あなたが信じる「幸せ」は本当にあなた自身のもの？信念の枠組みを見直す方法

その「当たり前」は誰のもの?

「結婚して家庭を持つのが幸せ」

「安定した会社に就職するべき」

「人に迷惑をかけてはいけない」

こんなふうに、あなたが「当たり前」だと思っている価値観は、本当にあなた自身が選んだものでしょうか?

もしかしたら、それは親や先生、社会から受け取った価値観を、いつの間にか「自分の考え」だと思い込んでいるだけかもしれません。

ブリーフシステムという見えない枠組み

私たちの心の中には「ブリーフシステム」と呼ばれる信念の枠組みがあります。

これは、たくさんの信念が集まって一つの体系を作っているもの。あなたが「これが正しい」「これが普通」と感じる基準のすべてです。

無意識に受け取った価値観

このブリーフシステムは、幼い頃から少しずつ形成されてきました。

両親が繰り返し言っていた言葉。学校の先生から教わったこと。友達との会話の中で「普通はこうだよね」と共有された価値観。

こうした経験を通じて、あなたは「世界とはこういうもの」「私はこう生きるべき」という枠組みを無意識のうちに作り上げてきたのです。

「こうあるべき」の正体

「女性らしくしなければ」

「みんなと同じでいなければ」

「周りに合わせなければ」

こうした「〇〇しなければ」という思考は、あなた自身の本当の望みではなく、外側から受け取った信念である可能性が高いのです。

信念があなたの世界を決めている

ブリーフシステムは、あなたが見る世界そのものを形作っています。

色眼鏡のように働く仕組み

たとえば「お金を稼ぐことは大変で苦しいこと」という信念を持っていると、仕事で成功している人を見ても「きっと無理をしているんだ」などと解釈してしまいます。

逆に「お金は自由と可能性を広げてくれるもの」という信念を持っていれば、同じ成功者を見て「私もチャレンジしてみたい」と感じるでしょう。

同じ現実を見ているのに、信念という色眼鏡を通すことで、まったく違う世界が見えているのです。

可能性を狭めてしまう信念

「私には才能がない」

「どうせ失敗する」

「私なんかが夢を叶えるなんて無理」

こうした信念を持っていると、目の前にチャンスがあっても気づけません。

あなたの信念に合わない情報は、脳が「重要ではない」と判断して、最初から見えなくなってしまうからです。

これを「スコトーマ」と呼びます。信念があなたの可能性に蓋をしてしまっているのです。

自分の信念に気づくために

では、どうすれば自分が持っている信念に気づくことができるのでしょうか?

「べき」という言葉に注目する

まずは、自分が口にする言葉に意識を向けてみてください。

「〇〇すべき」「〇〇しなければならない」という言葉が出てきたら、それはあなたの信念が表れているサインです。

そのとき、少し立ち止まって問いかけてみましょう。

「これは本当に私自身が望んでいることかな?」

「それとも、誰かから言われ続けてきたことかな?」

感情的に反応することに目を向ける

他人の言葉や行動に対して、強く感情的に反応してしまうとき。

それは、あなたの深いところにある信念が揺さぶられているサインかもしれません。

「なぜこんなに反応してしまうんだろう?」と自分に問いかけてみると、隠れていた信念が見えてくることがあります。

信念を書き換えるプロセス

自分の信念に気づいたら、次のステップはそれを評価することです。

その信念はあなたの未来を広げる?

気づいた信念について、こう問いかけてみてください。

「この信念は、私が本当に望む未来に近づくために役立っているかな?」

もし答えが「いいえ」なら、その信念を手放して、新しい信念を選ぶことができます。

新しい信念を育てる

たとえば「私には才能がない」という信念を「私には可能性がある」という信念に変えたいとき。

最初は信じられなくても大丈夫です。

毎日、朝と夜に「私には可能性がある。私は成長している」と自分に語りかけてみましょう。

そして、理想の自分として生きている未来を、五感を使ってリアルにイメージの世界で体験してください。

こうした実践を繰り返すことで、新しい信念が少しずつ根付いていきます。

小さな行動が信念を変える

信念を変えるには、言葉やイメージだけでなく、実際の行動も大切です。

新しい信念に沿った小さな行動を一つ選んで、実践してみましょう。

「私には可能性がある」と信じるなら、今まで避けていた小さなチャレンジに挑戦してみる。

その経験が「やっぱり私にもできるんだ」という新しい記憶となり、信念を強化してくれます。

あなたの幸せは、あなたが決めていい

あなたが「当たり前」だと思っていた価値観は、本当はあなた自身のものではなかったかもしれません。

でも、それに気づいた今、あなたは自分で選ぶことができます。

どんな信念を持つのか。どんな基準で生きるのか。何を「幸せ」だと感じるのか。

すべてをあなた自身が決めていいのです。

周りに合わせる必要も、誰かの期待に応える必要もありません。

あなたの心が本当に望む未来に向かって、一歩ずつ進んでいきましょう。

その先に、あなただけの本当の幸せが待っているのです。

蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。