あなたが見ている世界は、本当に「いま」の世界?脳が隠している現実の話
私たちが見ている世界は、本当に「いま」の世界?
日常の中で、私たちは「自分の目で世界をありのままに見ている」と感じていますよね。でも実は、私たちが認識している世界は、かなり限定的なものなのです。
脳は膨大な情報の中から、ある特定のものだけを選び取って、それを「現実」として見せています。では、何が選ばれて、何が見えなくなっているのでしょうか?
脳が勝手に情報を選別している
注意を向けたもの「だけ」が見える仕組み
脳には「スコトーマ」という仕組みがあります。これは簡単に言うと、注意を向けたものはハッキリ見えるけれど、それ以外は見えなくなるという働きです。
日常で起きているスコトーマの例
たとえば、新しいバッグを買おうと思って街を歩いていると、不思議と同じようなバッグを持っている人がたくさん目に入りますよね。
でも実際には、その人たちはずっと前からそこにいたはずです。あなたが「バッグ」に意識を向けたから、急に見えるようになっただけなんです。
脳が情報を選別する理由
脳は毎秒、膨大な量の情報を処理しています。
もしすべてを認識しようとしたら、脳はパンクしてしまいます。ですから、「重要なもの」だけを選び取り、それ以外は自動的にカットする仕組みが備わっているんです。
では、何が「重要」だと判断されるのか?
ここで重要な疑問が浮かびます。脳は何を基準に「これを見せよう」「これは隠そう」と判断しているのでしょうか?その1つが、情動記憶です。
情動記憶が、あなたの現実をつくっている
情動記憶とは何か?
情動記憶とは、過去に経験した出来事に感情がセットになって記憶されているもののことです。楽しかったこと、悲しかったこと、怖かったこと——感情が動いた体験ほど、強く刻まれます。
ポジティブな記憶もネガティブな記憶も同じ
大切なのは、その感情がポジティブかネガティブかは関係ないということです。どちらであっても、感情を伴った記憶は「重要なもの」として脳に登録されるんです。
情動記憶が認識を決めている
脳は、この情動記憶に紐づいたものを「重要なもの」として優先的に認識するようになっています。つまり、あなたが何を見て、何を感じるかは、過去の記憶によってコントロールされているということです。
同じ対象でも、見え方はまったく違う
たとえば、こんな経験はありませんか?
- 子どもの頃に犬と楽しく遊んだ記憶がある人は、街で犬を見かけると自然と目が向き、温かい気持ちになる
- 反対に、犬に噛まれて怖い思いをした記憶がある人は、無意識に犬の存在を察知して、身構えてしまう
どちらも「犬」という同じ対象なのに、過去の記憶によって、見え方も感じ方もまったく違うものになります。
あなたは過去の記憶の世界を生きている
「いま」ではなく「過去」を見ている
ここで少し立ち止まって考えてみてください。もし、あなたが見ている世界が「過去の記憶」によってつくられているとしたら——それは、本当にあなたが望んでいる現実でしょうか?
同じパターンが繰り返される理由
過去に傷ついた記憶、失敗した記憶、否定された記憶。それらが無意識のうちに「重要なこと」として設定されていたら、あなたの脳は自動的にそれに関連するものばかりを拾い続けます。
結果として、同じようなパターンの出来事や感情が繰り返されるという現象が起きてしまうのです。
意図しなければ、過去は続いていく
認識の仕組みを理解しないまま生きていると、私たちは無意識に過去の延長線上を歩き続けることになります。言ってしまえば、過去の記憶の世界を生きているようなものです。
ゴール設定が、認識を未来へ切り替える
過去ではなく未来を基準にする
では、どうすればこの状態から抜け出せるのでしょうか?答えは、ゴールを設定することです。
ゴールとは何か?
ゴールとは、あなたが心から実現したいと思える未来のことです。
それを明確にすることで、脳の認識のシステムが切り替わります。過去ではなく、未来を基準にして世界を見るようになるのです。
ゴールが見える世界を変える
ゴールを設定すると、脳は「そのゴールに必要な情報」を重要だと判断し始めます。すると、これまで見えなかった情報——新しい可能性、出会い、選択肢——がどんどん目の前に現れてきます。
現実は変わらない。見える世界が変わる
大切なのは、現実が変わるのではなく、あなたの認識が変わるということ。同じ景色の中に、これまで気づかなかった扉や道が見えてくるようになるんです。
あなたの人生は、あなたが決めていい
「現実とはこういうもの」という思い込み
私たちはつい、「現実とはこういうもの」と思い込んでしまいがちです。でも本当は、あなたが何に意識を向けるかで、見える現実は変わるのです。
自分の世界を選び直す
過去の記憶に支配されるのではなく、自分が本当に望む未来に意識を向けること。それが、あなた自身の人生を取り戻す第一歩になります。いまこの瞬間から、あなたは自分の世界を選び直すことができるのです。
