職場の嫌な人に振り回されない｜人間関係のストレスを激減させる考え方
蓮彩聖基
脳と心のトリセツ
人間関係は数より質｜ゴールから見直す本当に大切な関係
蓮彩聖基
友達の数は、本当に人生の豊かさを表しているのか
数字に価値を感じてしまう私たち
SNSのフォロワー数、LINEの友達リスト、名刺交換した人の数。
私たちはつい、これらの「数字」を自分の価値のように感じてしまうことがあります。「人脈がある」「顔が広い」という言葉に、どこか憧れを抱いてしまうこともあるかもしれません。
でも、ここで一度考えてみてほしいのです。
あなたのLINEに何百人の連絡先があったとして、その中で本当に困ったときに助けてくれる人は何人いるでしょうか？ 一緒に問題を考えてくれる人、真剣に向き合ってくれる人は？
その答えが、あなたの人間関係の本当の姿を映し出しています。
「ただの数字」になっていないか
友達が多いこと、知り合いが多いこと。それ自体は悪いことではありません。でも、それが「ただの数字」になってしまっているなら、果たしてあなたの人生にとってどれだけの意味があるのでしょうか。
とりあえずLINEを交換しただけ、一度会っただけ、SNSでつながっただけ——そういった関係が積み重なって、見かけ上の数字だけが膨らんでいく。それは本当の意味での「人間関係」とは呼べないのかもしれません。
「広く浅い」関係の落とし穴
刷り込まれた価値観に気づく
私たちは社会の中で「友達は多い方がいい」という価値観を知らず知らずのうちに刷り込まれてきました。
学校でも、職場でも、「あの人は友達が多くてすごい」という評価を耳にしてきたはずです。でも、それは本当にあなた自身の信念でしょうか？ それとも、どこかで受け入れてしまった他人の価値観でしょうか？
広く浅い関係の特徴
広く浅い人間関係には、こんな特徴があります。
- 困ったときに頼れない
- 本音で話せない
- 会っても表面的な会話で終わる
- 相手のことをよく知らないまま時間だけが過ぎる
- 自分が本当に大変なときに連絡できない
これは、ただの「知り合い」であって、本当の意味での「関係性」とは呼べないのです。
ビジネスでも同じこと
ビジネスの世界でも同じことが言えます。SNSのフォロワーが何万人いたとしても、その中でコアなファンになってくれる人がどれだけいるかが重要です。数だけを追い求めても、本当に価値のある関係は生まれません。
結局のところ、誰でもいいのであれば、それはあなたにとって重要な関係ではないということです。フォロワーが多ければ多いほどいい、友達が多ければ多いほどいい——その論理の先には、ただの数字があるだけなのです。
関係があるから、存在が生まれる
人は一人では生きていけない
私たちは一人では生きていけません。
人生のあらゆる場面で、誰かとの関係性の中に存在しています。仕事、健康、趣味、家族、社会貢献——バランスホイールのどの領域を見ても、そこには必ず人との関わりがあります。
糸のように紡がれる関係性
関係性は糸のように紡がれていきます。そして、その糸が蜘蛛の巣のように張り巡らされて、私たちの人生を形作っています。
何かを成し遂げようとするとき、ゴールに向かおうとするとき、必ずそこには人との関わりが生まれます。新しい挑戦には新しい出会いが伴い、新しい関係性が築かれていくのです。
だからこそ大切なのは、その関係性があなたのゴールに向かう力になっているかどうかということです。
あなたが理想とする未来を思い描いたとき、その世界にはどんな人がいますか？ どんな関係性が存在していますか？ 今のあなたの人間関係は、その未来につながっているでしょうか。
ゴール側のコンフォートゾーンから人間関係を見直す
未来の自分が心地よい世界を明確にする
ゴールを設定するということは、未来の自分が心地よいと感じる世界を明確にすることです。
そのゴール側のコンフォートゾーンを意識したとき、今の人間関係はどう見えるでしょうか。
自分のゴールを実現している姿をイメージしてみてください。その世界で、あなたはどんな人たちに囲まれていますか？ どんな会話をして、どんな価値観を共有していますか？
その未来の人間関係と、今の人間関係を比べてみたとき、ギャップを感じることがあるかもしれません。
自分の人生に責任を持つ選択
もし、ある関係性があなたのゴールにとって重要でないと感じるなら、無理にその関係を維持し続ける必要はありません。これは冷たいことではなく、自分の人生に責任を持つ選択です。
わざわざ関係を切る必要はないかもしれませんが、どこにエネルギーを注ぐかを意識的に選ぶことは大切です。友達の見かけ上の人数が多いからといって、それがゴール達成に貢献するわけではないのです。
「友達は多い方がいい」という信念を疑ってみる
ブリーフシステムに潜む思い込み
私たちのブリーフシステム（信念体系）には、知らないうちに形成されたさまざまな思い込みが存在しています。
