習慣を変えて人生を変える|ハビットの書き換え方法
ハビットとは何か
無意識で繰り返される行動パターン
ハビット(Habit)とは、無意識で繰り返される行動や習慣のことです。意識的に考えなくても自動的に行われ、1日の大半の行動を左右しています。
習慣というと「毎朝ジョギングをする」のような意識的なものを思い浮かべるかもしれません。でも、意識的な習慣は始めのうちだけで、ほとんどは無意識的になって自動的に行われるようになります。
私たちは毎日、無意識のうちにたくさんのことを行っています。
- 朝起きたらまず歯を磨いて顔を洗う
- 同じ時間に同じ電車の同じ車両に乗る
- 仕事中、無意識にコーヒーを飲む
- 夜、なんとなくスマホを見てしまう
こうした「なんとなくやっている」行動のすべてがハビットです。
なぜ無意識化されるのか
私たちの日常がこれほど自動化されているのには理由があります。
脳は、都度外部の情報に対して情報処理をするよりも、無意識化して最適化した方が効率がよいと判断します。いちいち「今から歯を磨こう」「どの歯ブラシを使おう」と考えていたら、脳のエネルギーがすぐに枯渇してしまいます。
だから脳は、繰り返される行動を「いちいち考えなくてもいい行動」として無意識に任せるのです。これは脳のエネルギー節約のための仕組みです。
ハビットが人生に与える影響
小さな行動の積み重ね
ハビットは一つひとつは小さな行動かもしれません。でも、その小さな行動の積み重ねが、健康・人間関係・キャリア・経済状況・幸福度に直接影響し、人生の質を決めています。
毎日コツコツと学びを続ける人と、毎日なんとなくスマホを見て過ごす人。1日の差はわずかでも、1年、5年、10年と積み重なれば、人生は大きく変わります。
ハビットは、あなたの人生を形作る土台なのです。
コンフォートゾーンとの関係
ハビットはコンフォートゾーンを形成します。
コンフォートゾーンとは、ストレスを感じずに安心して過ごせる、慣れ親しんだ心理的な領域のことです。いつもと同じ行動をしていると、脳は安心感を得ます。
だからこそ、ハビットを変えようとすると抵抗が生まれます。「なんとなく落ち着かない」「やっぱり元に戻りたい」という感覚は、脳がコンフォートゾーンを守ろうとしている証拠です。
今のハビットはゴールに合っていますか?
偶然獲得されたハビット
多くの人が今持っているハビットは、ゴールを前提としたときに良いハビットでないことが多いです。
なぜなら、これらは偶然獲得していったものだからです。その時々の現状の中で必要性があったハビット、あるいは周囲の影響で身についたハビットである可能性が高いのです。
たとえば、学生時代についた夜更かしの習慣。当時は必要だったかもしれませんが、今の自分のゴールに合っているでしょうか?
ゴールから判断する
本来は、ゴールから判断して良いハビットを意識的に取り入れていくことが大切です。
ゴールに向かうハビットを持っていれば、気づかないうちにどんどん良い自分に変化していき、ゴールへ近づいていけます。これは無意識を上手に使っていることになります。
逆に、ゴールと関係のないハビット、あるいはゴールを妨げるハビットを持ち続けていると、いつまで経っても過去の自分から抜け出すことが難しくなってしまいます。
ゴールを妨げるハビットの例
- 先延ばしにする癖
- 自己否定的な思考
- 完璧主義で動けない
- 他人と比較して落ち込む
- SNSを見すぎて時間を浪費する
ゴールを支えるハビットの例
- 成功体験を振り返る
- 朝、ゴールを思い描く時間を持つ
- 健康的な生活リズムを維持する
- 学びの習慣を持つ
- 感謝を言葉にする
ハビットを書き換える3つのステップ
では、どのように古いハビットを見直し、新しいハビットを獲得していけば良いのでしょうか。3つのステップで解説します。
ステップ1:無意識の行動を「見える化」する
自分のハビットに気づく
まずは、自分の1日を見返して無意識で行われていることをノートに書き出してみてください。
朝起きてから寝るまでを、時間を順番に追って1日を追体験してみましょう。かなりの数のハビットが見つかるはずです。
書き出す項目の例
- 朝起きてまずすること
- 通勤・移動中にしていること
- 仕事中の無意識の行動
- 休憩時間の過ごし方
- 帰宅後のルーティン
- 寝る前にしていること
意識に上げるとコントロールできる
ここでまず外部化して、意識に上げられたことで、それをコントロールできるようになります。
無意識は意識に上げることができればコントロール可能になるのです。「なんとなくやっていた」ことが「自覚してやっている」ことに変わるだけで、選択の余地が生まれます。
