あなたの可能性は、まだ目覚めていない

「もっとできるはずなのに」「このままでいいのだろうか」心の奥底で、そんな声が聞こえることはありませんか?それは、あなたの内側に眠る本当の可能性が、目覚めを待っているサインなのです。

私たちは、自分が持つ能力のほんの一部しか使っていません。脳科学の研究によれば、人間の脳は想像以上の創造性と問題解決能力を秘めているのです。では、なぜ多くの人がその可能性を発揮できないのでしょうか?

この記事では、認知科学とコーチング理論の視点から、あなたの中に眠る可能性を解放し、本当になりたい自分へと近づくための方法をお伝えします。

なぜ「まだまだできる」と感じるのか

脳は常に成長を求めている

人間の脳は、本来、成長と創造を求める性質を持っています。

これは脳科学の分野でも明らかにされている事実です。脳は新しい刺激や挑戦を受けることで、神経回路を組み替え、より高度な思考や行動を可能にしていきます。

「まだまだできる」という感覚は、あなたの脳が現状に満足していない証拠なのです。

コンフォートゾーンという見えない檻

しかし同時に、私たちはコンフォートゾーンという心地よい領域に留まろうとする性質も持っています。コンフォートゾーンとは、慣れ親しんだ環境や思考パターン、行動範囲のことです。脳は無意識のうちに、このコンフォートゾーンから出ることに抵抗を感じます。

なぜなら、脳にとって「変化=危険」だからです。この相反する二つの性質――成長を求める性質と、安全を求める性質のバランスをどう取るかが、あなたの可能性を開花させる鍵となります。

ゴール設定が人生を変える本質的な理由

現状の外側にゴールを置く意味

コーチング理論において、最も重要な概念の一つが「現状の外側にゴールを設定する」ことです。

現状の外側のゴールとは、今のあなたの能力や環境では「どうやって達成するか分からない」レベルのゴールのことを指します。

「できるかどうか分からない」と感じるゴールこそが、あなたの可能性を最大限に引き出すのです。

なぜでしょうか?それは、脳が答えを探し始めるからです。

RASが働き始めるメカニズム

人間の脳には、RAS(網様体賦活系)という情報フィルター機能が備わっています。RASは、あなたが「重要だ」と認識した情報を優先的に取り込み、それ以外の情報は自動的にフィルタリングします。

高いゴールを設定すると、脳は自動的に「そのゴールを達成するために必要な情報は何か?」と問い始めます。すると、これまで見えていなかった情報、出会い、アイデアが次々と視界に入ってくるようになるのです。

創造性を解放する具体的な方法

セルフトークで脳に問いかけ続ける

セルフトークとは、自分自身への語りかけのことです。

私たちは一日に何万回も、無意識のうちに自分に語りかけています。このセルフトークの質が、あなたの思考と行動を大きく左右するのです。

高いゴールを設定したとき、多くの人は「無理だ」「できるわけがない」という否定的なセルフトークをしてしまいます。しかし、セルフトークを意識的に変えることで、脳の創造性を引き出すことができます。

効果的なセルフトークの例

• 「どうすれば実現できるだろう?」
• 「必ずどこかに方法があるはずだ」
• 「まだ見えていないだけで、答えは存在している」
• 「できる方法を見つけるために、私の創造性を使おう」

このように、可能性を前提とした問いかけをすることで、脳は答えを探し始めます。

変性意識状態で答えが降りてくる

興味深いことに、答えは「必死に考えている最中」よりも、リラックスしている時に突然やってくることが多いのです。

• 散歩をしている時
• お風呂に入っている時
• 眠りにつく直前

これらは、脳が変性意識状態になりやすい瞬間です。

変性意識状態とは、意識と無意識の境界が曖昧になる状態のこと。この状態で、脳の深い部分から創造的なアイデアが浮かび上がってきます。

ですから、ゴールについて考え続けながらも、適度にリラックスする時間を持つことが大切なのです。

エフィカシーを高める日常の習慣

ワクワクと不安が共存する感覚

エフィカシー(自己効力感・ゴール達成能力の自己評価)が高い状態とは、ただ自信に満ち溢れている状態ではありません。

むしろ、ワクワクしながらも、少しドキドキするという感覚が共存している状態です。

「これは本当にできるのだろうか?」という問いと、「絶対にできる」という確信が同時に存在する。

この矛盾した感覚こそが、あなたがコンフォートゾーンの外に出ている証拠なのです。

現状に満足しない心地よさ

ゴールを高く設定し続けると、不思議な感覚を体験します。それは、「幸せだけれど、満足していない」という状態です。

今の状況に感謝しながらも、「もっと先がある」「まだ届いていない」という感覚が常にある。これは決してネガティブな不満ではなく、成長へのエネルギーなのです。この感覚を持てているなら、あなたは正しい方向に進んでいます。

場を共有することの力

非言語情報が人を動かす

本や動画から学ぶことも大切ですが、実際にその場に身を置くことには、比べ物にならない力があります。人は言葉だけでなく、非言語情報を通じて多くのことを受け取っています。

• エネルギー
• 雰囲気
• 空気感
• 佇まい

これらは、文字や画面を通しては伝わりにくいものです。

実際に高いエネルギーを持つ人と同じ空間にいると、あなたの中の何かが共鳴し始めます。これは、認知科学で説明されるミラーニューロンの働きでもあります。

歴史的な場所が持つエネルギー

また、歴史的に大きな変革が起きた場所を訪れることも、強力な刺激となります。

そこには、過去にそこにいた人々のエネルギーの残響があります。たとえば、偉大な思想家や改革者が過ごした場所を訪れると、「自分もやれるはずだ」という感覚が湧き上がってくることがあります。

