自分の強みがわからなくても大丈夫|本当に大切なのは未来のゴール
「強み探し」に疲れていませんか?
「自分の強みって何だろう?」
「得意なことを活かして生きていきたいけど、それが見つからない」
そんな風に悩んでいませんか?
就活のエントリーシートでも、転職活動でも、自己啓発本でも、いつも「あなたの強みを見つけましょう」と言われます。
でも、いくら考えても「これ!」というものが見つからない。他の人と比べて特別優れているものなんてない気がする。
そんな風に感じているあなたに、この記事では少し違う視点をお伝えしたいのです。
実は「強みを見つけなきゃ」という考え方自体が、あなたの可能性を狭めているかもしれません。
「得意」「不得意」は偶然の産物にすぎない
まず、一つ大切なことをお伝えします。
あなたが今「得意」だと思っていることも、「苦手」だと感じていることも、そのほとんどが偶然の産物なのです。
たとえば、絵を描くのが得意な人がいたとします。その人は本当に「生まれつき絵の才能があった」のでしょうか?
実際には、こういうことです。
たまたま幼少期に絵を描く機会があった。たまたまその時、親や先生に褒められた。だから「楽しい」「私は絵が得意なんだ」と感じて、何度も繰り返した。繰り返すうちに、さらに上手になった。
逆に「私は人前で話すのが苦手」と思っている人も同じです。
たまたま人前で話す機会があった時に、緊張してうまく話せなかった。周りの反応が良くなかった。「私は人前で話すのが苦手なんだ」という認識ができた。それ以降、避けるようになった。
つまり、得意・不得意は「偶然やってみたらどうだったか」という過去の出来事から作られた認識にすぎないのです。
先天的な才能なんてほとんど存在しない
「でも、生まれつきの才能ってあるんじゃないの?」
そう思うかもしれません。
確かに、身長が高い・低い、手足が長い・短いといった身体的な特徴は存在します。バスケットボール選手になりたい時に身長が高い方が有利、という側面はあるでしょう。
でも、それは本当に小さな、誤差の範囲なのです。
なぜなら、私たちには誰もがマインドがあるからです。
このマインドをどう使うか。どんな未来を思い描くか。どんな自分をイメージするか。
それによって、私たちの可能性は無限に広がっていくのです。
身体的な制約よりも、「私にはできない」という思い込み、「私はこういう人間だ」という過去の経験に基づいたセルフイメージの方が、よっぽど大きな制約になっています。
「強み探し」の本当の問題点
では、なぜ「自分の強みを見つけましょう」というアプローチが問題なのでしょうか?
それは、強み探しが「現状の最適化」になってしまうからです。
「今の自分の強みは何だろう?」と考える時、私たちは必然的に過去を振り返ります。
これまでの経験の中で、何ができたか。何が得意だったか。どんなことで褒められたか。
つまり、現状の範囲内で、今できることの中から探すプロセスになってしまうのです。
でも、本当に大切なのは「今できること」ではありません。
「これから何を成し遂げたいのか」「どんな自分になりたいのか」という未来のゴールなのです。
ゴールが先、能力は後からついてくる
認知科学に基づくコーチングでは、こう考えます。
まず、現状の外側にゴールを設定すること。
現状の外側とは、今の自分の延長線上では達成できない、達成方法がまだ見えていない領域です。
「そんなの無理でしょ」と思うかもしれません。達成方法がわからないのに、どうやって進めばいいの?と。
でも、それでいいのです。
むしろ、達成方法がわからないゴールこそが、本物のゴールなのです。
なぜなら、達成方法がすぐに見えるものは、今の自分の延長線上、つまり現状の範囲内だからです。
臨場感とホメオスタシスの力
ここで重要になるのが、ゴールを達成している自分の世界に強い臨場感を持つということです。
臨場感とは、「まるでそこにいるかのようなリアルな感覚」のこと。
五感を使って、ゴールを達成した未来の自分を、今ここでリアルに感じるのです。
どんな場所にいるか。誰と一緒にいるか。どんな気持ちか。何をしているか。
そこまで鮮明にイメージして、感情を味わう。
すると、あなたの脳の中ではホメオスタシスという仕組みが働き始めます。
ホメオスタシスとは、体温を一定に保つように、「いつもの状態」を維持しようとする機能です。
これは身体だけでなく、マインドにも働きます。
そして、この「いつもの状態」の基準は、臨場感が高い方の世界に設定されるのです。
つまり、ゴール側の世界の臨場感が、現状よりも強くなれば、ホメオスタシスは「ゴール側の自分が当たり前」と判断し、そこに向かって自然と調整を始めるのです。
得意不得意という概念が意味をなさなくなる
この視点で考えると、得意不得意という概念そのものが、意味をなさなくなります。
なぜなら、ゴールに合致していないことに対して、得意か不得意かを評価しても意味がないからです。
たとえば、あなたのゴールが「世界中を旅しながら、文化を伝えるライターになる」だとします。
その時、「私は計算が苦手だから」と悩む必要があるでしょうか?
計算が得意かどうかは、そのゴールには関係ないかもしれません。
逆に、「私は人と話すのが苦手」と思っていたとしても、ゴールに向かって進む中で、自然とそれが必要になれば、マインドはそれを獲得しようとします。
なぜなら、ホメオスタシスが「ゴール側の自分」を維持しようとするからです。
あなたの可能性は、想像以上に広大
身長が低いから無理。
運動神経が悪いから無理。
そんな風に、物理的な制約を理由に諦めていませんか?
でも、それらは本当に小さな、誤差程度のことなのです。
私たちの可能性は、そんな小さな枠に収まるものではありません。
マインドの使い方次第で、あなたはどんな自分にもなれるのです。
過去の経験や、今できることに縛られる必要はありません。
本当に大切なのは、未来へのコミットメント
自分の強みなんて、考えなくていい。
見つけ方も、活かし方も、考えなくていい。
そんなことを考えると、現状の範囲内で自分を評価することになってしまいます。
それよりも、こう問いかけてください。
「私は、本当はどんな自分になりたい?」
「どんな未来を生きたい?」
「心の底から達成したいゴールは何?」
その答えに、素直に向き合ってください。
そして、そのゴールを達成している世界の臨場感を、今ここで強くイメージしてください。
五感を使って、感情を味わって。
それが、あなたの可能性を最大限に広げる第一歩なのです。
ゴールが、あなたを導いてくれる
ゴールを設定し、そこに臨場感を持つ。
そうすると、不思議なことが起こり始めます。
今まで見えなかった情報が、目に入るようになります。これをスコトーマが外れる、と言います。
偶然の出会いが、増えます。
必要な学びが、自然と引き寄せられます。
そして、気づいたら「できなかったこと」ができるようになっているのです。
それは、強みを見つけたからではありません。
ゴールに向かう中で、必要な能力が自然と育ったからです。
今日から、未来の自分を生き始める
過去の経験に縛られないでください。
今できることだけで、自分を評価しないでください。
あなたには、もっと大きな可能性があります。
まずは、心から達成したいゴールを描いてみてください。
そして、そのゴールを達成している世界の臨場感を、リアルに感じてみてください。
それが、あなたの人生を変える第一歩になります。
強みなんて、探さなくていい。
未来のあなたが、今のあなたを導いてくれるのですから。
