やりたいことノートが叶わなかった女性が、コーチと出会って人生が動き出した話

夢を書くだけで終わっていた25歳

カフェの窓際に座る25歳の美波は、古いノートをめくっていた。

表紙には「私のやりたいことリスト」と書かれている。

3年前、新社会人になったばかりの頃に作ったノートだ。

書いただけで満足していた日々

「パリに旅行に行きたい」

「素敵なブランドバッグが欲しい」

「もっと自信を持って仕事をしたい」

「英語を話せるようになりたい」

ページをめくるたびに、書いた時の気持ちが蘇ってくる。

あの時は、こんなにもワクワクしていたのに。

何も実現していない現実

でも、振り返ってみると、ほとんど何も実現していなかった。

パリには行っていない。

ブランドバッグも買っていない。

自信はむしろ下がっている気がする。

英語は、相変わらず話せない。

「また書いただけで終わっちゃったな」

美波は小さくため息をついた。

友人との会話

「美波、何見てるの？」

友人の理沙がカフェに入ってきて、ノートを覗き込んだ。

「あ、これ。昔作ったやりたいことリスト」

「へえ、懐かしいね。私も作ったことあるよ」

理沙は隣に座った。

「でも、結局何も実現してないんだよね」

美波は自嘲気味に笑った。

理沙の変化

「私もそうだった」

理沙は少し真剣な顔になった。

「でも最近、ちょっと変わったんだ」

「変わった？」

美波は理沙を見た。

確かに、理沙は以前より生き生きしている気がする。

「実は、コーチングを受け始めたんだ」

「コーチング？」

「うん。脳と心の使い方を教えてくれる人がいて。その人に出会ってから、人生が動き出したんだ」

理沙はスマホを取り出して、あるウェブサイトを見せた。

「来週、コーチングの勉強会があるんだけど、一緒に行ってみない？」

美波は少し迷ったが、頷いた。

「行ってみようかな」

蓮彩コーチとの出会い

週末、美波と理沙は勉強会の会場に向かった。

落ち着いた雰囲気のオフィスだった。

初対面の印象

「美波さん、理沙さん、よろしくお願いします。」

穏やかな笑顔で迎えてくれたのが、蓮彩コーチだった。

20代後半くらいの、優しい雰囲気の男性だった。

「今日はお二人に、コーチングの基本をお伝えしますね」

蓮彩コーチは二人を席に案内した。

最初の質問

「まず、お二人に質問です」

蓮彩コーチはゆっくりと話し始めた。

「やりたいことリストや、欲しいものリストを作ったことはありますか？」

「あります」

美波と理沙は同時に答えた。

「そして、それは実現しましたか？」

二人は顔を見合わせた。

「ほとんど実現していません」

美波が正直に答えた。

リストが実現しない理由

「そうですよね」

蓮彩コーチは優しく微笑んだ。

「実は、多くの人が同じ経験をしています」

「なぜ実現しないんですか？」

理沙が尋ねた。

希望で止まってしまう

「リストに書かれていることは、書いた時点ではまだ『できたらいいな』『あればいいな』という希望レベルなのです」

蓮彩コーチは説明を始めた。

「脳は、希望だけではエネルギーを生み出せません」

「だから、行動に直結しないのです」

美波は深く頷いた。

確かに、書いた時は「いつか叶えたいな」という気持ちだった。

脳にとって重要性が低い

「そして、脳は自分が重要だと思っていることを優先して処理します」

蓮彩コーチは続けた。

「『欲しいなあ』と思う程度では、緊急度も重要度も低いのです」

「結果的に、忘れたり後回しにしたりして、現実化しません」

「こうして、多くのリストが書いただけで終わってしまうのです」

美波は胸が痛んだ。

まさに自分のことだ。

実現できたことに注目する

「でも」

蓮彩コーチは優しい口調で続けた。

「これまでのリストの中で、叶ったこともあるはずです」

小さな成功を思い出す

美波は考えてみた。

「あ、確かに」

「猫を飼いたいって書いて、それは実現しました」

「素晴らしいですね」

蓮彩コーチは微笑んだ。

「それは偶然ではありません」

叶った理由

「叶った理由は、脳が必要だと判断できるほどの、強い意味づけを持っていたからです」

美波は思い出した。

猫を飼いたいと思ったのは、一人暮らしが寂しかったから。

毎日、具体的に想像していた。

どんな猫を飼うか。

