夢を描いた瞬間、世界が変わり始める|ゴール設定で見える景色が変わる理由
あなたは「欲しいものリスト」を作った途端に、そのアイテムが街中で目につくようになった経験はありませんか?
これは、単なる偶然ではないのです。あなたの脳が「見る世界」を変えた証拠なのです。
この記事では、ゴールを設定することで「今まで見えなかったチャンス」が自然と見えてくる仕組みについてお話しします。
私たちは世界の全てを見ているわけではない
朝のカフェで周りを見渡してみてください。何が見えますか?
実は、目の前に広がっている情報のすべてを、私たちは認識できていません。脳は毎秒とんでもない量の情報を受け取っていますが、そのほとんどを「重要ではない」と判断して、意識に上げないようにしているのです。
スコトーマ|心理的な盲点とは
元々「スコトーマ」は眼科で使われていた医学用語で、視野の中で見えない部分のことを指していました。
しかし、私が今日お話しするのは「心理的なスコトーマ」のこと。つまり、目には映っているけれど、脳が「重要ではない」と判断して意識に上げない情報のことです。
例えば、友達と同じカフェにいても、あなたが見ているものと友達が見ているものは違います。インテリアに興味がある人は内装のディテールに目が行くでしょうし、ファッションが好きな人は他のお客さんの服装が気になるかもしれません。
なぜ私たちは「見えないもの」があるのか
脳が情報を選別するのは、効率化のためです。
もし目に映るすべての情報を処理していたら、脳はパンクしてしまいます。だから脳は、過去の経験から「あなたにとって重要なもの」だけを意識に上げる仕組みを持っているのです。
ここで重要なのは「過去の経験」がベースになっているということ。つまり、今のあなたが見ている世界は、過去のあなたが積み重ねてきた経験や価値観によって決まっているのです。
今見えている世界は「現状維持」の世界
私たちが普段見ている世界は、実は「現状を維持するための世界」です。
過去から今まで大切にしてきたもの、馴染みのあるもの、安全だと判断できるもの。脳はそういった情報を優先的に拾い上げます。
現状の中での可能性は想定できる
今の延長線上で考えられる未来って、なんとなく想像できますよね。
「このまま仕事を続けていたら数年後はこうなっているかな」とか「今の生活リズムだとこれくらいのことはできそう」とか。そういった予測可能な範囲のことを、私たちは無意識に計算しています。
でも、それは「今のあなたの枠の中」での可能性です。
想定外のチャンスは見えていない
本当はもっと大きな可能性があるのに、今の自分の価値観や経験の範囲では「それが存在すること」にすら気づけない。
これが、スコトーマによって隠されている可能性なのです。
転職サイトを見ていても、自分が「できる」と思っている職種しか目に入らなかったり、新しい挑戦のチャンスが目の前にあっても「自分には関係ない」と素通りしてしまったり。
ゴールを設定すると見える世界が変わる
ここからが大切なお話です。
現状の外側にゴールを設定すると、スコトーマが外れます。
つまり、今まで見えていなかった情報が、突然見えるようになるのです。
「欲しいバッグ」を決めた途端に街中で見かける現象
これは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
ずっと迷っていたバッグをついに「これを買おう」と決めた瞬間から、街を歩いていても電車の中でも、同じバッグを持っている人がやたらと目につくようになる。
雑誌を読んでいても、そのバッグの特集記事が目に飛び込んでくる。インスタを見ていても、そのバッグを使っている投稿が次々と現れる。
「急に流行り始めたのかな?」と思うかもしれませんが、違います。
そのバッグは前からそこにあったのです。ただ、あなたの脳が「重要な情報」として認識していなかっただけ。
「これが欲しい」と決めた瞬間、脳は「この情報は重要だ」と判断して、意識に上げるようになったのです。
留学を決意したら英語の情報が自然と入ってくる
別の例を挙げてみましょう。
