人間関係

人間関係で疲れたときに自分を守るための心のケア方法

蓮彩聖基

「誰かといると疲れる」は心のSOSかも

友人との会話の後、なぜかどっと疲れを感じる。職場の人間関係に気を遣いすぎて、家に帰ると何もできない。そんな経験はありませんか?

人間関係の疲れは、単なる「気疲れ」ではありません。あなたの心が「今の状態は無理がある」と伝えているサインかもしれません。

この記事では、人間関係で消耗してしまう原因と、自分を守りながら心地よく人と関わっていくための具体的な方法をお伝えします。

なぜ人間関係で疲れてしまうのか

「良い人でいなければ」という思い込み

多くの女性が無意識のうちに「相手を不快にさせてはいけない」「空気を読まなければ」という信念を持っています。

この信念は幼少期からの経験や、周囲からの言葉によって形成されたものです。「女の子なんだから優しくしなさい」「みんなと仲良くしなさい」といった言葉を繰り返し聞いてきた方も多いのではないでしょうか。

こうした信念があると、自分の本音よりも相手の反応を優先するようになります。その結果、常に「相手がどう思うか」を監視し続けることになり、膨大なエネルギーを消費してしまうのです。

自分の境界線が曖昧になっている

人間関係で疲れやすい方には、「どこまでが自分の責任で、どこからが相手の問題なのか」という境界線が曖昧になっているケースが多く見られます。

たとえば、友人が落ち込んでいると自分まで気分が沈んでしまう。同僚のミスを自分が何とかしなければと感じる。こうした状態が続くと、他人の感情や問題を背負い込んでしまい、心が疲弊していきます。

エネルギーを奪われる関係に気づいていない

すべての人間関係が対等というわけではありません。一緒にいると元気になれる人もいれば、会った後に疲労感だけが残る人もいます。

後者の関係では、あなたが一方的に聞き役になっていたり、相手の愚痴や否定的な言葉を浴び続けていたりすることがあります。こうした関係に時間を費やし続けることは、あなたの心のエネルギーを確実に消耗させていきます。

自分を守るための具体的な方法

自分の「心地よさ」を基準にする

体の感覚に注意を向ける

人と会う約束をしたとき、あなたの体はどんな反応を示していますか?

楽しみでワクワクする感覚があるなら、その関係はあなたにとってプラスのものです。一方、胸が重くなる、肩に力が入る、なんとなく憂鬱になるといった感覚があるなら、それは心からの警告サインです。

毎日の生活の中で、「この人と過ごした後、自分はどんな気分になっているか」を意識してみてください。メイクをしながら、通勤電車の中で、ふとした瞬間に自分の体の感覚をチェックする習慣をつけると、自分にとって心地よい関係とそうでない関係が見えてきます。

「NO」を伝える練習をする

断ることに罪悪感を感じる方は多いですが、自分の時間とエネルギーを守ることは、わがままではありません。

最初は小さなことから始めてみましょう。「今日は早めに帰りたい」「その日は予定があるから」と伝える練習です。

ポイントは、理由を長々と説明しないこと。シンプルに「今日は難しい」と伝えるだけで十分です。相手を納得させる必要はありません。

自分のための時間を確保する

一人の時間を「充電時間」として設定する

人間関係で疲れやすい方ほど、意識的に一人の時間を確保することが大切です。

週末の朝の30分、夜寝る前の15分など、誰にも邪魔されない時間を決めてください。その時間は、好きな音楽を聴く、お茶を淹れる、何もせずぼんやりするなど、自分を満たすことだけに使います。

この時間は「予定」として扱いましょう。誰かに誘われても「その時間は埋まっている」と答えて構いません。自分との約束を守ることが、自己信頼を育てる第一歩になります。

自分を満たす活動を見つける

あなたが本当に好きなことは何ですか?

子どもの頃に夢中になったこと、時間を忘れて没頭できること、終わった後に充実感を感じることを思い出してみてください。

それは読書かもしれませんし、料理、散歩、絵を描くこと、植物の世話かもしれません。「生産的かどうか」「役に立つかどうか」は関係ありません。あなたの心が喜ぶことを、定期的に生活に取り入れてください。

関わる人を選ぶ

エネルギーを与えてくれる人との時間を増やす

人間関係は量より質です。

一緒にいて安心できる人、素の自分でいられる人、会った後に元気になれる人との時間を意識的に増やしていきましょう。

そうした人が今の生活の中にいなくても大丈夫です。新しいコミュニティに参加したり、興味のある活動を始めたりすることで、自然と心地よい関係が生まれていきます。

距離を置く勇気を持つ

すべての人と仲良くする必要はありません。

あなたの夢や目標を否定する人、一緒にいると自信がなくなる人、常にネガティブな話題ばかりの人とは、物理的・心理的な距離を置くことを自分に許可してください。

縁を切る必要はありません。連絡の頻度を減らす、会う回数を減らす、グループで会うようにするなど、自分を守るための調整をしていくのです。

あなたの心は、あなたが守っていい

人間関係で疲れてしまうのは、あなたが優しいからです。相手のことを考えられる、空気を読める、それはすばらしい能力です。

しかし、その能力を使いすぎると、自分自身が消耗してしまいます。

自分の心地よさを基準にすること、必要なときに断ること、一人の時間を大切にすること。これらは自分を守るために必要なことであり、決してわがままではありません。

あなたが自分を大切にできるようになると、不思議なことに人間関係も変わっていきます。無理をしなくても一緒にいられる人が残り、あなたを消耗させる関係は自然と離れていくのです。

今日から、自分の心の声に耳を傾けてみてください。あなたの心は、何を求めていますか?

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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