引き寄せの法則で願いが叶わない本当の理由｜科学が明かす真実

引き寄せの法則に魅了されたあなたへ

「思考は現実化する」「願えば叶う」——。

引き寄せの法則に関する本を何冊も読み、ノートに願いを書き続けてきた。ビジョンボードも作った。毎日アファメーションもした。

でも、現実は何も変わらない。

もしかして、そんな経験をしていませんか？

それは、あなたの願う力が弱いからではありません。そして、あなたの努力が足りなかったわけでもありません。

なぜ引き寄せの法則は魅力的なのか

シンプルで希望に満ちたメッセージ

引き寄せの法則が多くの人を惹きつけるのには、理由があります。

• シンプルでわかりやすい：ポジティブに考えれば良いことが起きる
• 希望を与えてくれる：誰でも幸せになれると感じさせてくれる
• 努力が不要に見える：考え方を変えるだけでいい

この「シンプルさ」こそが、引き寄せの法則の最大の魅力であり、同時に最大の落とし穴でもあるのです。

一時的な気分の高揚

引き寄せの法則を実践すると、確かに最初は気分が良くなります。

前向きな言葉を唱え、理想の未来を想像することで、一時的に心が軽くなるのは事実です。

でも、その気分の高揚が続かないとき、多くの人は「自分のやり方が間違っている」「もっと強く願わなければ」と自分を責めてしまいます。

引き寄せの法則の決定的な問題点

科学的根拠の欠如

まず知っておいてほしいのは、引き寄せの法則には科学的なエビデンスがないということです。

「思考がエネルギーを発して、宇宙に働きかける」という説明には、物理学的な根拠がありません。

もちろん、思考が人生に影響を与えることは事実です。でも、そのメカニズムは宇宙の法則ではなく、あなたの脳・無意識の働きによるものなのです。

あなたの行動の95%以上は無意識が決めている

私たちは、自分の意志で行動を選んでいると思っています。でも実際には、ほとんどの判断と選択は、意識が追いつく前に無意識が決めているのです。

つまり、いくら意識的に「お金持ちになりたい」と願っても、無意識が「私にはお金を稼ぐ能力がない」と判断していれば、自然とお金から遠ざかる行動を選んでしまいます。

ホメオスタシスという壁

脳には、現状を維持しようとする力が備わっています。

これは元々、生命を守るための機能でした。急激な変化は危険かもしれないから、「今の状態」を保とうとするのです。

引き寄せの法則は、このホメオスタシスに対抗する方法を教えてくれません。だから、一時的にやる気が出ても、すぐに元の状態に戻ってしまうのです。

自己イメージが変わらない

「私は豊かで幸せだ」と何度唱えても、心の奥底で「私はそんな人間じゃない」と思っていれば、脳はその不一致を解消しようとします。

そして、無意識の自己イメージの方が圧倒的に強いため、結局は「今の自分」に合った現実が維持されてしまうのです。

表面的な言葉だけでは足りない

引き寄せの法則では、ポジティブな言葉を唱えることが推奨されます。でも、言葉だけでは無意識レベルの自己イメージは変わりません。

必要なのは、もっと深いレベルでの変容です。

コンフォートゾーンの問題

あなたが「心地よい」と感じる領域——これがコンフォートゾーンです。

引き寄せの法則が描く理想の未来が、あなたのコンフォートゾーンの外側にある場合、無意識はそれを「居心地が悪い」と判断して拒絶します。

不安や違和感の正体

「本当に私が成功していいの?」
「こんな幸せ、私には似合わない」

こんな気持ちが湧いてくるのは、理想の未来があなたのコンフォートゾーンの外側にあるからです。

そして、引き寄せの法則は、このコンフォートゾーンを広げる具体的な方法を教えてくれません。

科学が教える本当の願望実現のメカニズム

スコトーマという心理的盲点

「チャンスがない」のではなく、「チャンスが見えていない」——これが真実です。

脳は毎秒膨大な情報を処理していますが、「自分にとって重要」と判断した情報しか意識に上げません。

つまり、あなたの無意識が「私には無理」と判断していれば、目の前にチャンスがあっても、それが見えないのです。

ゴール設定がスコトーマを外す

願いを実現するために本当に必要なのは、現状の外側にゴールを設定し、そこに臨場感を持つことです。

