女性の生き方

何をしても満たされない原因|心の空虚感を埋める本質的な方法

蓮彩聖基

手に入れても消えない「足りなさ」の正体

欲しかったものを手に入れた。目標を達成した。周りからは「すごいね」と言われる。

それなのに、心のどこかに空洞がある。「もっと何かが必要なはず」という感覚が消えない。

この「足りない」という感覚は、外側に何かを足しても埋まらないものです。なぜなら、その正体は外側の欠乏ではなく、内側の自己イメージやブリーフシステム(信念体系)にあるからです。

「私はまだ十分ではない」「もっと頑張らないと認められない」という無意識の信念が、どれだけ満たされても「足りない」と感じさせ続けます。

なぜ「もっと」を求め続けてしまうのか

幼少期に刻まれた「条件付きの愛」

多くの場合、「足りない」という感覚の根っこは幼少期にあります。

「良い子にしていたら愛される」「成績が良ければ認められる」という体験を繰り返すうちに、無意識は「条件を満たさなければ価値がない」という信念を形成します。

この信念は、大人になっても形を変えて働き続けます。仕事で成果を出さなければ存在価値がない。人の役に立たなければ必要とされない。そうやって、常に「何かを満たす」ことで自分の価値を証明しようとするのです。

外側を満たしても内側は変わらない

新しいバッグを買っても、昇進しても、SNSでいいねがたくさんついても、一時的な満足感はすぐに消えてしまいます。

これは、外側の出来事と内側のセルフイメージが連動していないからです。

セルフイメージとは、「自分はこういう人間だ」という無意識レベルの自己認識のこと。このセルフイメージが「私は足りない存在」のままでは、どれだけ外側を満たしても、脳はその認識に合わせた現実を作り続けます。

「足りない」を生み出すブリーフシステム

信念は相互に補強し合う

ブリーフシステムとは、複数の信念が組み合わさって作られた心のシステムです。個々の信念はバラバラではなく、相互に関連し合って一つの世界観を形成しています。

たとえば、「私は足りない」という信念を持っていると、こんな連鎖が生まれます。

  • 「私は足りない」→「だからもっと頑張らなければ」→「休むことは怠けだ」→「自分を甘やかしてはいけない」

この信念体系の中にいる限り、休息を取っても罪悪感を覚え、達成しても「まだ足りない」と感じ、褒められても素直に受け取れません。

信念は「当たり前」として働く

厄介なのは、このブリーフシステムが無意識で働いていることです。

「もっと頑張らなければ」と思うのは、本人にとっては「当たり前の考え方」に過ぎません。だから、それが自分を苦しめているとは気づかないのです。

あなたの中にある「当たり前」を疑ってみてください。「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」という言葉が浮かんだら、それはブリーフシステムの一部かもしれません。

セルフエスティームと「足りなさ」の関係

存在の価値を条件で測っていないか

セルフエスティームとは、自分自身の価値に対する自己評価のこと。「私は価値ある存在だ」と感じられる度合いです。

これは何かができるから価値があるのではなく、存在そのものに価値があるという感覚です。

セルフエスティームが低いと、常に「何かをして」自分の価値を証明しなければならなくなります。成果を出す、人に認められる、役に立つ。そうやって外側からの評価で自分の存在意義を確認し続けるのです。

でも、外側からの評価は不安定です。今日褒められても明日は批判されるかもしれない。だから永遠に「足りない」のです。

他人の評価に依存するとき

他人の目を気にして行動を決めていませんか?

「これをしたら何て思われるだろう」「あの人に認められたい」という思考パターンは、自分の価値基準を他者に委ねている状態です。

他者に評価基準を預けている限り、自分で「満たされた」と決めることができません。誰かが「十分だよ」と言ってくれるのを待ち続けることになります。

「ゴールがない」という本当の問題

満たされないのはゴールが見えていないから

実は、「何をしても満たされない」という感覚の多くは、本当のゴールがない状態から生まれています。

ゴールとは、心から達成したいと思う未来のこと。「できたらいいな」という受動的な希望ではなく、「私はこうなる」という能動的な意志です。

本当のゴールがないと、脳は「何を目指せばいいかわからない」状態になります。すると、周囲の期待や社会の常識に合わせて「とりあえずの目標」を設定することになります。

昇進、結婚、年収アップ。それらは確かに目標かもしれませんが、あなたが心から望んでいることですか?

他人のゴールを生きていないか

「こうあるべき」「これが普通」という社会の価値観に沿って生きていると、達成しても満たされません。

なぜなら、それは他人のゴールだからです。自分の内側から湧き上がったものではなく、外側から与えられた基準に過ぎません。

他人のゴールを達成しても、心の深い部分は「これは私が本当に望んでいたことじゃない」と知っています。だから、達成しても虚しさが残るのです。

「足りない」から「満たされている」への転換

視点を変える:すでに持っているものを見る

「足りない」という感覚は、持っていないものに意識を向けている状態です。

人間の脳には、重要だと認識した情報だけを意識に上げる仕組みがあります。「足りない」と思っていると、脳は「足りないこと」を探し続けます。すると、実際に持っているものが見えなくなるのです。

試しに、今あなたが持っているものを書き出してみてください。健康、住む場所、大切な人との関係、仕事、学んできたこと。当たり前だと思っているものの中に、かつては望んでいたものがあるはずです。

「私は価値ある存在」という土台を育てる

満たされない感覚から抜け出すには、セルフエスティームという土台を育てることが不可欠です。

自分に優しい言葉をかけることから始めてみてください。

  • 「よく頑張っているね」
  • 「今日も一日を終えられた」
  • 「失敗しても大丈夫」。

こうした言葉を繰り返すことで、少しずつ「条件なしで自分には価値がある」という感覚が育っていきます。

心から望むゴールを設定する

本当に満たされた状態とは、自分が心から望むゴールに向かって生きている状態です。

それは、誰かに認められるためではなく、自分自身が「これをしたい」と感じることです。仕事、人間関係、趣味、学び、社会貢献。人生のさまざまな領域で、自分だけのゴールを持つこと。

ゴールが明確になると、「足りない」という感覚は「向かっている」という感覚に変わります。まだ到達していなくても、自分が選んだ道を歩いているという充実感があります。

満たされない自分を責めないで

「足りない」と感じる自分を責める必要はありません。

その感覚は、幼少期からの経験や、社会の価値観の中で形成されてきたものです。あなたが悪いわけではないのです。

大切なのは、その感覚に気づき、「これは本当に私の信念なのか」と問いかけること。そして、自分の価値を外側に求めるのではなく、内側に見出していくこと。

あなたは、何かを達成しなくても、誰かに認められなくても、すでに価値ある存在です。

その真実に気づいたとき、「足りない」という感覚は静かに薄れてきます。そして、本当の意味で満たされた人生が始まるのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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