どんな名前をつけるか。

どんな生活になるか。

「だからこそ、実現できたのです」

蓮彩コーチの言葉に、美波は納得した。

自分を褒めることの大切さ

「そして最も大切なのは、その成功をしっかりと認めることです」

蓮彩コーチは続けた。

「私はできたと、自分を褒めてあげてください」

「小さな成功体験を積み重ねることで、次の挑戦のエネルギーが生まれます」

美波は恥ずかしそうに微笑んだ。

「確かに、自分を褒めたことなかったです」

ゴール設定で大切なのは現在進行形

勉強会の中盤、蓮彩コーチは核心的な話を始めた。

「では、どうすればリストを書いただけで終わらせずに、現実化へつなげられるのでしょうか？」

書き方を変える

「答えはシンプルです」

蓮彩コーチは力強く言った。

「やりたいことリストを、やっていることリストに変えるのです」

「欲しいものリストを、持っているものリストに変えるのです」

美波と理沙は顔を見合わせた。

「つまり、未来形や願望形ではなく、現在進行形で書くということです」

言葉の力

「これは言葉遊びではなく、脳にとって非常に重要なポイントです」

蓮彩コーチは説明を続けた。

「脳は、現在進行形で語られることを、すでに起きていることとして受け取りやすくなります」

「その結果、現実をそのイメージに合わせようと、行動するようになるのです」

美波は息を呑んだ。

そんな仕組みがあったのか。

具体的な書き換え方

「では、実際に書き換えてみましょう」

蓮彩コーチは美波のノートを見た。

「美波さん、パリに旅行に行きたいと書かれていますね」

「はい」

「これを、現在進行形に変えるとどうなるでしょうか？」

パリ旅行の例

美波は少し考えて言った。

「パリの街を歩いている、とか？」

「素晴らしいです」

蓮彩コーチは嬉しそうに頷いた。

「もっと具体的にできますか？」

「パリの街を歩き、カフェで朝食を楽しんでいる」

美波が言うと、蓮彩コーチは拍手した。

「完璧です。そういう風に書くのです」

ブランドバッグの例

「ブランドバッグが欲しい、というのは？」

理沙が尋ねた。

「○○のブランドバッグを持ち歩いている、とか」

「その通りです」

蓮彩コーチは続けた。

「具体的なブランド名まで入れると、さらに臨場感が高まります」

自信の例

「もっと自信を持ちたい、というのは？」

美波が聞いた。

「自分の意見を堂々と伝え、自信を持って行動している」

蓮彩コーチが答えた。

「このように現在進行形にすることで、脳がすでに起きていることとして認識するのです」

宣言と肯定の効果

勉強会の後半、蓮彩コーチはさらに深い話をしてくれた。

「私は○○していると宣言することには、大きな力があります」

自己イメージが変わる

「言葉にすることで、自己イメージが変わります」

蓮彩コーチは説明した。

「脳は、そのイメージと現実のギャップを埋めようと、行動を促します」

「行動が伴えば、やっぱり私はできると感じます」

「そうすると、セルフエスティームやエフィカシーが高まります」

サイクルの繰り返し

「このサイクルを繰り返すことで、現実化は自然に進んでいきます」

美波は目を輝かせていた。

「だから、言葉が大切なんですね」

「その通りです」

蓮彩コーチは微笑んだ。

「言葉は、マインドを変える力を持っています」

今日からできる3つのアクション

「では、今日から実践できることを3つお伝えします」

蓮彩コーチは指を3本立てた。

1. リストを見直して書き換える

「まず、すでに持っているリストを、やっていることリスト、持っているものリストとして現在進行形に書き換えましょう」

「〜したい、を〜している、に」

「〜が欲しい、を〜を持っている、に」

美波はノートにメモを取った。

2. 毎日声に出して読む

「書いたリストを、毎日声に出して読みましょう」

蓮彩コーチは続けた。

「数分でもいいです」

「視覚と聴覚の両方から、実現している自分を脳に刷り込みます」

3. 小さな実現を積み重ねる

「朝の散歩をしている、読書を楽しんでいる、など」

「すぐに実現できることもリストに入れてみましょう」

「達成感の積み重ねが、さらに大きなゴールを引き寄せます」

美波は深く頷いた。

「やってみます」

1ヶ月後の変化

勉強会から1ヶ月後、美波は蓮彩コーチの個別セッションを受けていた。

