女性の生き方

無意識の選択を変える方法|アティテュードで理想の未来へ

蓮彩聖基

カフェでの選択に隠された真実

「コーヒーにしますか?紅茶にしますか?」

カフェでそう聞かれたとき、あなたはどれくらい考えて答えているでしょうか?

おそらく、ほとんど考えていないはずです。「コーヒーで」「紅茶をお願いします」と、反射的に口から出てくる。その選択には、意識的な思考がほとんど介在していません。

実はこの何気ない選択の中に、あなたの人生全体を方向づけている重要なメカニズムが隠されています。それがアティテュードと呼ばれるものです。

アティテュードとは何か

無意識の判断・選択・態度

アティテュードとは、無意識の判断・選択・態度のことです。意識が追いつく前に、一瞬で処理される無意識の反応パターンと言い換えることもできます。

私たちは日々、膨大な数の選択を行っています。

  • 何を食べるか
  • どの道を通るか
  • 誰に話しかけるか
  • どの仕事から手をつけるか

そのすべてを意識的に考えていたら、脳はすぐにパンクしてしまうでしょう。だからこそ、脳は効率化のために多くの判断を無意識に委ねています。これ自体は、生きていく上で必要な機能なのです。

判断基準は過去の体験によって形成される

問題は、この無意識の判断基準が過去の体験によって形成されているということです。そして、その基準が必ずしもあなたの理想の未来に向かうものとは限らないのです。

情動記憶があなたのアティテュードを形作る

強い感情を伴った体験の記憶

アティテュードの判断基準となっているのは、情動記憶です。情動記憶とは、強い感情を伴った体験の記憶のこと。

  • 喜び
  • 悲しみ
  • 恐怖
  • 恥ずかしさ
  • 安心感

こうした感情とセットで刻まれた記憶は、普通の記憶とは違い、何年経っても鮮明に残り続けます。

たとえば、過去にコーヒーを飲んで胃がひどく痛くなった経験があったとします。その時の「苦しい」「嫌だ」という強い感情が情動記憶として刻まれると、脳は自動的にコーヒーを「避けるべきもの」として判断するようになります。

カフェで「コーヒーにしますか?」と聞かれた瞬間、あなたが意識的に考える前に、無意識が「紅茶で」という答えを導き出している。これがアティテュードの働きなのです。

無意識は「繰り返したくない」を覚えている

なぜ情動記憶がこれほど強く私たちの選択に影響するのでしょうか?

それは、ネガティブな体験を繰り返したくないという本能的な欲求があるからです。脳にとって、苦痛や危険を避けることは生存に直結する重要事項です。だからこそ、一度「嫌だ」と感じた体験は、二度と同じ思いをしないように無意識の判断基準に組み込まれていきます。

この仕組みは、私たちを守るために機能しています。熱いものに触れて火傷した経験があれば、次からは無意識に熱いものを避けるようになる。これは生きていく上で必要な学習です。

しかし、この同じ仕組みが、あなたの可能性を狭めてしまうこともあるのです。

ブリーフシステムとアティテュードの関係

情動記憶が信念となり体系化される

情動記憶は、やがて信念として定着していきます。そして、複数の信念が集まって形成されるのがブリーフシステム——信念の体系です。

たとえば、幼い頃に人前で発言して笑われた経験があったとします。その時の「恥ずかしい」「怖い」という情動記憶が、「人前で意見を言うと恥をかく」という信念を生み出します。

その信念は、さらに別の信念と結びついていきます。

  • 「目立たない方が安全だ」
  • 「自分の考えは大したことがない」
  • 「発言すると否定される」

こうして、ひとつの世界観が形成されていくのです。

ブリーフシステムが無意識の判断基準を支配する

こうして形成されたブリーフシステムが、あなたのアティテュードを支配するようになります。

会議で発言を求められたとき、「ここで意見を言おう」と意識的に思う前に、無意識が「黙っておいた方がいい」という判断を下している。新しいプロジェクトに手を挙げるチャンスが来ても、「私には無理」という選択が自動的に行われている。

あなたが「どうしてもできない」「なぜか行動できない」と感じるとき、そこには無意識のアティテュードが働いている可能性が高いのです。

ゴールの実現を妨げるアティテュード

過去に形成された判断基準の限界

ここで考えてみてほしいことがあります。

今のあなたが持っているアティテュードは、これまでの人生で形成されたものです。過去の体験、過去の環境、過去の自分が作り上げた判断基準。それは、過去の自分を守るためには有効だったかもしれません。

でも、あなたが目指しているのは理想の未来ではないでしょうか?