「いつか留学できたらいいな」とぼんやり思っているだけの時と、「来年の春にカナダに留学する」と具体的に決めた時では、見える世界がまったく変わります。
ゴールを設定する前は、留学の広告を見ても「へー」と素通りしていたのに、決めた後は留学経験者のブログが気になったり、語学学校の情報が自然と目に入ったり、カナダについてのニュースに敏感になったりします。
さらに、今まで気づかなかった「留学経験がある人」が身近にいることに気づいたり、偶然入ったカフェでカナダ人と知り合ったり。
これも、情報や人は前からそこにいたのです。でも、あなたのスコトーマに隠れていただけ。
ゴールを設定したことで、脳が「これは重要な情報だ」と認識を変えたから、見えるようになったのです。
偉人たちもゴール設定でスコトーマを外してきた
歴史を振り返ると、大きな夢を描いた人たちは、誰もが「それまで見えていなかった可能性」を見つけ出してきました。
ココ・シャネルが見つけた「女性の自由」
20世紀初頭、女性のファッションといえばコルセットで体を締め付け、動きづらいロングドレスを着るのが当たり前でした。
でも、ココ・シャネルは「女性がもっと自由に、快適に、そして美しく生きられる服」というゴールを描きました。
そのゴールを持った瞬間、彼女には今まで見えていなかったものが見え始めました。男性が着ているジャージ素材の動きやすさ、シンプルなラインの美しさ、黒という色が持つエレガンス。
それまで誰も「女性の服」として考えなかった素材やデザインが、彼女の目には「可能性」として映るようになったのです。
結果、彼女は女性ファッションに革命を起こし、今も愛されるブランドを築きました。
オードリー・ヘプバーンの「世界中の子どもたちを助けたい」
女優として大成功を収めたオードリー・ヘプバーン。
彼女が「世界中の困っている子どもたちを助けたい」というゴールを持った時、彼女の人生は大きく変わりました。
女優としてのキャリアは一つの手段でしかなくなり、ユニセフ親善大使として世界中を飛び回る日々が始まります。
彼女の目には、今まで見えていなかった「自分にできること」「必要とされている場所」「協力してくれる人たち」が次々と見えるようになりました。
もし彼女が「女優として成功する」というゴールだけに留まっていたら、この大きな貢献は生まれなかったでしょう。
なぜゴール設定でスコトーマが外れるのか
ここで、仕組みをもう少し深く見ていきましょう。
脳は「重要性」で情報を選んでいる
脳が情報を選別する基準は「重要かどうか」です。
そして、何が重要かを決めるのは「あなたが向かいたい未来」。つまり、あなたのゴールなのです。
ゴールを設定する前は、「今の自分」にとって重要な情報しか見えていません。今の仕事、今の人間関係、今の生活に関連する情報だけが意識に上がってきます。
でも、ゴールを設定すると、脳は「未来の自分」にとって重要な情報を探し始めるのです。
「未来の自分」が基準になる
例えば、「3年後に自分のブランドを立ち上げる」というゴールを設定したとしましょう。
その瞬間から、脳は「ブランドを立ち上げた自分」にとって重要な情報を探し始めます。
起業に関する本、ブランディングのセミナー、デザインの勉強会、製造を手伝ってくれるパートナー、資金調達の方法。今まで「自分には関係ない」と思っていた情報が、突然「これ、使えるかも!」と思えるようになります。
さらに不思議なことに、必要な情報や人が「向こうからやってくる」ように感じることもあります。偶然の出会いが増えたり、タイミングよく必要な情報が舞い込んできたり。
これは、情報や人が急に増えたわけではありません。あなたの脳が「見る基準」を変えたから、今まで素通りしていたものが見えるようになっただけなのです。
現状の外側にゴールを設定する意味
ここで大切なのは「現状の外側に」ゴールを設定することです。
現状の延長線上のゴールでは何も変わらない
「今の会社で昇進する」「今の貯金を少し増やす」「今の趣味をもう少し上達させる」
これらは悪いゴールではありません。でも、これらは「今の自分の延長線上」にあるゴールです。