「美波さん、どうでしたか？」

蓮彩コーチが優しく尋ねた。

リストの書き換え

「毎日、書き換えたリストを読んでいます」

美波は嬉しそうに報告した。

「パリの街を歩き、カフェで朝食を楽しんでいる」

「自分の意見を堂々と伝え、自信を持って行動している」

「毎日読んでいると、不思議な感覚になるんです」

不思議な感覚

「どんな感覚ですか？」

「本当にそうなっている気がしてくるんです」

美波は続けた。

「パリの街並みが目に浮かぶし、カフェのコーヒーの香りまで感じる気がして」

蓮彩コーチは満足そうに微笑んだ。

「それが、臨場感です」

「脳が、それを現実だと認識し始めている証拠です」

小さな変化が起きていた

「それに、小さな変化も起きているんです」

美波は興奮気味に話した。

「仕事で、自分の意見を言えるようになってきました」

「以前は、会議で発言するのが怖かったんです」

「でも、自信を持って行動しているって毎日唱えていたら」

「不思議と、自然に手を挙げて発言できるようになったんです」

コーチの説明

「素晴らしいですね」

蓮彩コーチは嬉しそうに言った。

「それが、脳がイメージと現実のギャップを埋めようとしている証拠です」

「美波さんは、すでに変わり始めています」

美波は涙が出そうになった。

自分が変わっている。

それが、嬉しかった。

3ヶ月後の奇跡

3ヶ月後、美波はまた蓮彩コーチのセッションを受けていた。

「蓮彩コーチ、報告があるんです」

美波は笑顔で言った。

パリ旅行の決定

「パリ旅行、決めました」

「本当ですか？」

蓮彩コーチも嬉しそうな顔をした。

「はい。来月、友達と一緒に行くことにしたんです」

美波は興奮気味に話した。

「毎日パリの街を歩いているって唱えていたら」

「なぜか、パリに行きたい気持ちが抑えられなくなって」

「それで、友達に相談したら、一緒に行こうって」

お金の不思議

「でも、お金が心配だったんです」

美波は続けた。

「でも、不思議なことに、ちょうどボーナスが入って」

「それに、臨時収入もあって」

「気づいたら、旅行に行けるだけのお金が貯まっていたんです」

蓮彩コーチは深く頷いた。

「それが、ゴール設定の力です」

「脳が、ゴールに向かって必要な情報や機会を集めてくれるのです」

仕事での成長

「それに、仕事でも変化がありました」

美波は嬉しそうに報告した。

「プロジェクトリーダーに抜擢されたんです」

「素晴らしいですね」

「以前の私だったら、絶対に無理だったと思います」

美波は続けた。

「でも、自信を持って行動しているって毎日唱えていたら」

「本当に自信が持てるようになって」

「上司にも、最近積極的になったねって褒められました」

セルフイメージの変化

「美波さん、それはセルフイメージが変わった証拠です」

蓮彩コーチは説明した。

「私は自信を持って行動していると宣言し続けることで」

「脳の中の自己イメージが書き換えられたのです」

「そして、その自己イメージに合った現実が創られたのです」

美波は深く感動していた。

「本当に、言葉の力ってすごいんですね」

半年後の美波

半年後、美波の人生は大きく変わっていた。

パリから帰国して

パリ旅行から帰国した美波は、蓮彩コーチに報告に来ていた。

「蓮彩コーチ、パリ、本当に素晴らしかったです」

美波の目が輝いていた。

「朝、ホテルの近くのカフェで朝食を食べたんです」

「クロワッサンとカフェオレ」

「毎日イメージしていた光景そのものでした」

涙が出た瞬間

「カフェに座って、パリの街を眺めていた時」

美波は続けた。

「涙が出てきたんです」

「半年前、ノートに書いただけで終わっていた夢が」

「本当に実現したんだって」

蓮彩コーチは優しく微笑んだ。

「美波さんが、ゴール設定の力を使ったからです」

「やりたいことリストを、やっていることリストに変えたからです」

新しいゴール

「実は、新しいゴールができたんです」

美波は少し照れくさそうに言った。

「英語を話せるようになりたいんです」

「いや、違いますね」

美波は自分で訂正した。

「英語を流暢に話している、です」

蓮彩コーチは拍手した。

「素晴らしい。もう完璧に理解されていますね」

具体的なイメージ