現状の外側のゴールに向かうときブレーキになる

現状の外側にあるゴール——今の自分では達成方法がわからないような大きな目標——に向かうとき、過去に形成されたアティテュードがブレーキになることがあります。

  • 「新しいことに挑戦したいのに、なぜか踏み出せない」
  • 「やりたいことがあるのに、いつも後回しにしてしまう」
  • 「チャンスが来ても、自分には無理だと感じてしまう」

こうした状態は、あなたの意志が弱いからではありません。過去の情動記憶によって形成されたアティテュードが、現状を維持しようとしているのです。

アティテュードは書き換えられる

新しいポジティブな情動記憶を刻む

ここで重要なことをお伝えします。アティテュードは書き換えることができます

無意識の判断基準は、新しいポジティブな情動記憶を刻むことで更新していくことが可能なのです。脳には可塑性があり、新しい経験や学習によって物理的に変化していきます。

つまり、あなたは今からでも、ゴールの実現に向けた新しいアティテュードを育てていくことができるのです。

では、具体的にどのようにアティテュードを書き換えていけばよいのでしょうか?

自分のアティテュードを点検する

無意識の選択パターンに気づく

まず必要なのは、自分が今どんなアティテュードを持っているかに気づくことです。

無意識に行われていることを意識に上げることで、初めてコントロールが可能になります。日常の中で、こんな瞬間に注目してみてください。

  • 何かを選ぶとき、反射的に「こっち」と決めている場面
  • 新しいことに対して、考える前に「やめておこう」と感じる瞬間
  • 特定の状況で、決まって同じパターンの反応をしている自分
  • 「なぜかわからないけど苦手」「理由はないけど避けてしまう」と感じるもの

これらは、過去の情動記憶によって形成されたアティテュードのサインです。

ゴールを基準に評価する

自分のアティテュードに気づいたら、次はそれをゴールを基準に評価します。

コーヒーが苦手、紅茶が苦手——そうした日常の些細な好みは、ゴールの実現にほとんど影響しないかもしれません。無理に変える必要はないでしょう。

しかし、次のようなアティテュードがあなたのゴール達成の妨げになっているとしたら?

  • 「人前で話すのが苦手」
  • 「新しい人間関係を築くのが億劫」
  • 「自分をアピールすることに抵抗がある」

大切なのは、すべてを自分の都合よく変えることではありません。「ゴールにとって必要なアティテュードは何か」という視点で考えることです。

自分に問いかけてみてください。

  1. このアティテュードは、私のゴール実現にプラスになっているか?
  2. このアティテュードがあることで、チャンスを逃していないか?
  3. このアティテュードを変えることで、どんな可能性が開けるか?

こうした問いを通じて、書き換えるべきアティテュードを特定していきます。

新しいアティテュードを組み込む

既存のネガティブなアティテュードを変える

アティテュードの書き換えには、大きく分けて二つのアプローチがあります。

一つ目は、既存のネガティブなアティテュードをポジティブなものに変えること。

たとえば、「人前で話すと恥をかく」という情動記憶に基づくアティテュードがあるとします。これを変えるには、新しいポジティブな情動記憶を刻む必要があります。

  • 人前で話してうまくいった体験
  • 聞いてもらえた喜び
  • 伝わった達成感

そうした感情を伴う体験を重ねることで、無意識の判断基準は徐々に更新されていきます。

実際の体験がなくても、ビジュアライゼーション(理想の場面を五感と感情を使ってリアルにイメージすること)を繰り返すことで、脳に新しい情動記憶を刻むことができます。脳は、現実の体験と臨場感の高いイメージを区別することが苦手だからです。

ゴールに向けて新しいアティテュードを取り入れる

二つ目は、ゴールに向けて新しいアティテュードを取り入れること。

あなたのゴールを実現するために必要な判断基準は何でしょうか?ゴールを達成した自分は、どんな場面でどんな選択をしているでしょうか?

その理想の自分の選択パターンを、今から意識的に取り入れていくのです。最初は意識的な努力が必要かもしれません。でも、繰り返すうちに、それは新しいアティテュードとして無意識に組み込まれていきます。

意識に上げることで選択をコントロールする

気づくだけでストップをかけられる

アティテュードの書き換えには時間がかかります。でも、今すぐできることもあります。

それは、無意識に行われている判断を意識に上げるということ。

「私は今、無意識にこの選択をしようとしている」と気づくだけで、その選択にストップをかけることができます。そして、「ゴールに向かう選択は何か?」と問い直すことで、意識的に違う選択をすることが可能になります。

新しい選択パターンが定着していく

これを繰り返していくうちに、新しい選択パターンが情動記憶として定着し、やがて無意識のアティテュードとなっていくのです。

ゴールの世界に向かうアティテュードを育てる

あなたの人生は、無数の選択の積み重ねでできています。そして、その選択の多くは、無意識のアティテュードによって行われています。

過去の体験によって形成されたアティテュードが、過去の自分を守っていたことは事実です。でも、あなたは今、過去とは違う未来に向かおうとしている。

だからこそ、ゴールの世界にふさわしいアティテュードを、今から意識的に育てていく価値があるのです。

  • 自分のアティテュードを点検する
  • ゴールを基準に評価する
  • ポジティブなイメージで新しいアティテュードを組み込んでいく
  • 無意識に任せきりにしていた選択を、意識的にコントロールできるようにしていく

この取り組みを続けることで、あなたの無意識は少しずつゴール側の世界に向かうように書き換わっていきます。

そして、「自然とゴールに向かう選択ができている自分」に気づく日が来るでしょう。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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