今の自分のやり方、今の自分の考え方、今の自分の人間関係の範囲で達成できることなので、新しく見えてくるものはほとんどありません。
つまり、スコトーマはそのまま。今見えている世界がそのまま続くだけです。
現状の外側とは「どうやって達成するかわからない」ゴール
現状の外側のゴールとは、今の自分では達成方法がわからないゴール。
「本当にこんなこと実現できるのかな?」と少しドキドキするようなゴール。
そういうゴールを設定した時、脳は「今の自分の知識や経験では足りない」と気づきます。だから、今まで見ていなかった新しい情報を探し始めるのです。
あなたも体験できる|ゴール設定の実践
では、あなた自身でこの「スコトーマが外れる体験」をしてみましょう。
まずは暫定的なゴールから試してみる
いきなり大きなゴールでなくても大丈夫です。
例えば「3ヶ月後に、今まで行ったことがない国に一人旅に行く」という暫定的なゴールを設定してみてください。
ただ「いつか行けたらいいな」ではなく、「3ヶ月後に行く」と決めるのです。
その瞬間から、世界の見え方が変わり始めます。
書店に行けば旅行ガイドブックが目に入るようになります。SNSで海外旅行の投稿に敏感になります。職場で「実は私、その国に住んでたんです」という人が現れるかもしれません。
ゴールを紙に書き出す
より効果を高めるために、ゴールを紙に書き出してみましょう。
頭の中で思っているだけより、書き出すことで「これは本気で向かいたい未来なんだ」と脳が認識しやすくなります。
できれば、「なぜそのゴールを達成したいのか」という理由も一緒に書いてみてください。
「私は〇〇を達成する。なぜなら、それが私にとって本当に大切なことだから」
こんな風に、自分の言葉で書いてみるのです。
毎日ゴールをイメージする時間を作る
朝起きた時や夜寝る前の数分間、ゴールを達成した自分をイメージしてみてください。
どんな場所にいますか? 誰と一緒にいますか? どんな気持ちですか? 何が見えますか? どんな音が聞こえますか?
できるだけ具体的に、五感を使ってイメージすることで、脳は「これが私の未来だ」と認識し始めます。
すると、その未来に必要な情報が自然と意識に上がってくるようになるのです。
ゴールを設定することで広がる可能性
ゴールを設定してスコトーマが外れると、人生にどんな変化が起こるのでしょうか。
チャンスが「向こうからやってくる」感覚
多くの人が「ゴールを設定してから、偶然が重なるようになった」と言います。
必要な情報が舞い込んできたり、タイミングよく助けてくれる人が現れたり、思いがけないチャンスが訪れたり。
これは決して不思議な力ではありません。今まで見えていなかった情報や人が、あなたの意識に上がってきただけなのです。
行動が自然と変わる
ゴールが明確になると、何をすればいいかが自然とわかるようになります。
「やらなきゃ」という義務感ではなく、「これをやりたい」という自然な動機から行動できるようになるのです。
それは、あなたの脳が「未来の自分」を基準に情報を選び、行動を選ぶようになったから。
自分の可能性を信じられるようになる
「私にはこれしかできない」と思っていた世界から、「私にはこんな可能性もあったんだ」という世界へ。
スコトーマが外れることで、自分自身に対する見方も変わります。
新しい選択肢が見えてくることで、「私は変われる」「私には可能性がある」という感覚が育っていくのです。
今日からあなたにできること
この記事を読んで「面白いな」と思ったら、ぜひ今日から実践してみてください。
まずは小さな暫定的なゴールでいいのです。「来月、新しいカフェを5軒開拓する」でも「3ヶ月後に資格試験に合格する」でも。
大切なのは、ただ「できたらいいな」と思うのではなく、「私はこれを達成する」と決めること。
その決意の瞬間に、あなたの脳は新しい世界を見せてくれ始めます。
今まで気づかなかったチャンスが目の前に広がっていることに、きっと驚くはずです。
あなたの可能性は、今見えている世界の中だけにあるわけではありません。
ゴールを描くことで、新しい世界の扉が開き始めるのです。
