脳と心は別物じゃない?|マインドを味方にして人生を変える方法
「心が痛い」
「心が落ち着かない」
「心が温かくなる」
私たちは日常的にこんな言葉を使いますよね。
まるで「心」が胸のどこかに実在しているかのように。
でも実は、脳と心は別々のものではなく、本質的に同じものなのです。
この記事では、この「脳と心の関係」と、それを理解することであなたの人生がどう変わるのかをお話しします。
「心」は本当に胸にあるの?
突然ですが、質問です。
「心はどこにありますか?」
そう聞かれたら、多くの人が胸のあたりを指すのではないでしょうか。
心臓のあたりに、何か温かいものや、痛みを感じるものがある気がする。
「心が痛い」と言う時、本当に胸のあたりがギュッと締め付けられるような感覚がありますよね。
「心が温まる」と言う時も、胸のあたりがじんわり温かくなるような気がします。
だから、心は胸にあると感じるのは自然なことです。
でも、実際には「心」というものが物理的に存在しているわけではないのです。
心の正体は「脳の働き」
では、心とは何なのでしょうか?
実は、私たちが「心」と呼んでいるものは、脳の働きそのものなのです。
「嬉しい」「悲しい」「不安」「ワクワクする」
こうした感情も、全て脳の中で起こっている現象です。
「あの人のことを考えると胸がドキドキする」という恋する気持ちも、脳が作り出している感覚です。
「心が落ち着かない」という不安も、脳の中で情報が処理された結果なのです。
つまり、心とは抽象的な概念であって、その実体は全て脳内現象なのです。
脳はハードウェア、心はソフトウェア?
少し専門的な話になりますが、わかりやすく例えてみましょう。
脳は「ハードウェア」です。
物理的に存在する、ピンク色の臓器。約1.4キログラムの重さがあって、頭の中に実際に入っている器官です。
心は「ソフトウェア」です。
脳というハードウェアの上で動いているプログラム、情報処理のプロセスそのものです。
パソコンで例えると、
脳=パソコン本体
心=そのパソコンで動いているプログラムや、画面に表示される映像
と言えるかもしれません。
パソコン本体とプログラムは別物のように見えるけれど、プログラムはパソコンがなければ動きません。
同じように、心は脳がなければ存在しないのです。
抽象度の違いで「脳」と呼んだり「心」と呼んだり
ここで、もう一つ大切な視点があります。
それは、抽象度の違いです。
抽象度とは、物事を見る視点の高さのようなもの。
低い抽象度で見ると、「脳」という具体的な臓器が見えます。
高い抽象度で見ると、「心」という働きや機能が見えます。
でも、実際には同じものを違う角度から見ているだけなのです。
例えば、「リンゴ」を見る時、
「赤い果物」(低い抽象度)
「食べ物」(中程度の抽象度)
「生命を維持するためのエネルギー源」(高い抽象度)
どの表現も、同じ「リンゴ」を指しているけれど、視点が違いますよね。
脳と心も同じです。
物理的な側面を見れば「脳」、情報的な側面を見れば「心」と呼ぶだけで、本質的には同じものなのです。
コーチングでは「マインド」という言葉を使う
だからこそ、コーチングでは「脳」とも「心」とも言わず、マインドという言葉を使います。
マインドとは、脳と心を含んだ、一つの概念です。
物理的な脳の働きも、抽象的な心の動きも、全てひっくるめて「マインド」と呼ぶのです。
マインドとは、あなたの思考、感情、信念、判断、行動の全てを司るシステムです。
そして、このマインドの仕組みを理解し、上手に使えるようになることが、コーチングの目的なのです。
マインドの仕組みを知ると、人生が変わる
なぜマインドの仕組みを理解することが大切なのでしょうか?
それは、マインドの使い方を知ることで、自分の人生を自分の思うように創っていけるからです。
私たちの日常は、無意識の選択と行動で成り立っています。
朝起きて、何を着るか。
どんな言葉を自分にかけるか。
どんな態度で人と接するか。
こうした一つひとつの選択は、ほとんど意識せずに行われています。
そして、その無意識の選択を決めているのが、マインドなのです。
マインドの仕組みを理解すれば、
なぜ自分はいつも同じパターンを繰り返してしまうのか?
なぜ変わりたいのに変われないのか?
なぜチャンスに気づけないのか?
