心と感情

セルフエスティームとは|自分を大切にできる心の土台

kokihasutami

「私なんて……」「どうせ私には無理」そんな言葉が、心の中で繰り返されていませんか?

自分を責めてばかりいると、どんなに頑張っても幸せを感じられなくなってしまいます。そんな時に見つめ直したいのが「セルフエスティーム」です。

セルフエスティームは、自分自身をどれだけ大切に思えるか、どれだけ自分の存在に価値を感じられるかを表す感覚のこと。日本語では「自尊心」と訳されますが、単なる自信とは少し違います。

この記事では、セルフエスティームとは何か、そしてどうすれば自分を大切にできる心の土台を育てられるのかをお伝えします。

セルフエスティームとは何か

自分の価値を自分で認める力

セルフエスティームとは、自分自身の価値に対する自己評価のことです。

「私は価値ある存在だ」と感じられる度合いを指していて、他人の評価や状況に左右されずに、自分の存在そのものを尊重できる感覚といえます。

「自信」との違い

よく混同されがちなのが「自信」ですが、実は少し意味が違います。

  • 自信:特定の能力やスキルに対する評価(例:「私はこの仕事ができる」)
  • セルフエスティーム:存在そのものへの評価(例:「私は大切な存在だ」)

自信は何かができる・できないという能力の話ですが、セルフエスティームは、何ができてもできなくても、自分には価値があると思える感覚なのです。

エフィカシーとの関係

セルフイメージの中には、2つの重要な自己評価があります。

  1. セルフエスティーム:自分の価値に対する自己評価
  2. エフィカシー:ゴールを達成する自己能力に対する自己評価

この2つは互いに影響し合っています。セルフエスティームが低いと、エフィカシーも下がってしまいます。逆に、セルフエスティームが高ければ、エフィカシーも自然と高まり、可能性が広がっていくのです。

セルフエスティームが低いとどうなるのか

自分を責め続けてしまう

セルフエスティームが低い状態では、次のような傾向が現れやすくなります。

  • 自分を責める言葉が止まらない
  • 他人の成功を素直に喜べず、嫉妬してしまう
  • 批判や他人の評価にとても敏感になる
  • 過去の失敗にいつまでも縛られる
  • 他人の評価に依存してしまう

こうした状態が続くと、どんなに頑張っても「自分はダメだ」という思いから抜け出せず、本来の力を発揮できなくなってしまいます。

可能性が狭まってしまう

セルフエスティームが低いと、エフィカシーも下がり、「私にはできない」という思い込みが強くなります。

そうすると、新しいことに挑戦する前から諦めてしまったり、チャンスが目の前にあっても気づけなくなったりします。可能性を広げる土台が、揺らいでしまうのです。

セルフエスティームを高める方法

自分の評価は自分で決める

セルフエスティームを高めるために、まず大切なのは自分の評価を自分で決めるということです。

私たちは、社会や周囲に「絶対的な評価基準」があるように感じて、その基準に合っているかどうかで自分を判断しがちです。

  • 「周りと比べて私はダメだ」
  • 「社会の基準に届いていない」
  • 「あの人より劣っている」

でも、セルフエスティームはあくまで自分自身の評価です。自分の外側にある基準に照らし合わせて決めるものではありません。

他人の基準ではなく、自分の基準を持つ

大切なのは、他人の基準で自分を測らないことです。

  • 年収がいくらだから価値がある
  • 容姿が良いから価値がある
  • 人気があるから価値がある

こうした外側の基準で自分を測ると、いつまでも満たされることはありません。

そうではなく、「私は私として、ここに存在していることに価値がある」と感じられる自分の基準を持つことが、セルフエスティームの土台になります。

ネガティブな自己評価をしない

セルフエスティームを高めるために、今日からできる実践があります。

それは、ネガティブな自己評価をしないことです。

セルフトークに気をつける

心の中で自分に語りかけている言葉(セルフトーク)を、意識してみてください。

  • 「私なんて……」
  • 「どうせ私には無理」
  • 「私はダメな人間だ」

こうした言葉を繰り返していると、無意識のうちにセルフイメージが形作られ、セルフエスティームがどんどん下がってしまいます。

自分だけでなく、他人も大切にする

もう一つ大切なのは、他人に対しても価値を下げるような言葉を使わないことです。

  • 「あの人はダメだ」
  • 「あいつは使えない」

他人の価値を下げる言葉を使っていると、無意識のうちに自分自身にも同じ基準を当てはめてしまいます。

他人を尊重する言葉を使うことは、結果的に自分自身を尊重することにもつながるのです。

成功体験を丁寧に振り返る

セルフエスティームを高めるには、小さな成功体験を言語化して記録することも効果的です。

  • 今日できたこと
  • 人に喜ばれたこと
  • 自分が頑張ったこと

どんなに小さなことでも構いません。それを書き出して、感情とともに思い出してみてください。

「私はこれができた」「私は価値ある行動をした」という体験の積み重ねが、セルフエスティームを支える記憶になります。

自分に優しい言葉をかける

毎日、自分に優しい言葉をかけることを習慣にしてみてください。

  • 「今日もよく頑張ったね」
  • 「私はここにいていいんだ」
  • 「私には価値がある」

最初は違和感があるかもしれません。でも、繰り返すうちに、その言葉が心に根付いていきます。

セルフエスティームが高まると何が変わるのか

他人の評価に左右されなくなる

セルフエスティームが高まると、他人の評価や批判に一喜一憂しなくなります。

「私は私として価値がある」という土台があるので、他人の言葉に振り回されることが減り、自分らしく生きられるようになります。

挑戦できるようになる

自分の価値を信じられると、エフィカシーも自然と高まります。

「私にはできる」という感覚が生まれ、新しいことに挑戦する勇気が湧いてきます。

人間関係が健全になる

セルフエスティームが高い人は、他人を尊重しながら、自分も大切にできます。

自分を犠牲にして他人に尽くすこともなく、他人を攻撃することもなく、健全でバランスの取れた人間関係を築けるようになります。

幸福感が高まる

何よりも、日々の幸福感が高まります

自分を大切にできる感覚があると、小さなことにも喜びを感じやすくなり、人生全体の満足度が上がっていくのです。

自分を大切にすることから始めよう

セルフエスティームは、自分の価値を自分で認める力です。

他人の基準ではなく、自分の基準で自分を評価すること。ネガティブな言葉を手放し、優しい言葉を自分にかけること。

それだけで、心の土台は少しずつ整っていきます。

自分を大切にできる感覚は、豊かで幸せな人生を築くための、かけがえのない土台です。今日から、自分に優しい言葉をかけることから始めてみませんか?

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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