やりたいことが見つからない理由。心理的盲点スコトーマを外す方法
あなたの目に映る世界は、本当にすべてですか?
朝のカフェで、ふとコーヒー豆のパッケージが目に留まる。「あれ、こんなところにこのブランドがあったんだ」と驚いて、よく見ると、隣の棚にも、向かいの店舗にも同じブランドが並んでいる。まるで突然、世界中にこのコーヒーが溢れ出したような感覚。
でも、冷静に考えてみれば、それらはずっと前からそこにあったはずです。ただ、あなたがそれに関心を向けるまで、見えていなかっただけ。
私たちは、見たいものしか見ていない
人間の脳には、ある特徴があります。それは、自分にとって意味のあるものだけを拾い上げるという機能です。
目の前にどれだけ多くの情報が溢れていても、脳は「今の自分に必要なもの」だけを選び取り、それ以外は意識に上がらないようにしています。
たとえば、道を歩いているとき、あなたは何千という看板や人の顔を「見て」いますが、そのほとんどを「認識」していません。
見えていないものには、名前がある
コーチング、認知科学の世界では、この「そこに存在しているのに、認識されていないもの」を、スコトーマと言います。心理的盲点——あるいは、認識の死角とも言える領域です。
これは、視界の外にあるわけではありません。目の前にあるのに、重要性がないか少ないために脳は意識に上がらないようにしているだけなのです。
なぜ、あなたの夢は「見つからない」のか
「本当にやりたいことが、わからない」そう感じたことはありませんか?
何かを変えたい、新しい自分になりたい、そう思っているのに、どこへ向かえばいいのか見えてこない。
実は、その答えはすでにあなたの周りに存在している可能性があります。
答えは「ない」のではなく、「見えていない」
多くの人は、自分の進むべき道が「まだ存在していない」と思い込んでいます。でも、本当は違うのかもしれません。その道は、もうそこにある。ただ、あなたの心がまだそれを重要だと認識していないから、視界に入ってこないだけ。
先ほどのコーヒーの例と同じです。関心が向いた瞬間、世界は急に違って見え始めます。
心の死角が、可能性を隠している
私たちの心には、たくさんの見えない壁があります。
- 「私には無理」という思い込み
- 「これが普通」という常識
- 「こうあるべき」という他人の声
これらは、あなたの視界を覆うフィルターのようなもの。そのフィルター越しに世界を見ているから、本当の可能性が霞んで見えなくなっているのです。
まず、「見えていないものがある」と知ること
では、どうすればその死角から抜け出せるのでしょうか?最初の一歩は、とてもシンプルです。
「私には、見えていないものがある」
そう認めることから、すべてが始まります。
自覚することで、世界が開き始める
「見えていないものがある」と認めることは、弱さを認めることではありません。それは、可能性の扉を開く鍵を手に入れることです。
「もしかしたら、私が探している答えは、もう目の前にあるのかもしれない」
そう思った瞬間、あなたの脳は新しいモードに切り替わります。今まで素通りしていた景色の中に、小さな光を見つけ始めるのです。
気づくことが、変化の始まり
人生を変える大きな出来事は、いつも小さな気づきから始まります。「あ、私、これを見ていなかったんだ」その瞬間、あなたの世界は少しずつ色を取り戻し始めます。
今日から始められる、視界を広げる方法
最後に、あなた自身のスコトーマを体感するための、小さな実験をご紹介します。
難しいことは何もありません。ただ、自分の日常をほんの少し違う角度から眺めてみるだけ。
小さな観察の習慣
今日一日、こんなふうに過ごしてみてください:
- いつもの道を歩きながら、「今まで見ていなかったもの」を3つ見つける
- よく行く場所で、「初めて気づいたこと」を1つメモする
- 誰かとの会話の中で、「今まで聞き流していた言葉」を拾ってみる
これらは、あなたの認識の範囲を広げる練習です。
世界は、あなたが思うより豊かで広い
見えていなかったものが見え始めると、世界は驚くほどの発見でいっぱいになります。あなたが探している答えも、なりたい自分の姿も、もしかしたらもう、すぐそばにあるのかもしれません。
ただ、見えていなかっただけ。
今日から、少しずつでいいので、自分の視界を広げてみませんか? きっと、新しい景色があなたを待っています。
