他人の評価が気になって苦しいあなたへ｜見えない自分に気づく方法

他人の一言が、心に刺さってしまう理由

職場で上司に何気なく言われた一言が、何日も頭から離れない。

友達の何気ない評価が、自分の価値を決めているように感じてしまう。

そんな経験、ありませんか?

20代の女性は、仕事でもプライベートでも、人との関わりの中で自分を見つめる機会が多い時期です。

だからこそ、他人の評価に敏感になりやすく、「自分はどう思われているんだろう」という不安に囚われてしまうことがあります。

でも実は、この苦しさには脳の仕組みが深く関わっているのです。

脳が作り出す「見えない壁」の正体

私たちの脳は、毎秒膨大な量の情報を処理しています。

その中で、脳は自分にとって「重要だ」と判断した情報だけを意識に上げ、それ以外の情報は最初から存在しないかのように扱います。

この「見えない情報」のことを、心理的盲点(スコトーマ)と呼びます。

例えば、あなたが「私は人から良く思われていない」と感じているとき、脳は無意識のうちにその信念を裏付ける情報ばかりを集めてしまいます。

上司の厳しい表情は記憶に残るのに、同僚がかけてくれた優しい言葉は素通りしてしまう。

友達の何気ない一言は気になるのに、あなたを心から応援してくれている人の存在が見えなくなってしまう。

これは、あなたが悪いわけでも、周りが冷たいわけでもありません。

脳が「今の自分」に合った情報だけを選んでいるからなのです。

「今の自分」が世界の見え方を決めている

脳は、あなたのセルフイメージ(自分はこういう人間だという無意識の認識)に合った情報を「重要」と判断します。

もしあなたが「私は人から評価されない人間だ」というセルフイメージを持っているなら、脳はその認識を守るために、否定的な情報ばかりを拾い集めてしまいます。

そして、肯定的な評価や応援の言葉は、心理的盲点の中に隠れてしまうのです。

つまり、他人の評価に苦しんでいるように見えて、実は「自分が自分をどう見ているか」が、世界の見え方を決めているのです。

脳は「心地よい場所」を守ろうとする

人間の脳には、ホメオスタシス(恒常性維持機能)という働きがあります。

これは、今の状態を維持しようとする力のことです。

たとえ苦しい状態であっても、それが「慣れ親しんだ状態」なら、脳はそこにとどまろうとします。

なぜなら、変化は脳にとって「未知で危険なこと」だからです。

だから、「他人の評価が気になる」という思考パターンも、実は脳があなたを守るために選んでいる反応なのです。

見えなかった自分に気づく方法

では、どうすれば心理的盲点を外し、新しい自分を見つけることができるのでしょうか?

1. 自分の「思い込み」に気づく

まず大切なのは、「私は人からどう思われているか」という問いを、「私は自分をどう思っているか?」に変えてみることです。

他人の評価だと思っていたものは、実は自分の内側にある信念が映し出されているだけかもしれません。

2. 「なりたい自分」を鮮明に描く

次に、他人の評価に左右されない、自由で豊かなあなた自身を想像してみてください。

どんな表情をしていますか? どんな言葉を話していますか? どんな人たちと、どんな時間を過ごしていますか?

この「未来のあなた」を、五感を使ってリアルに感じることが大切です。

脳は、現実と鮮明なイメージの区別がつきません。

繰り返しイメージすることで、脳は「これが本当の私だ」と認識し始めます。

3. 応援してくれる環境に身を置く

心理的盲点が外れるきっかけは、新しい環境や人との出会いの中にもあります。

あなたを認めてくれる人、応援してくれる人と過ごす時間を増やしてみてください。

そうすることで、脳は「私は価値ある存在だ」という情報を自然と受け取るようになります。

人間関係のストレスから自由になるために

他人の評価に苦しむことは、決してあなたが弱いからではありません。

それは、脳の仕組みが作り出している一時的な状態に過ぎないのです。

大切なのは、「今の自分」に固定されないこと。

そして、「なりたい自分」の方に、少しずつ意識を向けていくことです。

あなたが心から望む未来に、脳の働きを味方につけることができれば、人間関係のストレスは自然と軽くなっていきます。

そして、他人の評価ではなく、自分の内側から湧き上がる「こうありたい」という想いに従って生きることができるようになるのです。

あなたには、その力がすでに備わっています。ただ、まだ見えていないだけなのです。

蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得