モヤモヤする毎日を変える、視点の使い方
「このままでいいのかな…」「やりたいことはあるのに、行動が続かない…」そんな風にモヤモヤしてしまう日々、ありませんか?
その正体は、視点が固定化されていることにあるかもしれません。コーチングでは、これを抽象度の低さと呼びます。
抽象度とは何か
カメラのズームに似た概念
抽象度とは、物事をどのレベルで見るかを示す概念です。カメラのズームに例えると分かりやすいでしょう。
- ズームイン(抽象度が低い)→ 細部を見る
- ズームアウト(抽象度が高い)→ 全体を見る
視点を自由に動かせるかどうかが、人生の見え方を大きく変えるのです。
具体例:犬で考える抽象度
たとえば「犬」という存在を、抽象度で整理してみましょう。
抽象度が低い(具体的)
- 「茶色のトイプードルのココちゃん」
抽象度が中程度
- 「トイプードル」→「犬」→「哺乳類」
抽象度が高い(抽象的)
- 「動物」→「生物」→「存在」
上にいくほどシンプルで広い概念になり、下位のものを包み込む構造になっています。
なぜ抽象度が大切なのか
理由1:存在意義や価値観にアクセスできる
抽象度を上げると、「私はなぜこのゴールを目指すのか?」が見えてきます。逆に、抽象度を下げると、「今日やるべきことは何か?」に落とし込めるのです。この上下運動が、ゴール達成には不可欠なのです。
理由2:行動にエネルギーを注げる
高い抽象度
「自分の人生をもっと自由に生きたい」
低い抽象度
「今日は30分英語を勉強する」
「なぜ大切か」を思い出せるからこそ、地道な行動にもエネルギーが湧いてきます。
理由3:柔軟な問題解決が可能になる
抽象度を低く固定している場合
「この方法しかない」と視野が狭まる
抽象度を高くする場合
「別のやり方でも近づける」と再解釈できる
壁にぶつかっても、違うルートを見つけやすくなるのです。コーチングでは、固定された視点で見えなくなっているものをスコトーマ(心理的盲点)と呼びます。
抽象度を高める4つの方法
方法1:「なぜ?」を問い続ける
目の前の行動に対して「なぜ?」を繰り返すことで、上位の目的にたどり着けます。
具体例
「なぜ英語を勉強するの?」
→「海外で仕事をしたいから」
「なぜ海外で?」
→「自分の可能性を広げたいから」
「なぜ可能性を?」
→「自分らしい人生を生きたいから」
繰り返すうちに、人生全体の目的が浮かび上がってくるのです。
方法2:大きな括りに入れ直す
物事を「さらに大きなカテゴリー」で捉え直してみましょう。
- 犬 → ペット → 動物 → 生き物 → 生命
- 英語学習 → 言語学習 → 知識習得 → 自己成長
「これは何の一部だろう?」と考える習慣が効果的です。
方法3:時間軸を引き延ばす
時間の捉え方を変えると、自然と抽象度が変わります。
視点の変化
- 今日のタスク
- 1か月の計画
- 1年後のビジョン
- 人生全体の方向性
長期視点に切り替えると、日々の行動が大局につながっていきます。
方法4:他者や社会との関係で考える
視野を「自分」から「他者・社会・世界」へ広げることも有効です。
視点の広がり
- 「自分が成功したい」
- 「家族を幸せにしたい」
- 「社会に貢献したい」
自分を超えた枠組みを持つと、思考は一気に高抽象度になるのです。
抽象度を上下に動かす力
両方を往復することが大切
ここで重要なのは、高い抽象度と低い抽象度を往復することなのです。
- 高い抽象度で「全体像」をつかむ
- 低い抽象度で「具体的行動」に落とす
どちらか一方に固定されていると、モヤモヤが生まれてしまいます。
高すぎると「何をすればいいか分からない」、低すぎると「なぜやっているか分からない」状態になるのです。
まとめ:視点を動かして人生を描き直す
モヤモヤを解消する近道は、視点を操作して人生を鮮明に描き直すことです。
この記事でお伝えしたことを、もう一度整理しましょう。
- 抽象度はカメラのズームのようなもの
- 高くすると「なぜ」、低くすると「どう」へアクセスできる
- ゴール達成には、抽象度を行き来することが重要
- 方法は「なぜを問う」「大きな括りにする」「時間軸を延ばす」「他者との関係で考える」
モヤモヤを解消するために、タスクを増やす必要はありません。自己啓発を詰め込む必要もありません。ただ、視点を自由に動かせるようになればいいのです。
抽象度が上がれば、今の一歩も未来のゴールも、同じ地図の上でつながっていきます。そして、その地図の中心には、いつも理想のあなた自身がいるのです。
