心と感情

過去の自分に「よく頑張ったね」と言えたとき、人生は変わり始める

蓮彩聖基

あなたは最近、自分自身を褒めたことがありますか?

誰かに認められることを待ち続けて、自分で自分を認めることを忘れてしまっていませんか?

私たちは他人からの評価にはとても敏感です。けれど、自分自身からの評価には、驚くほど無頓着なのです。

誰よりもあなたを知っている人

あなたの人生を、最初から最後まで見てきた人がいます。

あの夜、布団の中で泣いたことを知っている人。誰にも言えない不安を抱えて眠れなかった夜を知っている人。何度もやり直して、何度も失敗して、それでも諦めなかったことを知っている人。

それは、あなた自身です。

他の誰でもない、あなただけが、あなたの本当の頑張りを知っています。

見えない努力

世の中で評価されるのは、目に見える結果ばかりです。

成功したこと。達成したこと。形になったこと。

けれど、あなたが本当に頑張ったのは、そこに至るまでの見えない道のりではなかったでしょうか。

誰にも気づかれない朝の支度。言いたいことを飲み込んだ瞬間。傷ついても笑顔でいた時間。迷いながらも一歩を踏み出した勇気。

これらは誰の目にも映りません。けれど、あなたはちゃんと覚えています。

自分を責めることの重さ

多くの人が、過去の自分を責めています。

「あのとき、もっとこうすればよかった」「どうしてあんな選択をしたんだろう」「私は何をやってもダメだ」

この声が、心の中で何度も何度も繰り返されています。

一日に何万回とも言われる心の中の独り言。その多くが、自分を責める言葉で埋め尽くされているとしたら、どれほど心は疲れてしまうでしょう。

自分への厳しさという呪い

なぜ私たちは、他人には優しくできるのに、自分には厳しいのでしょう。

友人が失敗したら「大丈夫だよ、よく頑張ったね」と言えるのに、自分が失敗したら「どうしてできないの」と責めてしまう。

この不均衡さに、多くの人は気づいていません。

自分に厳しくすることが美徳だと教えられてきたからです。甘えてはいけない、もっと頑張らなければ、まだまだ足りない。そう言い聞かせてきたからです。

けれど、それは本当に正しいのでしょうか。

感動という光

「よく頑張ったね」

この言葉を、心から自分に言えたとき、何かが変わります。

胸の奥から温かいものが込み上げてくる感覚。目の奥がじんわりと熱くなる感覚。それは、真の感動です。

映画を観て感動するのとは、まったく違う種類の感動。外から与えられるものではなく、自分の内側から湧き上がる感動。

これこそが、人生を変える力を持っています。

過去と和解する

過去の自分に「よく頑張ったね」と言えること。それは、過去と和解することです。

あのときの選択が間違っていたかもしれない。もっと良い方法があったかもしれない。けれど、あのときのあなたは、あのときのあなたにできる精一杯のことをしたのです。

その事実を認めること。それが、過去と和解するということです。

和解した過去は、もうあなたを苦しめません。むしろ、あなたを支える土台になります。

自分を褒めることの本当の意味

「自分を褒める」と聞くと、甘やかすことだと思う人がいます。

けれど、それは違います。

自分を褒めることは、自分の存在を認めること。自分の価値を信じること。自分を大切にすること。

これらは、すべての成長の土台です。

根を張る木のように

どんなに高く伸びたい木も、根がなければ倒れてしまいます。

自分を認める気持ち。自分を大切にする心。これが、あなたという木の根っこです。

根がしっかりしていれば、どんな風が吹いても倒れません。どんな高さにも伸びていけます。

反対に、根が弱ければ、少しの風で揺らいでしまいます。高く伸びようとすればするほど、不安定になってしまいます。

自分を褒めることは、この根っこを育てることなのです。

具体的な実践

一日の終わりに

夜、眠りにつく前に、今日一日を振り返ってみてください。

大きな成果である必要はありません。朝起きられたこと。仕事に行ったこと。ご飯を食べたこと。誰かに優しくできたこと。

当たり前のように見えることの中に、実はたくさんの頑張りがあります。

「今日もよく頑張ったね」

そう、自分に声をかけてあげてください。

言葉にする力

心の中で思うだけでなく、声に出してみることも大切です。

鏡の前で、自分の目を見ながら「よく頑張ったね」と言ってみる。

最初は恥ずかしいかもしれません。違和感があるかもしれません。

けれど、続けていくうちに、その言葉が心に染み込んでいきます。そして、本当にそう思えるようになっていきます。

感動が生む変化

過去の自分を認められたとき、不思議なことが起こります。

未来の自分も信じられるようになるのです。

「あのときも頑張れたのだから、これからも大丈夫」

そんな確信が、心の奥底から湧いてきます。

土台ができた人の強さ

自分を認められる人は、他人の評価に振り回されなくなります。

もちろん、認められれば嬉しいし、批判されれば悲しい。それは変わりません。

けれど、自分の価値を自分で知っている人は、他人の言葉に一喜一憂しなくなります。自分の軸がしっかりしているからです。

この安定感が、新しい挑戦への勇気を生みます。失敗を恐れなくなります。なぜなら、たとえ失敗しても、自分の価値は変わらないと知っているからです。

他人を認める力

面白いことに、自分を認められるようになると、他人も認められるようになります。

自分を責めている人は、無意識のうちに他人も責めています。自分に厳しい人は、他人にも厳しくなりがちです。

反対に、自分を許せる人は、他人も許せます。自分を認められる人は、他人の頑張りも見えるようになります。

人間関係が、自然と温かくなっていきます。

あなたへの問いかけ

あなたは今まで、どれだけ頑張ってきましたか?

誰にも気づかれなかった努力。報われなかった時間。それでも諦めなかった日々。

それらすべてを、あなた自身が知っています。

今日、一度だけでいいので、自分に言ってあげてください。

「よく頑張ったね」

その言葉が心に響いたとき、あなたの中で何かが動き始めます。

それが、真の感動というものです。

そして、その感動は、あなたをもっと遠くへ連れて行ってくれる力になるのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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