「パリで、英語が話せたらもっと楽しかっただろうなって思ったんです」

美波は続けた。

「次は、ロンドンやニューヨークにも行きたい」

「そのために、英語を流暢に話している私をイメージしています」

「毎朝、外国人の友達と英語で楽しく会話しているって唱えています」

蓮彩コーチは嬉しそうに頷いた。

「それを続けていれば、必ず実現します」

「美波さんは、もうゴール設定の方法を完全にマスターしていますから」

1年後の美波

1年後、美波は蓮彩コーチのオフィスを訪れていた。

でも今回は、セッションを受けるためではなかった。

感謝を伝えに

「蓮彩コーチ、本当にありがとうございました」

美波は深々と頭を下げた。

「この1年で、私の人生は完全に変わりました」

「パリにも行けました」

「仕事でもリーダーになれました」

「英会話教室にも通い始めて、今では日常会話ができるようになりました」

一番の変化

「でも、一番大きな変化は」

美波は目を潤ませた。

「自分を信じられるようになったことです」

「以前の私は、いつも自分に自信がなくて」

「やりたいことリストを作っても、どうせ無理だろうって諦めていました」

「でも今は違います」

「私はできるって、心から信じられるようになりました」

蓮彩コーチは優しく微笑んだ。

「それが、最も大切な変化です」

友達にも教えている

「実は、友達にも教え始めたんです」

美波は嬉しそうに言った。

「やりたいことリストの書き方」

「現在進行形で書くこと」

「毎日声に出して読むこと」

「みんな、すごく興味を持ってくれて」

「私と同じように、人生が動き出した友達もいるんです」

コーチからのメッセージ

「美波さん」

蓮彩コーチは真剣な顔で言った。

「あなたは、ゴール設定の力を体験しました」

「そして今、それを他の人にも伝えようとしています」

「それは、とても素晴らしいことです」

「これからも、その経験を多くの人に伝えてください」

美波は深く頷いた。

「はい。蓮彩コーチから学んだことを、たくさんの人に伝えていきます」

エピローグ｜書き方を変えるだけで未来は動き出す

カフェに座る美波は、新しいノートを開いていた。

表紙には「私のやっていることリスト」と書かれている。

書き方が変わった

「ニューヨークの街を歩き、英語で自由に会話を楽しんでいる」

「自分のビジネスを立ち上げ、多くの人の夢を応援している」

「健康的な体で、毎日を充実して過ごしている」

一つ一つ、現在進行形で書かれている。

そして、美波はそれを声に出して読んだ。

リアルに感じる

読むたびに、その光景が目に浮かぶ。

ニューヨークの街並み。

自分のオフィス。

充実した毎日。

すべてが、リアルに感じられる。

1年前のノートと比べて

古いノートも、まだ持っている。

「パリに旅行に行きたい」と書かれたページ。

今では、「パリの街を歩いた」という過去形になった。

実現したからだ。

変わったのは書き方だけ

「変わったのは、書き方だけなんだよね」

美波は呟いた。

「やりたいこと、から、やっていること、に」

「欲しいもの、から、持っているもの、に」

「それだけで、人生が動き出した」

これから夢を持つ人へ

美波は窓の外を眺めながら思った。

やりたいことリストを作っても、何も変わらなかった人。

書いただけで満足して、忘れてしまった人。

そんな人たちに、伝えたい。

書き方を変えるだけ

書き方を変えるだけで、未来は動き出す。

現在進行形で書くだけで、脳は動き始める。

毎日声に出して読むだけで、現実が変わっていく。

蓮彩コーチから学んだこと。

それを、多くの人に伝えていきたい。

新しい夢

美波の新しい夢は、コーチングを学ぶことだ。

いや、違う。

美波は微笑んで書き直した。

「私は、コーチングを学び、多くの人の夢の実現を応援している」

現在進行形で。

そう書くだけで、それがもう実現しているように感じられる。

そして、脳がそれを現実にしようと動き始める。

美波は、それを知っている。

なぜなら、この1年で体験したから。

書き方を変えるだけで、人生は変わる。

やりたいことリストは、やっていることリストに変えられる。

それを、美波は証明したのです。

蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得