女性の生き方

あなたは編集者であり、筆者であり、主人公である

蓮彩聖基

人生という物語を「書いている」のは誰か

私たちは自分の人生を「起こったこと」として受け止めがちです。

  • 上司に怒られた。
  • 友人と喧嘩した。
  • 仕事がうまくいかない。

まるで自分は被害者であり、物語の中で翻弄される登場人物に過ぎないかのように。

でも、違うのです。

あなたは主人公であると同時に、その物語を紡いでいる作者でもあります。

起こった出来事そのものは変えられません。けれど、それをどう解釈し、どんな意味を与え、次の展開にどうつなげるか。

それを決めているのは、紛れもなくあなた自身なのです。

「編集」とは過去を書き換えることではない

編集者と聞くと、赤ペンで文章を直すイメージが浮かぶかもしれません。

  • 「あのときああしていれば」
  • 「もっと早く気づいていれば」

そうやって過去を悔やむことが編集だと思っていませんか?本当の編集とは、過去を変えることではありません。

「この出来事は、物語全体の中でどんな役割を果たしているのか」と問い直すこと。

それが編集者としての仕事です。

失恋は「私には価値がない証拠」ではなく、「本当に大切なものを見極めるための通過点」かもしれない。

仕事での失敗は「能力がない証拠」ではなく、「新しい道を模索するきっかけ」かもしれない。

同じ出来事でも、物語の中での位置づけが変われば、その意味はまったく違ったものになります。

あなたはどんな物語を生きたいのか

編集者として最も大切な仕事があります。それは、「この物語はどこに向かうのか」を決めること。

ゴールのない物語は、ただの出来事の羅列になってしまいます。読者を感動させる物語には、必ず「主人公が目指すもの」があります。

あなたの人生という物語には、何が描かれていますか?

  • 今の延長線上にある、予測できる未来?
  • それとも、まだ見ぬ、心が震えるような未来?

良い編集者は、主人公がまだ気づいていない可能性を見出します。「この主人公なら、もっと大きな冒険ができるはずだ」と。

あなた自身が、自分に対してそう言ってあげられていますか?

物語の「つじつま」が合わなくなるとき

面白いことに、人は自分の物語に一貫性を求めます。「私は人前が苦手な人間だ」という物語を持っていると、人前で話す機会が来ても「やっぱり無理」と避けてしまう。

「私は運が悪い人間だ」という物語を持っていると、良いことが起きても「たまたまだ」と受け流してしまう。

これまでの物語と矛盾する出来事は、無意識に「なかったこと」にされるのです。でも、編集者であるあなたには、物語の方向性を変える権限があります。

新しい章を書き始めることで、物語全体のテーマを更新できるのです。

  • 「私は本来、人とつながることが好きな人間だ」
  • 「私は、自分の道を切り拓いていける人間だ」

そう決めて、そのように章を書き始める。最初は違和感があるかもしれません。

でも、新しいテーマに沿った章を重ねていくうちに、やがて物語全体がその方向に動き始めます。

今日、どんな一行を書き加えるか

朝、目が覚めたとき。あなたの物語の新しいページが開かれています。

そこに何を書くかは、あなた次第です。今日一日を「いつもと同じ日」として過ごすこともできます。でも、編集者として意識的に「この章にはこれを書く」と決めることもできる。

大きなことでなくていいのです。

  • 今日、誰かに感謝を伝える。
  • 今日、ずっと気になっていたことに着手する。
  • 今日、自分を責める代わりに、労いの言葉をかける。

そのひとつひとつが、物語の流れを少しずつ変えていきます。

「最高の章」は誰かの基準で決まるものではない

「最高の章を書け」と言われると、身構えてしまうかもしれません。

  • 成功しなければいけない。
  • 華やかでなければいけない。
  • 誰かに認められなければいけない。

そんなふうに思っていませんか?

最高の章とは、あなた自身が「これを生きた」と思える章のこと。

世間から見れば平凡でも、あなたにとってかけがえのない一日であればいい。誰にも気づかれなくても、自分の心に正直に生きた一日であればいい。

他人の物語と比べる必要はありません。あなたの物語は、あなたにしか書けないのですから。

物語は、今この瞬間も紡がれている

この文章を読んでいる今この瞬間も、あなたの物語は進んでいます。

  • 何かに心を動かされた。
  • 新しい視点を得た。
  • 自分の可能性を感じた。

そのすべてが、物語の一部になっています。

あなたは、ずっと物語の外側にいたわけではありません。

気づいていなかっただけで、ずっと編集者として、筆者として、物語を紡いできたのです。違いがあるとすれば、それは「意識的に書くか、無意識に流されるか」だけ。

ペンは、すでにあなたの手の中にある

最後に、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。あなたには、いつでも物語を書き直す力があるということ。

  • どんな過去があっても。
  • どんな状況にいても。
  • どんな自分だと思い込んでいても。

次の一行をどう書くかは、あなたが決められる。

ペンは、すでにあなたの手の中にあります。

今日、あなたはどんな章を書き加えますか?

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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