なぜ、同じパターンを繰り返してしまうの? 無意識の反応を変える方法

kokihasutami

いつも同じ反応をしてしまう自分に気づいていますか?

「人前に出ると、緊張で声が震えてしまう」
「初対面の人がいると、なぜか距離を置いてしまう」
「大切な場面で、いつも逃げ出したくなる」

こんなふうに、頭では「堂々としたい」「もっと積極的になりたい」と思っているのに、いつも同じ反応をしてしまうこと、ありませんか?

そんな時、私たちはつい「性格だから仕方ない」「変われない自分が情けない」と諦めてしまいます。

でも、実は違うのです。

あなたの無意識の反応パターンである「アティテュード」が、自動的にその行動を選んでいるだけなのです。

そして、このアティテュードは、変えることができます。

今日は、無意識の反応を変えて、自然となりたい自分になっていく方法をお伝えしていきますね。

アティテュードとは?

アティテュードとは、無意識の判断・選択・態度のことです。

私たちが何かに反応するとき、意識的に考える前に、無意識がすでに判断し、選択し、態度を決めています。

意識より先に、無意識が反応している

たとえば、人前に出た瞬間、体が緊張する。

初対面の人を前にした瞬間、距離を取ってしまう。

これらは、あなたが意識的に「緊張しよう」「距離を取ろう」と考える前に、無意識が瞬間的に判断し、体が反応しているのです。

これが、アティテュードの働きです。

アティテュードは一瞬で処理される

アティテュードの特徴は、意識が追いつく前に一瞬で処理されることです。

「どうしようかな」と考える間もなく、無意識が判断し、体が動きます。

だから、「やめよう」と思っても、もう体は反応してしまっているのです。

アティテュードはどうやって作られるの?

アティテュードの基準になっているのは、情動記憶です。

情動記憶とは、強い感情を伴って記憶された体験のことです。

ポジティブな情動記憶は、接近行動を生む

過去に「嬉しい」「楽しい」「気持ちいい」といったポジティブな感情と結びついた体験があると、無意識はその対象に近づこうとします。

たとえば、人前で話して拍手をもらった経験があれば、「人前=嬉しい」という情動記憶が刻まれ、人前に出ることに抵抗がなくなります。

無意識が「近づきたい」と判断するからです。

ネガティブな情動記憶は、回避行動を生む

一方で、「苦しい」「痛い」「恥ずかしい」といったネガティブな感情と結びついた体験があると、無意識はその対象から遠ざかろうとします。

たとえば、人前で話して笑われた経験があれば、「人前=恥ずかしい」という情動記憶が刻まれ、人前に出ることを避けるようになります。

無意識が「遠ざかりたい」と判断するからです。

無意識は瞬間的に判断する

無意識は、論理的に考えたり、時間をかけて選択肢を吟味したりはしません。

情動記憶という基準に照らし合わせて、瞬間的に判断しています。

「この状況=過去のあの感情」

この結びつきだけで、接近するか回避するかを決めているのです。

なぜ、頭ではわかっているのに反応が変わらないのか

「人前で堂々と話せるようになりたい」
「初対面の人とも自然に話せるようになりたい」

頭ではわかっている。

でも、いざその場面になると、体が緊張してしまう。距離を取ってしまう。

それは、あなたの意志の問題ではありません。

あなたのアティテュードが、その状況に対して「回避」を選んでいるからです。

アティテュードは、意識より強い

どれだけ意識的に「堂々としよう」と思っても、無意識のアティテュードが「危険だ、避けよう」と判断していたら、体は反応してしまいます。

なぜなら、無意識の判断は意識よりも速く、強いからです。

意識が「こうしたい」と思う前に、無意識がすでに体を動かしているのです。

望ましくないアティテュードは、ゴール達成のブレーキになる

もし、あなたが「人前で堂々と話せる自分になりたい」と思っているのに、アティテュードが「人前=恥ずかしい、避けたい」と判断していたら、その自分には近づけません。

無意識が、自動的にブレーキをかけ続けるからです。

逆に、アティテュードが「人前=楽しい、近づきたい」と判断していたら、ゴールに向かう行動が自然に促されます。

無意識が、自動的にアクセルを踏んでくれるのです。

アティテュードを変える方法

では、どうすればアティテュードを変えることができるのでしょうか?

答えは、新しいポジティブな情動記憶を刻むことです。

未来の記憶を作る

アティテュードは、過去の情動記憶によって作られました。

ならば、新しい情動記憶を作れば、アティテュードは書き換えられます。

そのために必要なのが、未来の記憶です。

未来の記憶とは、まだ起こっていない出来事を、まるですでに体験したかのように感じること。

脳は、現実の体験と、臨場感の高いイメージを区別することが苦手です。

だから、ゴールを達成した未来を何度も鮮やかにイメージし、その時に感じる感情を味わうことで、脳は「すでに体験した」と判断するのです。

感情を、今味わう

たとえば、「人前で堂々と話せるようになりたい」と思うなら、その自分をイメージしてください。

  • 会場に立っている自分
  • 笑顔で話している自分
  • 拍手をもらっている自分

そして、その時に感じるであろう感情を、今、深く味わうのです。

「誇らしい」「嬉しい」「達成感がある」「自由だ」

この感情を何度も味わうことで、脳は「人前で話す=嬉しい」という新しい情動記憶を刻んでいきます。

アティテュードが書き換わると、反応が変わる

新しいポジティブな情動記憶が刻まれると、アティテュードが少しずつ変わっていきます。

すると、無意識が「人前=嬉しい、近づきたい」と判断するようになり、自然と行動できるようになるのです。

もう、意志の力で無理やり動かす必要はありません。

無意識が「近づきたい」と判断するようになるから、自然と体が動くようになるのです。

新しい情動記憶を刻む3つのステップ

ステップ1: ゴールを達成した自分をイメージする

まず、ゴールを達成した未来の自分を、できるだけ鮮やかにイメージしてください。

  • どんな場所にいますか?
  • どんな表情をしていますか?
  • 誰がそばにいますか?
  • どんな音が聞こえますか?
  • どんな香りがしますか?

五感を使って、できるだけリアルに感じることが大切です。

ステップ2: その時の感情を、今味わう

次に、ゴールを達成した時に感じるであろう感情を、今、深く味わってください。

  • 誇らしい
  • 嬉しい
  • 達成感がある
  • 自由だ
  • 幸せだ

この感情を、体全体で感じることが大切です。

胸が温かくなる感じ、体が軽くなる感じ、笑顔になる感じ。

できるだけ、体の感覚とともに味わってください。

ステップ3: 毎日繰り返す

この練習を、毎日繰り返してください。

朝起きた時、夜寝る前、通勤中、お風呂の中。

どんなタイミングでも構いません。

繰り返すことで、脳は「これはすでに起こったこと」と判断し、無意識のアティテュードが少しずつ書き換わっていきます。

あなたのアティテュードは、変えられる

アティテュードは、あなたの無意識の判断・選択・態度です。

今のあなたのアティテュードは、過去の情動記憶によって作られました。

でも、新しいポジティブな情動記憶を刻むことで、アティテュードは書き換えることができます。

ゴールを達成した未来を何度もイメージし、その時の感情を今味わうこと。

それを繰り返すことで、無意識が「ゴールに向かう行動=嬉しい」と判断するようになり、自然と行動できるようになるのです。

「性格だから仕方ない」

そう諦める必要はありません。

あなたのアティテュードは、変えられます。

未来の記憶を作る練習を、今日から始めてみませんか?

自然となりたい自分に、少しずつ近づいていけますよ。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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