これは単なる気分の問題ではなく、あなたのブリーフシステム(信念体系)に変化を起こすきっかけとなるのです。

ドリームキラーとの向き合い方

現れるのは当然のこと

高いゴールを設定すると、必ずと言っていいほどドリームキラーが現れます。

ドリームキラーとは、あなたの夢や目標を否定する存在のこと。外部の人である場合もあれば、あなた自身の内なる声である場合もあります。

• 「そんなの無理だよ」
• 「現実的に考えなよ」
• 「失敗したらどうするの?」

こうした声が聞こえてきたとき、多くの人はゴールを下げてしまいます。

ドリームキラーの声は可能性の証

しかし、視点を変えてみましょう。

ドリームキラーの声が聞こえてくるということは、あなたのゴールが現状の外側にある証拠です。もし誰もが簡単にできることなら、反対の声は出ません。非常識だと言われるくらいのゴールだからこそ、周囲は驚き、否定するのです。

「それは無理だよ」と言われたら、「ああ、良いゴールを設定できているんだな」と思えばいいのです。

そして、あなたのゴールを理解し、応援してくれる人と関わる時間を増やしていきましょう。コーチング理論を理解している人、現状の外にチャレンジしている人と繋がることが大切です。

スコトーマが外れる瞬間

見えないものは存在しないのではない

スコトーマ(心理的盲点)とは、あなたにとって重要でない情報が認識できなくなる現象のことです。

「方法が分からない」と感じるとき、実は方法が存在しないのではなく、あなたのスコトーマに隠れている可能性が高いのです。

ゴールを設定し、セルフトークで問いかけ続けると、ある瞬間、スコトーマが外れます。今まで全く見えなかった解決策が、突然視界に入ってくる。これは、脳のRASの設定が変わった瞬間です。

1ヶ月前には考えもしなかった領域

あなたが真剣にゴールと向き合い、脳に問いかけ続けると、1ヶ月前には全く想定していなかった領域に足を踏み入れることになります。これは、スコトーマが外れた証拠です。

「こんなアプローチがあったのか」「こんな人と繋がれるのか」「この方法なら実現できそうだ」次々と新しい可能性が見えてくるでしょう。

継続的にエフィカシーを保つために

コーチの役割とは

高いエフィカシーを維持し続けることは、一人では難しい場合があります。なぜなら、私たちは日常の中で、無意識のうちにエフィカシーを下げる情報にさらされているからです。

コーチの役割は、あなたのエフィカシーが下がったときに、本来の高さに戻すことです。継続的にコーチと関わることで、あなたは常に高いエフィカシーを保ち、結果を出し続けることができます。

セルフコーチングの実践

もちろん、セルフコーチングも非常に重要です。日々の中で、自分自身に問いかける習慣を持ちましょう。

• 今の私は、ゴールに向かっているかな?
• エフィカシーは高い状態かな?
• 新しいチャレンジをしているかな?
• ワクワクとドキドキを感じているかな?

この自己確認を習慣化することで、あなたは自分自身で軌道修正ができるようになります。

情報過多の時代だからこそできること

150年前との圧倒的な違い

現代は、情報があふれる時代です。インターネットを使えば、地球の裏側で起きていることもリアルタイムで知ることができます。専門的な知識も、検索すればすぐに手に入ります。

150年前と比べると、私たちは圧倒的に恵まれた環境にいるのです。移動手段も整い、通信手段も発達し、物理的な制約はほとんどありません。

言い訳のない時代

だからこそ、「できない理由」を探すことの方が難しいのです。

時間がない、お金がない、環境が整っていない――それらは本当に、あなたの可能性を止める理由になるでしょうか?

情報も手段も揃っている今だからこそ、あなたの可能性を制限しているのは、あなた自身の思考だけなのです。

創造性を発揮し続ける生き方

ゴールを更新し続ける

一つのゴールを達成方法がわかってきたら、必ずゴールの再設定をしましょう。そうしないと、脳はエネルギーを失い、現状維持モードに入ってしまいます。

常にゴールを更新し続けることで、あなたの脳は活性化し続け、創造性を発揮し続けることができるのです。

悩む暇がない状態こそ理想

高いゴールを設定し、常にチャレンジしている状態では、悩む暇がありません。「どうやって実現しようか」「次は何をしようか」と、頭の中は常にゴールに向かう思考で満たされています。

この状態こそが、あなたが本来持っている創造性が解放されている状態なのです。

まとめ:あなたの中に、答えはすでにある

あなたの可能性は、まだほんの一部しか開花していません。そして、その可能性を解放する鍵は、あなた自身が握っているのです。

この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。

• 現状の外側にゴールを設定することで、脳のRASが働き、必要な情報が集まり始める
• セルフトークを意識的に変えることで、創造性が発揮され、解決策が見えてくる
• エフィカシーを高く保つことで、挑戦し続けるエネルギーが湧き続ける
• 場を共有することで、非言語情報を受け取り、大きな変化のきっかけを得られる
• ドリームキラーの声は、良いゴールを設定ができている証だと捉え直す

「まだまだできるはず」――その感覚は正しいのです。あなたの脳は、もっと多くのことを成し遂げられることを知っています。必要なのは、現状の外側にゴールを設定し、そこに向かって問いかけ続けること。

そうすれば、必ず答えは見つかります。方法は必ず存在します。ただ、まだあなたのスコトーマに隠れているだけなのです。「半年前の自分でもできること」をゴールにしていないか、確認してみてください。もしそうなら、もっと高く、もっと遠くにゴールを設定し直しましょう。

蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得