こうした疑問の答えが見えてきます。
そして、どうすればそのパターンを変えられるのか、どうすれば自分の可能性を開いていけるのかが、わかるようになるのです。
無意識には無限の可能性がある
ここで、重要なことをお伝えします。
あなたの可能性は、無意識の中にあります。
私たちが意識的に使っている脳の力は、実はごくわずかです。
意識的な思考や判断は、脳全体の働きから見れば、ほんの一部に過ぎません。
本当に大きなエネルギーを持っているのは、無意識なのです。
無意識は、あなたが眠っている間も働き続け、膨大な情報を処理し、体を動かし、感情を生み出しています。
この無意識をどう活性化させるか、どう目覚めさせるか。
それが、マインドを上手に使うということなのです。
コーチングとは「マインドの使い方」を学ぶこと
コーチングとは、このマインドの仕組みを理解し、上手に使えるようになるための方法です。
大きく分けて、コーチングには三つのアプローチがあります。
1. セルフコーチング
自分自身に対してコーチングをすることです。
マインドの使い方を学び、日常的に自分で実践していきます。
例えば、
朝起きた時に、自分にどんな言葉をかけるか。
目標を達成した自分を、どうイメージするか。
失敗した時に、どう自分を励ますか。
こうした日々の小さな実践が、セルフコーチングです。
自分のマインドの仕組みを理解して、自分で自分を導いていく。
それがセルフコーチングの本質です。
2. コーチングセッション
コーチとクライアントが一対一、または一対複数で行うセッションです。
コーチは、クライアントの無意識に直接働きかける技術を持っています。
無意識を書き換える、内部表現を変えるといった、少し専門的な技術も使います。
カウンセリングとは違い、コーチングは「今ここ」と「未来」に焦点を当てます。
過去の問題を掘り下げるのではなく、これからどうなりたいのか、そのために何ができるのかを一緒に見つけていくのです。
3. コーチングの知識の伝達
セミナーや講演会などを通じて、コーチングの知識を広く伝えていく活動です。
多くの人にマインドの仕組みを知ってもらい、自分で実践できるようになってもらうことが目的です。
特に大切なのは「セルフコーチング」
この三つの中でも、特に大切なのがセルフコーチングです。
なぜなら、毎日を生きているのは、あなた自身だからです。
コーチと会うのは月に一度かもしれないけれど、あなたは毎日、自分と一緒にいます。
だからこそ、自分で自分のマインドを整える力が必要なのです。
セルフコーチングができるようになると、人生が大きく変わります。
自分の思考パターンに気づけるようになります。
ネガティブな感情に飲み込まれず、自分を立て直せるようになります。
ゴールに向かって、自然と行動できるようになります。
そして何より、「私の人生は、私が創っている」という実感を持てるようになるのです。
マインドを味方につける
マインドは、あなたの敵ではありません。
むしろ、最高の味方です。
ただ、使い方を知らなかっただけ。
仕組みを理解していなかっただけ。
マインドの仕組みを理解すれば、
なぜ変わりたいのに変われないのか、その理由がわかります。
どうすれば自然と行動できるようになるのか、その方法がわかります。
どうすれば自分の可能性を最大限に引き出せるのか、そのコツがわかります。
そして、マインドを正しく使えるようになれば、あなたのゴールは実現していきます。
学ぶ意義は「自分の人生を自分で創る力」を手に入れること
マインドの仕組みを学ぶ意義。
それは、自分の人生を、自分の思うように創っていく力を手に入れることです。
今まで「こういう性格だから」「環境がこうだから」と思っていたことが、実は変えられるとわかります。
「私にはできない」と思っていたことが、マインドの使い方次第でできるようになるとわかります。
あなたの人生は、あなたのマインドが創っています。
だから、マインドを変えれば、人生が変わるのです。
脳と心は同じもの。だから、あなたは変われる
脳と心は別々のものではなく、本質的に同じものです。
それをひとまとめにした概念が、マインドです。
そして、マインドは変えられます。
脳には可塑性があり、新しい経験や学習によって物理的に変化します。
心も、新しい考え方や感じ方を学ぶことで変化します。
つまり、マインドを変えることは、科学的に可能なのです。
20代のあなたには、無限の可能性があります。
そして、その可能性を開く鍵は、あなたのマインドの中にあります。
マインドの仕組みを理解し、上手に使えるようになること。
それが、あなたの人生を変える第一歩なのです。
