意識を向けた先に、現実は創られる
あなたは今、何に意識を向けて生きていますか?
もしかすると、「特に意識していることはない」と感じるかもしれません。
けれど実は、私たちの脳は常に、何かに意識を向け続けています。
そして、その「向け先」によって、見える世界がまったく変わり、人生の方向性そのものが決まっていくのです。
この記事では、意識の向け先が人生をどのように形づくるのか、そしてどうすれば望む未来に意識を向けられるのかについてお伝えします。
脳は「重要だと思うもの」しか認識しない
日常に潜む認識の変化
まず、私たちの脳に備わっている、ある興味深い機能についてお話しします。
それは、重要だと判断した情報だけを選択的に認識し、それ以外の情報は無意識のうちに排除するという機能です。
この現象は、日常のちょっとした変化で誰もが体験しています。
たとえば、こんな経験はないでしょうか。
- 新しい趣味を始めたら、関連する情報が急に目に入るようになった
- 欲しいと思った商品が、街中でやたらと目につくようになった
- 誰かに教えてもらった言葉が、その後何度も耳に入ってくるようになった
これらはすべて、あなたの脳が「これは重要だ」と判断した瞬間に起こる変化です。
赤ちゃんとベビーカーの話
もっと分かりやすい例を挙げましょう。
子どもが生まれた人は、世の中に赤ちゃん連れの人が急に増えたように感じることがあります。
ベビーカーを押している人、抱っこ紐をつけている人——どこに行っても目に入るようになります。
でも、実際には赤ちゃんの数が急に増えたわけではありません。
あなたの脳が、赤ちゃん関連の情報を「重要」と判断したから、認識できるようになっただけなのです。
それまでも同じ場所に同じ数のベビーカーはあったのに、あなたの意識には入っていませんでした。
RAS:脳の情報フィルター機能
この仕組みは、脳のRAS(Reticular Activating System:網様体賦活系)という機能が関わっています。
RASは、膨大な情報の中から「重要なもの」だけを選び取り、意識に届けるフィルターのような役割を果たしています。
もしこのフィルターがなければ、私たちは毎瞬ごとに押し寄せる無数の情報に圧倒され、何も判断できなくなってしまうでしょう。
RASのおかげで、私たちは必要な情報だけに集中できるのです。
スコトーマ:見えなくなる情報
心理的盲点という現象
ここで、もうひとつ重要な概念をお伝えします。それがスコトーマ(心理的盲点)です。
スコトーマとは、脳が「重要ではない」と判断した情報が、文字通り見えなくなってしまう現象を指します。
先ほどのベビーカーの例で言えば、子どもが生まれる前は、ベビーカーはあなたのスコトーマの中にあったのです。
存在しているのに、認識されない——それがスコトーマです。
スコトーマは常に存在している
興味深いことに、スコトーマは誰にでも、常に存在しています。つまり、あなたの目の前には、あなたが認識していない情報が無数に存在しているのです。
そして、その中には、あなたの人生を変えるような重要な情報が含まれている可能性もあります。けれど、脳が「重要ではない」と判断している限り、それは永遠に見えないままなのです。
意識を向ける先が、人生の方向を決める
現状にロックオンすると何が起こるか
ここまでの話を踏まえて、考えてみてください。もしあなたが、今の生活、今の環境、今の自分に意識を向け続けていたら、どうなるでしょうか。
脳は「現状を維持すること」を重要だと判断し、現状維持に関連する情報ばかりを拾い集めるようになります。
そして、現状を変えるための情報や可能性は、すべてスコトーマの中に隠れてしまうのです。
これが、「変わりたいのに変われない」という状態の正体です。
ゴールにロックオンすると何が起こるか
一方で、もしあなたが明確なゴール(なりたい姿・実現したい未来)を持ち、そこに意識を向け続けていたらどうでしょうか。
脳は「ゴールを達成すること」を重要だと判断し、ゴールに関連する情報を次々と拾い集めるようになります。
- ゴールに近づくためのヒント
- 必要な人との出会い
- 活用できるリソース
- 取るべき行動
これらの情報が、まるで向こうから現れるかのように、あなたの意識に入ってくるようになるのです。
ゴールへ向かう循環が生まれる
情報→選択→行動→現実の変化
ゴールに意識を向けることで、次のような好循環が生まれます。
①:情報が見えるようになる
ゴールに関連する情報が、スコトーマが外れて認識できるようになります。
②:選択肢が増える
見える情報が増えることで、取れる行動の選択肢が広がります。
③:ゴールに向かう行動を取る
選択肢の中から、ゴールに近づく行動を選び、実行できます。
④:現実が変わり始める
行動によって、現実が少しずつゴール側に動いていきます。
⑤:さらに情報が見えるようになる
ゴールに一歩近づくと、さらに次の情報が見えるようになります。
この循環が回り続けることで、あなたの人生は確実にゴールへと向かっていきます。
理論ではなく、体感する変化
これは単なる理論ではありません。
実際にゴールを設定し、意識を向け続けた人は、この循環を体感として実感しています。
「不思議なタイミングで必要な人に出会えた」
「探していた情報が突然目に入った」
「以前は気づかなかった選択肢が見えるようになった」
こうした体験は、脳の情報選択メカニズムが働いている証拠なのです。
意識を向ける先を、自分で選ぶ
無意識に現状を選んでいないか
ここで、もう一度問いかけてみてください。あなたは今、何に意識を向けているでしょうか?
