女性の生き方

人生という物語を「書いている」のは誰か|あなたは主人公であり編集者である

蓮彩聖基

自分の人生を「起こったこと」として受け止めていませんか

私たちは自分の人生を「起こったこと」として受け止めがちです。

上司に怒られた。友人と喧嘩した。仕事がうまくいかない。

まるで自分は被害者であり、物語の中で翻弄される登場人物に過ぎないかのように感じてしまうことがあります。

でも、違うのです。

あなたは主人公であると同時に、その物語を紡いでいる作者でもあります。

起こった出来事そのものは変えられません。けれど、それをどう解釈し、どんな意味を与え、次の展開にどうつなげるか。それを決めているのは、紛れもなくあなた自身なのです。

無意識の「編集」が人生をつくっている

私たちのマインドは、毎瞬毎瞬、膨大な情報を処理しています。その中から何を「重要」と判断し、何を「無視」するかは、あなたの中にある基準によって決まります。

この基準こそが、あなたの物語をどう編集するかを決めているのです。

同じ出来事を経験しても、ある人は「チャンス」と捉え、別の人は「災難」と捉えます。この違いを生み出しているのは、出来事そのものではなく、あなたの内側にある「物語の編集方針」 です。

本当の「編集」とは過去を書き換えることではない

編集者と聞くと、赤ペンで文章を直すイメージが浮かぶかもしれません。

「あのときああしていれば」「もっと早く気づいていれば」

そうやって過去を悔やむことが編集だと思っていませんか?

出来事の「位置づけ」を変える力

本当の編集とは、過去を変えることではありません。

「この出来事は、物語全体の中でどんな役割を果たしているのか」と問い直すこと。

それが編集者としての仕事です。

失恋は「私には価値がない証拠」ではなく、「本当に大切なものを見極めるための通過点」かもしれない。

仕事での失敗は「能力がない証拠」ではなく、「新しい道を模索するきっかけ」かもしれない。

同じ出来事でも、物語の中での位置づけが変われば、その意味はまったく違ったものになります。

解釈が変われば現実が変わる

私たちの脳は、自分が「真実だ」と信じている物語に一致する情報を集め、矛盾する情報は無意識に排除します。

これは心理的盲点(スコトーマ)と呼ばれる現象です。

つまり、あなたがどんな物語を自分に語っているかによって、見える世界そのものが変わってしまう のです。

「私は運が悪い」という物語を持っていれば、良いことが起きても「たまたま」と処理されます。「私には可能性がある」という物語を持っていれば、チャンスが目に飛び込んでくるようになります。

あなたはどんな物語を生きたいのか

編集者として最も大切な仕事があります。それは、「この物語はどこに向かうのか」を決めること です。

ゴールのない物語は、ただの出来事の羅列になってしまいます。読者を感動させる物語には、必ず「主人公が目指すもの」があります。

今の延長線上か、心が震える未来か

あなたの人生という物語には、何が描かれていますか?

今の延長線上にある、予測できる未来?それとも、まだ見ぬ、心が震えるような未来?

良い編集者は、主人公がまだ気づいていない可能性を見出します。「この主人公なら、もっと大きな冒険ができるはずだ」と。

あなた自身が、自分に対してそう言ってあげられていますか?

ゴールが物語の方向を決める

行き先が決まっていない船は、どんなに力強く漕いでも港にたどり着けません。

人生も同じです。

本当に達成したいゴールを持つことで、脳は自然とそこに向かうための情報を集め始めます。 必要な人との出会い、役立つ情報、思いがけないチャンス。それらは実は昨日も今日もそこにあったのに、見えていなかっただけかもしれません。

物語の「つじつま」が合わなくなるとき

面白いことに、人は自分の物語に一貫性を求めます。

「私は人前が苦手な人間だ」という物語を持っていると、人前で話す機会が来ても「やっぱり無理」と避けてしまう。

「私は運が悪い人間だ」という物語を持っていると、良いことが起きても「たまたまだ」と受け流してしまう。

無意識が物語を守ろうとする

これまでの物語と矛盾する出来事は、無意識に「なかったこと」にされるのです。

これはホメオスタシス(恒常性維持機能) と呼ばれる働きです。私たちの心には、現状を維持しようとする力が備わっています。

だから、急に「私は自信に満ちた人間だ」と思おうとしても、無意識が「いや、今までの私はそうじゃなかったはず」と引き戻そうとします。

新しい章を書き始める勇気

でも、編集者であるあなたには、物語の方向性を変える権限があります。

新しい章を書き始めることで、物語全体のテーマを更新できるのです。

  • 「私は本来、人とつながることが好きな人間だ」
  • 「私は、自分の道を切り拓いていける人間だ」

そう決めて、そのように章を書き始める。最初は違和感があるかもしれません。

でも、新しいテーマに沿った章を重ねていくうちに、やがて物語全体がその方向に動き始めます。これがセルフイメージの書き換え です。

今日、どんな一行を書き加えるか

朝、目が覚めたとき。あなたの物語の新しいページが開かれています。

そこに何を書くかは、あなた次第です。

意識的に「書く」ということ

今日一日を「いつもと同じ日」として過ごすこともできます。でも、編集者として意識的に「この章にはこれを書く」と決めることもできる。

大きなことでなくていいのです。

  • 今日、誰かに感謝を伝える
  • 今日、ずっと気になっていたことに着手する
  • 今日、自分を責める代わりに、労いの言葉をかける

そのひとつひとつが、物語の流れを少しずつ変えていきます。

セルフトークが物語を紡ぐ

私たちは一日に数万回、自分自身に語りかけています。このセルフトークこそが、あなたの物語を書いているペンです。

「どうせ私には無理」と語りかけるか、「私ならできる」と語りかけるか。その積み重ねが、あなたの物語の方向を決めています。

「最高の章」は誰かの基準で決まるものではない

「最高の章を書け」と言われると、身構えてしまうかもしれません。

成功しなければいけない。華やかでなければいけない。誰かに認められなければいけない。

そんなふうに思っていませんか?

あなた自身の基準で生きる

最高の章とは、あなた自身が「これを生きた」と思える章のこと。

世間から見れば平凡でも、あなたにとってかけがえのない一日であればいい。誰にも気づかれなくても、自分の心に正直に生きた一日であればいい。

他人の物語と比べる必要はありません。あなたの物語は、あなたにしか書けないのですから。

他者の評価から自由になる

他人の目を気にして書いた物語は、どこか窮屈で、本当の自分から離れていきます。

あなたの人生の読者は、まず何よりもあなた自身です。自分が心から納得できる物語を紡ぐこと。 それが、結果として周りの人にも伝わる力を持つのです。

ペンは、すでにあなたの手の中にある

この文章を読んでいる今この瞬間も、あなたの物語は進んでいます。

何かに心を動かされた。新しい視点を得た。自分の可能性を感じた。

そのすべてが、物語の一部になっています。

「気づく」ことから始まる

あなたは、ずっと物語の外側にいたわけではありません。

気づいていなかっただけで、ずっと編集者として、筆者として、物語を紡いできたのです。違いがあるとすれば、それは「意識的に書くか、無意識に流されるか」 だけ。

次の一行は、あなたが決める

あなたには、いつでも物語を書き直す力があります。

どんな過去があっても。どんな状況にいても。どんな自分だと思い込んでいても。

次の一行をどう書くかは、あなたが決められる。ペンは、すでにあなたの手の中にあります。今日、あなたはどんな章を書き加えますか?

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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