すると、脳は「このゴールに必要な情報は何か?」と問い始め、今まで見えなかった選択肢やチャンスが自然と見えてくるようになります。

エフィカシーの重要性

エフィカシーとは、「私にはゴールを達成する能力がある」という深い確信のこと。

引き寄せの法則では「願えば叶う」と言いますが、科学的には「できると確信しているから、自然とできる行動を選ぶ」という順序なのです。

エフィカシーを高める具体的な方法

• 過去の成功体験を思い出す：小さな成功でも構いません
• ゴールを達成している自分を五感で体験する：ただ想像するのではなく、その場にいるかのように感じる
• 優しいセルフトークを繰り返す：「私にはできる」を無意識に刻む

これらは、科学的に効果が証明されている方法です。

ブリーフシステムの書き換え

あなたの信念体系——これがブリーフシステムです。

「お金は汚い」「私には才能がない」「幸せになるのは難しい」

こういった信念が、あなたの可能性にブレーキをかけています。

引き寄せの法則は、このブリーフシステムを変える方法を教えてくれません。でも、コーチングでは、科学的な方法で信念を更新していきます。

信念を変えるステップ

1. 今の信念に気づく：何を「当たり前」だと思っていますか?
2. その信念を評価する：それはゴールにとってプラスですか?
3. 新しい信念を選ぶ：どんな信念を持ちたいですか?
4. 臨場感を持って体験する：新しい信念を持つ自分をリアルに感じる

臨場感が現実を決める

ここが最も重要なポイントです。

脳は、臨場感が高い方の世界を「現実」として認識します。

引き寄せの法則では「イメージする」ことが推奨されますが、それだけでは不十分です。必要なのは、五感と感情を総動員して、未来を今ここで体験することなのです。

ビジュアライゼーションの本質

ただ映像を思い浮かべるだけではありません。

• どんな音が聞こえますか?
• 空気の温度や匂いは?
• 体のどこに感覚がありますか?
• どんな感情が湧いていますか?

これほど具体的に、繰り返し体験することで、無意識は「これが私の現実だ」と認識し始めます。

引き寄せの法則を「科学的」に実践する

引き寄せの法則のすべてが間違っているわけではありません。

「思考が現実に影響を与える」というメッセージは正しいのです。ただ、そのメカニズムが誤解されているだけ。

正しい実践方法

引き寄せの法則の良い部分を残しつつ、科学的な方法を組み合わせることが大切です。

願うだけでなく、ゴールを設定する

「お金持ちになりたい」という漠然とした願いではなく、「年収〇〇円を達成し、△△な生活をしている」という具体的なゴールを設定します。

そして、それが現状の外側——今の延長線上では達成できない領域——にあることが重要です。

イメージするだけでなく、自己イメージを変える

毎日のセルフトークを観察し、ゴールに合致しているような言葉に置き換えていきます。

小さな成功体験を積み重ね、「私にはできる」という感覚を育てていきます。

ポジティブに考えるだけでなく、行動する

臨場感が高まると、自然とゴールに向かう行動を選ぶようになります。これは努力ではなく、自然な選択です。

無意識が「これが私の現実だ」と認識すれば、その現実を創るための行動が自動的に起きるのです。

あなたの願いは叶えられる

引き寄せの法則で願いが叶わなかったのは、あなたのせいではありません。

方法が不完全だっただけです。

脳と無意識の仕組みを理解し、科学的な方法で実践すれば、あなたの願いは確実に現実に近づいていきます。

今日から始められること

まずは、以下のことから始めてみてください。

1. 現状の外側にゴールを設定する：今の延長線上では達成できない大きなゴール
2. 毎日5分、ゴールを達成している自分を体験する：五感と感情を使って
3. セルフトークに気づく：自分にどんな言葉をかけていますか?

これらは、科学的根拠に基づいた実践です。

あなたの願いは、正しい方法で実践すれば、必ず実現できます。

必要なのは、宇宙の力ではなく、あなた自身のマインドの力なのです。

蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)

パーソナルコーチ

Contact

1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得