女性の生き方

誰かの期待に応え続けて疲れたあなたへ|自分を取り戻す方法

蓮彩聖基

「いい子」でいることに、疲れていませんか

親の期待に応えようと頑張ってきた。上司の求めることを先回りしてこなしてきた。友人の相談には必ず乗ってきた。パートナーの望む自分であろうとしてきた。

気づけば、誰かのために生きることが当たり前になっていた。

そんなあなたは、きっと優しい人なのだと思います。周りの人を大切にできる人。空気を読める人。責任感の強い人。

でも、ふとした瞬間に思うことはありませんか?「私は一体、誰のために生きているのだろう」と。

なぜ私たちは他人の期待に応えようとするのでしょうか

幼い頃から刷り込まれた「良い子」の条件

私たちは幼い頃から、周囲の期待に応えることで愛情を得てきました。

テストで良い点を取れば褒められる。言うことを聞けば「いい子だね」と言われる。親を困らせなければ、笑顔を向けてもらえる。

この経験が繰り返されるうちに、「期待に応える自分には価値がある」「期待に応えられない自分には価値がない」という信念が、無意識の奥深くに根付いていくのです。

「嫌われたくない」という恐れ

期待に応えなかったら、がっかりされるかもしれない。見捨てられるかもしれない。嫌われるかもしれない。

この恐れが、私たちを「いい人」でいることに縛りつけます。

本当は断りたいのに、「いいよ」と言ってしまう。本当は違う意見があるのに、相手に合わせてしまう。本当は休みたいのに、頼まれたら引き受けてしまう。

その度に、少しずつ自分が削られていく感覚がありませんか?

他人の評価が自分の価値になっているとき

  • 「あの人に認められたい」
  • 「みんなから好かれたい」
  • 「できる人だと思われたい」

他人からの評価を自分の価値の基準にしていると、常に周囲の反応が気になります。相手の表情や言葉の端々を読み取り、自分がどう思われているかを確認し続ける。

これは、とても疲れることなのです。なぜなら、他人の心は自分ではコントロールできないから。どれだけ頑張っても、相手がどう感じるかは相手次第なのです。

期待に応え続けることの代償

自分が何を望んでいるのかわからなくなる

他人の期待に応えることに慣れすぎると、自分自身の望みがわからなくなることがあります。

「何が食べたい?」と聞かれても、相手が何を食べたいかを考えてしまう。「どうしたい?」と聞かれても、どうすれば相手が喜ぶかを考えてしまう。

いつの間にか、自分の心の声が聞こえなくなっているのです。

心と体が悲鳴を上げる

無理を重ねていると、心と体は必ずサインを出します。

なんとなく体がだるい。眠れない。涙が止まらない。イライラする。何をしても楽しくない。

これらは、あなたの心と体からの「もう限界だよ」というメッセージかもしれません。

本当に大切なものを見失う

他人の期待に応えることに時間とエネルギーを使い続けていると、本当に大切なものに使う余力がなくなってしまいます。

自分の夢を追いかける時間。心から大切にしたい人との時間。自分自身を労わる時間。

気づいたときには、それらが遠くに行ってしまっていることもあるのです。

他人の期待から自由になるということ

それは「自分勝手になる」こととは違います

他人の期待に応えることをやめると聞くと、「自分勝手な人間になるのでは」と不安になるかもしれません。

でも、そうではないのです。

自分を大切にすることと、他人を大切にすることは、矛盾しません。むしろ、自分を大切にできない人は、本当の意味で他人を大切にすることもできないのです。

空っぽのコップからは、何も注ぐことができません。まず自分のコップを満たすことが、周りの人にも優しくできる土台になるのです。

「自分はどうしたいのか」を問い直す

他人の期待ではなく、自分自身の心に問いかけてみてください。

私は本当は何がしたいのだろう。どんな人生を送りたいのだろう。どんな自分でありたいのだろう。

最初は答えが出てこないかもしれません。長い間、自分の心の声を無視してきたのですから、当然のことです。

でも、問いかけ続けていれば、少しずつ声が聞こえるようになります。小さな「好き」や「嫌」の感覚を大切にしていくことで、自分の輪郭が見えてくるのです。

他人のゴールを生きていないか確認する

今あなたが目指しているものは、本当にあなた自身が望んでいることでしょうか。

  • 親が望んだ進路を歩んでいませんか?
  • 社会が「正しい」と言う生き方を追いかけていませんか?
  • 「普通はこうするもの」という常識に縛られていませんか?

他人のゴールをどれだけ達成しても、心は満たされません。なぜなら、それはあなたの人生ではないからです。

自分の人生を取り戻すために

自分との約束を守る

他人との約束は守るのに、自分との約束は破っていませんか?

「今日は早く寝よう」と思ったのに、結局夜更かししてしまう。「週末は好きなことをしよう」と思ったのに、頼まれごとを引き受けてしまう。

自分との約束を守ることは、自分を大切にする第一歩です。小さなことから始めてみてください。自分に「ごめんね」ではなく「ありがとう」と言える選択を重ねていくのです。

「No」を言う練習をする

断ることに罪悪感を感じる必要はありません。

あなたが「No」と言うことで、相手は別の方法を見つけます。あなたが思っているほど、相手は困らないかもしれません。そして何より、あなたには「No」と言う権利があるのです。

最初は勇気がいるかもしれません。でも、一度断ってみると、世界が崩れるわけではないことがわかります。むしろ、自分を守れた安心感が生まれるはずです。

自分に優しい言葉をかける

心の中で自分に語りかける言葉を、意識してみてください。

  • 「また失敗した」
  • 「私ってダメだな」
  • 「もっと頑張らなきゃ」

そんな言葉ばかりになっていませんか?

もし大切な友人が同じ状況にいたら、あなたはどんな言葉をかけますか?きっと、もっと優しい言葉をかけるのではないでしょうか。

その優しさを、自分自身にも向けてあげてください。

応援してくれる人のそばにいる

あなたの選択を否定する人、あなたの変化を恐れる人、あなたを「いい子」のままでいさせようとする人。そういう人からは、少し距離を置いてもいいのです。

代わりに、あなたの本当の姿を受け入れてくれる人、あなたの挑戦を応援してくれる人のそばにいてください。

環境は、私たちの心に大きな影響を与えます。あなたを大切にしてくれる人たちの中にいると、自分を大切にすることが自然にできるようになっていきます。

あなたの人生は、あなたのものです

誰かの期待に応えることで愛されようとしてきたあなた。それは、生き延びるための知恵でもあったのだと思います。

でも、もう大丈夫です。あなたは十分に頑張ってきました。

これからは、自分自身の期待に応える人生を歩んでみませんか?自分が心から望むことを選び、自分らしく生きる人生を。

あなたが「あなたらしく」いることを、誰よりもあなた自身が許してあげてください。

そのとき初めて、あなたの人生は本当の意味で始まるのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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