もし特に意識していないとしたら、脳は自動的に「慣れ親しんだ現状」に意識を向けています。
それは、脳にとって最もエネルギー消費の少ない、安全な選択だからです。
意識的にゴールを選ぶ
けれど、あなたには選択する力があります。何に意識を向けるかは、あなた自身が決められるのです。そのために必要なのが、現状の外のゴール設定です。
ゴールとは心から成し遂げたいと思う、自分の未来のことです。
誰に止められても成し遂げたいと思えるもので、達成方法がわからないものがゴールなのです。
日常の中で意識を向ける実践法
ゴールを視覚化する
ゴールに意識を向け続けるために、視覚化(ビジュアライゼーション)が非常に有効です。
- ゴールを達成した自分の姿を、できるだけ具体的にイメージする
- そのときの感情や、周囲の環境まで感じてみる
- 朝起きたときや、夜寝る前に、このイメージを思い浮かべる
これを習慣にすることで、現状の自分に違和感を感じゴールへ自然に行動がされていきます。
言葉で確認する
言葉にすることも、意識を定着させる力になります。
「私は〇〇を達成している」「私は〇〇として生きている」
こうしたアファメーション(肯定的なことば)を声に出すことで、ゴールへの意識がより強化されます。
小さな選択を意識する
日常の中で何かを選ぶとき、「これはゴールに近づく選択か?」と自分に問いかけてみてください。
- 今日何を学ぶか
- 誰と時間を過ごすか
- どんな情報に触れるか
小さな選択の積み重ねが、あなたの人生の方向性を決めていきます。
現状の外側に、意識を解き放つ
ぶっ飛んだゴールでいい
ゴールは、「現実的かどうか」を気にする必要はありません。
むしろ、今の自分からは想像もつかないような、ぶっ飛んだゴールを設定してください。
なぜなら、現状の延長線上にあるゴールでは、脳は「すでに知っている情報」しか拾わないからです。
現状の外側にゴールを設定することで、初めて今まで見えなかった可能性がスコトーマから外れるのです。
人生は、意識次第で変わる
最後にお伝えしたいのは、あなたの人生は、あなたの意識次第でいくらでも変えられるということです。
脳の仕組みを理解し、意識を向ける先を選ぶ。
それだけで、見える世界は変わり、取れる行動が変わり、人生の流れが変わっていきます。
あなた自身が心から望む未来に、意識を向けてください。そして、その未来に向かって一歩ずつ進んでいってください。
あなたの脳は、あなたが選んだ方向へと、必ず導いてくれます。
意識を向けた先に、人生は開かれる
あなたが意識を向けるものが、あなたの現実を創り出しています。
この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。
- 脳はRASによって、重要だと判断した情報だけを認識する仕組みを持っている
- スコトーマ(心理的盲点)によって、重要でないと判断された情報は見えなくなる
- 現状に意識を向けると現状維持の情報ばかりを拾い、ゴールに意識を向けるとゴール達成の情報を拾うようになる
- ゴールに意識を向け続けることで、情報→選択→行動→現実変化の好循環が生まれる
何に意識を向けるかは、あなた自身が選べます。現状に縛られるのではなく、あなたが心から望む未来に意識を向けてください。
そうすれば、あなたの脳は、その未来を実現するための道を、必ず照らし出してくれます。あなたの人生は、あなたが意識を向けた先に、開かれていくのです。
