらを日常的に繰り返すことで、エフィカシーは確実に高まります。

ドリームキラーから自分を守る

ゴールを設定し、動き始めたとき、必ず現れるのがドリームキラーです。

ドリームキラーとは、あなたの夢を否定する人たちのことです。

身近な人ほど注意が必要

「そんなの無理だよ」「もっと現実を見なさい」「失敗したらどうするの」

こうした言葉は、多くの場合、家族や友人といった身近な人から発せられます。彼らに悪意はありません。むしろ「あなたのため」と本気で思っています。

でも、こうした言葉はあなたのエフィカシーを下げ、可能性を狭めてしまいます。

対処法

ドリームキラーの言葉は、その人の信念の表れです。その人の「常識」や「経験」から来ているものであって、あなたの可能性とは関係ありません。

大切なゴールは、簡単に人に話さないこと。特に、あなたの可能性を信じてくれない人には話さないことです。

そして、あなたを応援してくれる人、あなたの可能性を信じてくれる人と過ごす時間を増やしてください。

小さな一歩から始める

ここまで読んで、「でも、何から始めればいいの?」と思ったかもしれません。

まずは小さな一歩で大丈夫です。

今日からできること

ゴールを書き出す

現状の外側に、本当に心から達成したいゴールを書き出してください。達成方法が分からなくても大丈夫です。むしろ、分からないくらいがちょうどいいのです。

人生の複数の領域で考えてみましょう。

  • キャリア|どんな仕事をしていたい?
  • 人間関係|どんな人たちと過ごしていたい?
  • 健康|どんな心と体でいたい?
  • 経済|どんな豊かさを手にしていたい?
  • 趣味・自己表現|何を楽しんでいたい?
  • 社会貢献|どんな形で社会に貢献したい?

ビジュアライゼーションの時間を作る

朝起きた時と夜寝る前、5分ずつでいいので、ゴールを達成した自分の世界を体験する時間を作ってください。

アファメーションを作る

11のルールに従って、あなた自身のアファメーションを作ってください。そして、毎日唱えてください。

完璧を求めなくていい

最後に、とても大切なことをお伝えします。

完璧を求めないでください。

ゴール設定も、ビジュアライゼーションも、アファメーションも、最初から完璧にできる人はいません。少しずつ、自分のペースで進めていけば大丈夫です。

あなたの人生はあなたのもの

「やりたいことが分からない」という状態は、決して悪いことではありません。

それは、あなたがこれまでの人生で、自分の本当の想いを大切にする機会が少なかったということかもしれません。周りの期待や、社会の常識に合わせて生きてきたのかもしれません。

でも、今からでも遅くありません。

あなたの人生は、あなたのものです。あなたが心から「こう生きたい」と思う未来を選ぶ権利があります。

本当の自分に出会う旅

「やりたいことが分からない」という状態から抜け出す旅は、実は「本当の自分に出会う旅」です。

他人の期待でもなく、社会の常識でもなく、あなた自身の内側から湧き上がる「want to」を見つける旅です。

その旅は、時に不安で、時に孤独を感じるかもしれません。でも、その先には、あなただけの輝く未来が待っています。

あなたの可能性は、今はスコトーマの中に隠れているかもしれません。でも、ゴールを設定し、臨場感を高めることで、必ず見えるようになります。

あなたには、あなたにしかできないことがあります。あなたにしか歩めない道があります。

その道を見つける第一歩を、今日、踏み出してくださいね。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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