「友達は多ければ多いほど人生は良くなる」
これもその一つかもしれません。でも、この信念は本当に正しいのでしょうか？
その信念はいつ形成されたのか
もしあなたがこの信念を持っているとしたら、それはいつ、どこで形成されたものでしょうか。親から言われた言葉かもしれません。学校で感じた空気かもしれません。テレビやSNSで見た「人気者」のイメージかもしれません。
でも、それはあなた自身が選んだ信念ではない可能性があります。
誰かに思い込まされた信念で生きているとしたら、それはあなたの人生ではなく、誰かの価値観に従った人生になってしまいます。
数ではなく質が大切
本当に大切なのは、数ではなく質です。100人の知り合いよりも、心から信頼できる5人の関係の方が、あなたの人生を豊かにしてくれる可能性が高いのです。
この信念を書き換えることで、人間関係の見え方は大きく変わります。
自分にとっての「重要性」を基準にする
相手の評価ではなく、自分の基準で考える
人間関係を見直すときに大切なのは、「自分にとってどれだけ重要か」という基準です。
これは相手があなたをどう思っているかとは別の話です。相手からの評価を気にする必要はありません。あくまで、あなた自身の人生とゴールにとって、その関係性がどれだけ意味を持つかを考えてみてください。
時間とエネルギーには限りがある
みんながみんな同じように重要だと思う必要はありません。もちろん、すべての人を大切に思うことは素晴らしいことですが、現実問題として、私たちの時間とエネルギーには限りがあります。
だからこそ、限られた時間とエネルギーをどこに注ぐかを意識的に選ぶことは、あなたの人生を大きく変える力を持っています。
ゴール側の自分、理想的な未来の自分にとって、今の人間関係の中で本当に重要なものは何か。その視点で見つめ直してみてください。
ゴール達成している自分の周りにいる人をイメージする
ビジュアライゼーションの力
ビジュアライゼーションは、人間関係においても強力な力を発揮します。
あなたがゴールを達成している未来を想像してみてください。その世界で、あなたの周りにはどんな人がいますか？
未来の人間関係を具体的に描く
- どんな会話をしていますか？
- どんな価値観を共有していますか？
- お互いにどんな存在でいますか？
- あなたを応援してくれる人は誰ですか？
- あなたが応援している人は誰ですか？
その未来の人間関係をリアルに感じることができたら、今の人間関係の見え方も変わってくるはずです。
そして、その未来に合致する人間関係を意識的に築いていくことが大切です。
ゴール側の人間関係を築いていく
既存の関係性の変化
ゴール側の世界に存在する人間関係が見えてきたら、今度はそれに合致する関係性を築いていく番です。
まず起こるのは、既存の関係性の変化です。
今ある関係性の中で、ゴールに向かう上で大切な関係がより深まっていきます。逆に、ゴールとは関係のない関係性は自然と薄れていくこともあります。これは悪いことではなく、あなたが成長している証拠です。
新しい関係性の誕生
次に起こるのは、新しい関係性の誕生です。
ゴールに向かう中で、今のあなたには想像もつかない出会いが生まれてきます。関係があって存在が生まれる——この言葉の通り、新しいゴールを持つことで、新しい関係性が自然と生まれてきます。
RASが働き始める
ゴール側のコンフォートゾーンに意識を向け続けることで、RAS（網様体賦活系）が働き、必要な人との出会いに気づけるようになります。今まで見えていなかったチャンスや縁が、突然目に入ってくるようになるのです。
数字に惑わされない、本物の人間関係へ
数字はあなたの豊かさを表さない
SNSの時代において、数字は常に目に見える形で私たちの前に現れます。
フォロワー数、いいねの数、友達の数——これらは一つの指標ではありますが、あなたの人生の豊かさを表すものではありません。
本当に大切なのは、あなたのゴールを応援してくれる人、困ったときに一緒に考えてくれる人、本音で語り合える人との関係です。
そういった関係は、数で表せるものではありません。
どの関係に時間を注ぐかを選ぶ
見かけの数字を追い求めるのをやめて、本当に大切な関係性に目を向けてみてください。今あるすべての関係を切る必要はありません。でも、どの関係に時間とエネルギーを注ぐかを意識的に選ぶことはできます。
あなたの人生とゴールにとって本当に大切な関係性は何か。その問いを持ち続けることが、より豊かな人生への道を開いてくれるはずです。
そして、ゴール側の未来で出会う人たちとの新しい関係性を楽しみにしていてください。あなたが変わることで、周りの人間関係も必ず変わっていきます。
ABOUT ME
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
