自己肯定感が下げられる理由と、本来の自分を取り戻す方法

「どうせ私なんて、ダメなんじゃないか」「失敗したらどうしよう」新しいことに挑戦しようとするとき、そんな声が心の中に聞こえてくることはありませんか？

自己肯定感が低いと感じている女性は、決して少なくありません。けれど、その多くは「自分で下げている」のではなく、「下げられてきた」のです。

この記事では、認知科学とコーチングの視点から、自己肯定感が下がってしまう仕組みと、本質的な回復方法をお伝えします。

自己肯定感が「下げられる」とは

自己肯定感は環境によって形成される

自己肯定感とは、「自分には価値がある」「自分は大切な存在だ」と感じられる心の土台のようなものです。この感覚は生まれつき決まっているものではなく、育った環境や周囲からの言葉によって形成されることがわかっています。

つまり、自己肯定感が低いと感じているあなたは、決して「もともとダメな人間」なのではありません。むしろ、周囲の言葉や態度によって、そう思い込まされてきた可能性が高いのです。

「ドリームキラー」という存在

コーチングでは、他者の可能性や夢を否定する言葉をかける人を「ドリームキラー」と呼びます。たとえば、こんな経験はないでしょうか。

• 「あなたには無理だよ」
• 「もっと現実を見なさい」
• 「女の子なんだから、そんなことしなくていいのに」

このような言葉は、一見すると「心配」や「アドバイス」のように聞こえるかもしれません。ですが、繰り返し浴びせられることで、あなたの中に「私にはできない」という信念が刷り込まれていくのです。これが、自己肯定感が「下げられる」仕組みです。

自己肯定感が下がる脳の仕組み

セルフイメージとブリーフシステム

認知科学において、セルフイメージとは「自分自身に対する認識」のことを指します。そして、ブリーフシステムとは、「自分や世界に対する信念の集まり」のことです。

たとえば、「私は失敗ばかりする人間だ」というセルフイメージを持っていると、それに合致する出来事ばかりが目に入るようになります。

これではRAS(網様体賦活系)という脳の機能で説明できます。RASは、自分が重要だと思っている情報を優先的に拾い上げる働きをします。

つまり、「私はダメだ」と思っていると、失敗や否定的な出来事ばかりが強調されて記憶に残るのです。

セルフトークの影響力

自己肯定感に最も大きな影響を与えるのが、セルフトーク(自己対話)です。

一日に何万回も繰り返される心の中の独り言が、あなたのセルフイメージを強化し続けます。

「どうせ私なんて」
「また失敗するに決まってる」

このようなネガティブなセルフトークは、無意識のうちにあなたの可能性を制限し、行動にブレーキをかけてしまうのです。

自己肯定感を本質的に回復する方法

セルフイメージを書き換える

自己肯定感を回復するために重要なのは、セルフイメージを意識的に書き換えることです。これは単なるポジティブシンキングではありません。

認知科学に基づいた方法として、以下のステップが有効です。

1. 現在のセルフイメージに気づく

まずは、自分が自分をどう見ているのかを客観的に観察してみましょう。ノートに書き出してみるのも効果的です。

• 「私は〇〇な人間だ」
• 「私には〇〇ができない」

このように、普段無意識に思っている「私」についての認識を言語化してみてください。

2. 理想のセルフイメージを設定する

次に、「なりたい自分」のイメージを具体的に描くことが大切です。「自己肯定感が高い私」は、どんな言葉を使っているでしょうか。どんな表情で、どんな行動をしているでしょうか。

できるだけ臨場感を持って、五感で感じられるレベルまで想像することが重要です。

3. セルフトークを変える

セルフイメージを変えるための最も実践的な方法が、セルフトークを意識的に変えることです。

「どうせ私なんて」という言葉が浮かんだら、すぐに「私にはできる」「私には価値がある」という言葉に置き換える習慣をつけましょう。

最初は違和感があるかもしれません。けれど、脳は繰り返される言葉を真実として受け入れる性質があるのです。

ドリームキラーから距離を取る

自己肯定感を下げる環境から、意識的に距離を取ることも重要です。

あなたの可能性を否定する人、ネガティブな言葉をかけてくる人がいるなら、物理的・心理的な距離を置く選択をしてもいいのです。

それは決して冷たいことではありません。あなた自身を守り、本来の力を取り戻すための必要なステップなのです。

まとめ:自己肯定感は、いつからでも育て直せる

自己肯定感は、あなたの本質ではなく、環境によって形成されたものです。だからこそ、いつからでも育て直すことができます。

この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。

• 自己肯定感の低さは、周囲の言葉や環境によって「下げられてきた」ものである
• セルフイメージとセルフトークを変えることで、脳の認識は書き換えられる

「どうせ私なんて」という声は、本当のあなたの声ではありません。それは、これまでの環境が作り上げた幻想なのです。あなたには、本来の力があります。なりたい自分になる可能性が、すでに備わっています。

そのことを、どうか信じてみてください。そして、一歩ずつ、本来のあなた自身を取り戻していきましょう。

蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得