女性の生き方

やりたいことが見つからない本当の理由|スコトーマの外し方

蓮彩聖基

あなたが見ている世界は、すべてではない

ある日、気になっていたブランドのバッグを買ったとします。すると不思議なことが起きます。街を歩くと、同じバッグを持っている人が急に目につくようになるのです。

「こんなに人気だったんだ」と驚くかもしれません。でも、そのバッグを持っている人は、あなたが買う前からずっと同じ道を歩いていたはずです。変わったのは、世界ではなくあなたの認識なのです。

脳は「重要なもの」だけを意識に上げる

私たちの脳には、ある機能があります。それは、毎秒膨大に入ってくる情報の中から「自分にとって重要なもの」だけを選び取るというフィルター機能です。

目の前に何千もの情報が存在していても、脳がそれを「重要ではない」と判断すれば、あなたの意識には上がってきません。存在しているのに、まるで「ないもの」のように扱われてしまうのです。

これは脳の処理効率を上げるための自然な仕組みです。もしすべての情報を同じように処理しようとしたら、脳は一瞬でパンクしてしまいます。

心理的盲点「スコトーマ」という概念

この「存在しているのに見えていない状態」のことを、スコトーマ(心理的盲点)と呼びます。

もともとは眼科医療で使われていた「視野欠損」を意味する言葉ですが、コーチングや認知科学の世界では、物理的な視野ではなく認知的・心理的な盲点を指す概念として使われています。

重要なのは、スコトーマは視界の外にあるわけではないということです。目の前にあるのに、脳が「重要ではない」と判断しているから見えていないだけなのです。

やりたいことが見つからない本当の理由

「本当にやりたいことがわからない」「自分の進むべき道が見えない」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

何かを変えたい、新しい自分になりたいと思っているのに、どこへ向かえばいいのかわからない。そんなもどかしさを感じることがあるかもしれません。

答えは「ない」のではなく「見えていない」

多くの場合、あなたが探している答えはすでにあなたの周りに存在している可能性があります

やりたいことが「ない」のではなく、「見えていない」だけかもしれません。進むべき道が「存在しない」のではなく、あなたの心がまだそれを「重要だ」と認識していないから、視界に入ってこないだけなのです。

先ほどのバッグの例と同じです。関心が向いた瞬間、世界は急に違って見え始めます。

スコトーマを作り出している要因

では、なぜ私たちの心には見えない壁ができてしまうのでしょうか。

スコトーマを形成している主な要因は、現在のあなたのセルフイメージコンフォートゾーンです。

セルフイメージとは、「自分はこういう人間だ」という無意識レベルの自己認識のことです。そしてコンフォートゾーンとは、自分が心地よく感じられる慣れ親しんだ範囲のことを指します。

この二つが「何を重要と判断するか」の基準を作っています。そして、その基準の外側にあるものは、脳によって自動的にフィルタリングされてしまうのです。

具体的には、次のようなものがスコトーマの原因となります。

  • 「私には無理」という思い込み:過去の経験から形成された自己評価が、新しい可能性を見えなくしている
  • 「これが普通」という常識:社会や周囲から刷り込まれた価値観が、別の選択肢を隠している
  • 「こうあるべき」という他者の声:親や周囲の期待に沿った自己イメージが、本当の望みを覆い隠している

これらは、あなたの視界を覆うフィルターのようなものです。そのフィルター越しに世界を見ているから、本当の可能性が霞んで見えなくなっているのです。

スコトーマを外す鍵は「ゴール設定」にある

スコトーマは固定されたものではありません。脳が「重要だ」と判断する基準が変われば、見えるものも変わります

その鍵となるのが、現状の外側へのゴール設定です。

ゴール設定がスコトーマを外す仕組み

ゴールを設定し、その達成した状態への臨場感を高めることで、そのゴールに関連する情報が「重要」と認識されるようになります。すると、今まで見えていなかった情報やチャンスが、自然と目に入ってくるようになるのです。

これは単なる精神論ではありません。脳のフィルター機能であるRAS(網様体賦活系)という仕組みが、ゴール設定によって再設定されるからです。

RASは、五感から入ってくる膨大な情報の中から「どの情報を認識し、どの情報を認識しないか」を決定するフィルターの役割を果たしています。ゴールを設定することで、RASに新しい「重要なもの」を認識させることができるのです。

現状の外側にゴールを設定する意味

ここで重要なのは、ゴールは「現状の外側」に設定する必要があるということです。

今の自分の延長線上で達成できること、達成方法がすでにわかっていることは、本当の意味でのゴールとは言えません。なぜなら、そのようなゴールでは脳の認識パターンを変えるほどのインパクトがないからです。

達成方法がわからない、今の自己イメージでは到達できないと感じるようなゴールを設定することで、初めて脳は新しい情報を「重要」と判断し始めます。

「見えていないものがある」と認めることから始まる

では、具体的にどうすればスコトーマを外していけるのでしょうか。

最初の一歩は、とてもシンプルです。

「私には、見えていないものがある」

そう認めることから、すべてが始まります。

自覚することで認識が変わり始める

「見えていないものがある」と認めることは、弱さを認めることではありません。それは、自分の可能性を広げる扉を開くということです。

「もしかしたら、私が探している答えは、もう目の前にあるのかもしれない」

そう思った瞬間、あなたの脳は新しいモードに切り替わります。今まで素通りしていた情報の中に、必要なものを見つけ始めるのです。

視点を広げるための具体的なアプローチ

スコトーマを外すためには、意識的に自分の視点を広げていく必要があります。

固定観念や思い込みに気づく

「当たり前」だと思っていること、「こうあるべき」と信じていることを一度疑ってみてください。それは本当にあなた自身が選んだ価値観でしょうか。それとも、誰かから植え付けられたものでしょうか。

新しい環境や人との出会いを求める

いつも同じ環境、同じ人間関係の中にいると、認識パターンは固定化されていきます。意識的に新しい場所に足を運んだり、普段とは違う分野の人と話したりすることで、視界が広がっていきます。

学びや新しい情報に触れる

本を読む、講座を受ける、異なる分野の知識を学ぶことで、世界を見るための新しいフレームワークが手に入ります。フレームワークが増えれば、同じ現実を見ていても、見えてくるものが変わってきます。

自分に質問を投げかける

「他に方法はないだろうか」「別の見方はできないだろうか」「もし制約がなかったら、何を選ぶだろうか」といった質問を自分に投げかけることで、思考の枠を広げることができます。

あなたの可能性は、思っているよりずっと広い

スコトーマが外れ始めると、世界は驚くほどの発見でいっぱいになります。

あなたが探している答えも、なりたい自分の姿も、もしかしたらもうすぐそばにあるのかもしれません。ただ、今のあなたの認識パターンでは見えていないだけなのです。

スコトーマを外すことで、世界の見え方が変わります。必要な情報やチャンスが自然と入ってくるようになります。行動の選択肢が増え、可能性が広がっていきます。

自分の心に「見えていないものがある」と認め、意識的に視界を広げていくこと。それが、本当の可能性に気づき、人生を変えていく第一歩なのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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