不要なハビットを見つける
書き出したハビットの中で、ゴールや理想の自分にとって「不要だな」「違うな」と思うものを抽出してみましょう。
人によってはほとんど全てのハビットが不要と思えるかもしれません。それでも正しいのです。それだけ大きく変化をしたいと思えているということです。
ステップ2:現状に揺らぎを与える
いつもと違うことをする
変えたいハビットが抽出できたら、次はそれをやらない、あるいは少し変えてみるということをして、現状に揺らぎを与えてみてください。
すぐにやめることができないものもあるかもしれませんが、それは保留で構いません。大切なのは多少の揺らぎを与える、つまりランダム性を持たせることです。
日常を変える具体的なアクション例
- 毎日同じ時間に同じ車両に乗っているなら、別の時間、別の車両に乗る
- いつもと違う道を通ってみる
- いつもと違うお店でランチをする
- 朝のルーティンの順番を変えてみる
- スマホを見る時間を別のことに使ってみる
見える世界が変わる
そうやって変化を加えることで、見える世界も変わってきます。
いつもと違う車両に乗れば、いつもと違う人と出会うかもしれません。いつもと違う道を通れば、今まで気づかなかったお店を見つけるかもしれません。
小さな揺らぎが、新しい可能性を開いてくれます。
ステップ3:理想の自分のハビットを選択する
未来の自分から考える
最も大切なのは、新しいハビットを獲得していくことです。
ゴールや理想の自分、なりたい自分を想像して、「その自分だったら、どんなハビットを持っているかな」と考えてみましょう。
問いかけの例
- 理想の自分は、朝どんなふうに過ごしている?
- 理想の自分は、どんな学びの習慣を持っている?
- 理想の自分は、人とどんなコミュニケーションを取っている?
- 理想の自分は、夜どんなふうにリラックスしている?
今の生活に取り入れる
そして、実際に今の生活にそのハビットを取り込んでいきます。
たとえば、理想の自分は英語を流暢に話していて、英語で世界の情報を収集しているとします。
- 朝の語学学習の時間をハビットにする
- 通勤中に英語のポッドキャストを聞く
- 寝る前に英語の記事を1つ読む
未来の自分を今に呼び込むように、少しずつでも現実に取り入れていくことが大切です。
ハビットを変えるときの注意点
小さく始める
新しいハビットを一気に取り入れようとすると、脳が抵抗を起こして挫折しやすくなります。
最初は小さく始めることが大切です。「毎日1時間英語を勉強する」ではなく、「毎日5分だけ英語に触れる」から始める。そうやって小さな成功体験を積み重ねることで、徐々にハビットが定着していきます。
既存のハビットに紐づける
新しいハビットは、既存のハビットに紐づけると定着しやすくなります。
たとえば、「朝コーヒーを飲むとき」に「5分間ゴールを思い描く」を紐づける。すでに習慣化されている行動をトリガーにすることで、新しいハビットが自然に身についていきます。
ポジティブな感情とセットにする
感情を伴う行動は強いハビットになりやすいという特徴があります。
新しいハビットを行うとき、「楽しい」「気持ちいい」「達成感がある」というポジティブな感情を意識的に味わうようにしましょう。そうすることで、脳がそのハビットを「繰り返したい行動」として認識するようになります。
ハビットは「選べる」もの
意志の力に頼らない
ハビットを変えることの効果は、意志の力に頼らず自然と行動が変わることです。
毎回「よし、やるぞ」と気合いを入れなくても、無意識が自動的にその行動を選んでくれるようになります。これが、ハビットを味方につけるということです。
自己イメージが更新される
新しいハビットを続けていくと、自己イメージも自然と更新されていきます。
「英語を勉強している私」「健康的な生活を送っている私」「学び続けている私」。そうした新しい自己イメージが定着することで、さらにそのハビットが強化され、人生の質が向上していきます。
自分で創り出す
ゴールや理想的な自分が未来どんなハビットを持っているか、そのために今どんなハビットを持っている必要があるか。どちらから考えても構いません。
一気にやろうとしなくても、少しずつでも大丈夫です。そうやってハビットを自分で選択して書き換え、獲得していければ、自然となりたい自分、理想の自分に近づいていくことができるのです。
古いハビットに縛られず、新しいハビットを自分で創り出す。それが、自分を大切にしながら成長していく生き方です。
