女性の生き方

自己肯定感とエフィカシーの違い|セルフトークで未来を変える方法

蓮彩聖基

自己肯定感とエフィカシーは何が違うのか

一般的な自己肯定感の意味

自己肯定感という言葉は、日常的によく使われるようになりました。

一般的には「自分に自信がある」「自分を認められている」という状態を指すことが多いです。

自己肯定感が高い状態とは、自分のことを「素晴らしい人間だ」と思えていること。反対に低い状態とは、「やっぱり私はダメなんだ」と思ってしまっていることです。

誰かに否定的なことを言われて「自己肯定感を下げられた」と感じる時、それは自信を失ってしまった、自分の価値を低く見積もるようになってしまった、ということを意味しています。

エフィカシーという概念

コーチングでは、自己肯定感という言葉はあまり使いません。代わりにエフィカシーという言葉を使います。

エフィカシーとは、自分のゴールを達成する自己能力の自己評価のことです。

ここで重要なのは、エフィカシーには必ず「ゴール」が存在するという点です。単に「自分に自信がある」という漠然とした感覚ではなく、「このゴールを私は達成できる」という具体的な確信を指しています。

なぜエフィカシーが重要なのか

エフィカシーが高ければ、ゴール達成のための方法が見えるようになります。

これは不思議なことのように聞こえるかもしれません。ですが、私たちの脳にはスコトーマという働きがあります。スコトーマとは心理的な盲点のこと。自分にとって重要でないと判断した情報は、目の前にあっても見えなくなってしまうのです。

エフィカシーが低い状態では、「どうせ私には無理」という前提があるため、ゴール達成につながる情報やチャンスがスコトーマに隠れてしまいます。

反対にエフィカシーが高い状態では、「私には達成できる」という前提があるため、必要な情報やチャンスが自然と目に入ってくるようになります。

セルフトークが自己評価を形作っている

私たちは1日中独り言を言っている

あなたは1日に何回、独り言を言っていますか?

独り言には2種類あります。ひとつは実際に口に出してブツブツ言っている独り言。もうひとつは、心の中で思っている独り言です。

実は、私たちは1日の中で数万回もの思考を繰り返していると言われています。その大半は無意識的に行われているため、自分がどんなことを考えているか、普段は意識していません。

思考を構成する3つの要素

私たちの思考は、3つの要素で構成されています。

  1. 言葉 – 頭の中で使う言語
  2. 映像 – 言葉から想起されるイメージ
  3. 感情 – 言葉と映像から生まれる感覚

この3つが組み合わさって、私たちの思考は形作られています。そしてこの3つの要素による自分自身への語りかけをセルフトークと呼びます。

言葉が映像と感情を呼び起こすメカニズム

ここで、ひとつ実験をしてみましょう。

「レモンを思い浮かべないでください」

いかがでしょうか。思い浮かべないでくださいとお伝えしたにもかかわらず、レモンが頭に浮かんだのではないでしょうか。

これが、言葉の持つ力です。

「レモン」という言葉を聞いただけで、黄色い楕円形の果物の映像が浮かびます。人によっては、その酸っぱさまでイメージして、実際に唾液が出てきた方もいるかもしれません。

たったひとつの言葉が、映像を呼び起こし、感情や身体反応まで引き起こす。これが私たちの脳の仕組みなのです。

セルフトークがセルフイメージを形作る

1日数万回の思考。その中で、あなたはどんな言葉を自分に対して使っているでしょうか。

セルフイメージとは、自分自身に対する無意識の認識のことです。「私はこういう人間だ」という心の中の自分像と言えます。

このセルフイメージは、日々のセルフトークによって形作られています。

「私なんてダメだ」という言葉を繰り返していれば、ダメな自分の映像が浮かび、無力感や落胆の感情が生まれます。そしてそれが、「私はダメな人間だ」というセルフイメージを強化していきます。

反対に「私にはできる」という言葉を使っていれば、成功している自分の映像が浮かび、自信や期待の感情が生まれます。それが「私は能力のある人間だ」というセルフイメージを育てていくのです。

ネガティブなセルフトークはなぜ生まれるのか

他人の言葉を受け入れてしまっている

1日数万回の思考のうち、その大半はネガティブなものだと言われています。

なぜでしょうか。

それは、私たちのセルフトークの多くが、他人の言葉を元に作られているからです。

幼い頃から「あなたには無理」「もっとしっかりしなさい」「どうしてできないの」といった言葉を繰り返し聞いてきた人は、その言葉が無意識に刻み込まれています。

大人になった今でも、かつて言われた言葉が自分の内側で再生され続けているのです。

情動記憶とセルフトークの関係

特に強い感情を伴った体験は、情動記憶として深く刻まれます。

情動記憶とは、感情を伴った体験の記憶のこと。普通の記憶は時間とともに薄れていきますが、情動記憶は何年経っても鮮明に残り、今の行動に影響を与え続けます。

たとえば、人前で発表して恥ずかしい思いをした経験があると、「人前で話すと失敗する」というセルフトークが無意識に生まれやすくなります。

逆に、挑戦して成功した喜びの体験があれば、「挑戦すると良いことがある」というセルフトークが生まれやすくなります。

ネガティビティ・バイアスという脳の傾向

人間の脳には、ネガティブな情報に注目しやすいという傾向があります。これはネガティビティ・バイアスと呼ばれています。

進化の過程で、危険を察知することが生存に直結していたため、私たちの脳はネガティブな情報を優先的に処理するようになりました。

この傾向があるため、意識しなければセルフトークは自然とネガティブな方向に偏りやすいのです。

だからこそ、意識的にポジティブなセルフトークを選ぶことが重要になります。

セルフトークを変える具体的な方法

まずは自分のセルフトークに気づく

セルフトークを変える第一歩は、自分がどんなセルフトークをしているかに気づくことです。

普段、無意識に行われている心の中の独り言を、意識的に観察してみましょう。

観察のポイント

  • 朝起きた時、最初に何を考えているか
  • 仕事でミスをした時、自分に何と言っているか
  • 鏡を見た時、どんな言葉が浮かぶか
  • 夜寝る前、何を考えているか

観察を続けていくと、自分がどんなパターンのセルフトークをしているか見えてきます。

ネガティブなセルフトークを置き換える

ネガティブなセルフトークに気づいたら、それをポジティブな言葉に置き換える練習をします。

置き換えの例

  • 「私なんてダメだ」→「私は成長している途中だ」
  • 「どうせ失敗する」→「やってみなければわからない」
  • 「私には無理」→「私にもできる方法があるはずだ」
  • 「また間違えた」→「次はもっとうまくやれる」

最初は違和感があるかもしれません。それでも続けていくことで、新しいセルフトークが自然なものになっていきます。

「私らしい」「私らしくない」を使い分ける

シンプルで効果的な方法があります。

うまくいった時は「私らしい」と言う。うまくいかなかった時は「私らしくない。次は○○する」と言う。

この言葉の使い分けによって、成功を自分のセルフイメージに組み込み、失敗は一時的なものとして処理することができます。

他人からの賞賛を受け取る

他人から褒められた時、どう反応していますか?

「いえいえ、そんなことないです」と否定していませんか?

せっかくの賞賛を否定することは、自分の価値を下げるセルフトークになってしまいます。

褒められた時は、素直に「ありがとうございます」と受け取りましょう。その言葉を受け入れることで、ポジティブなセルフイメージが育っていきます。

セルフトークがエフィカシーを高める

言葉を変えると未来が変わる理由

セルフトークを意識的に変えていくと、何が起きるでしょうか。

まず、セルフイメージが変わります。「私はダメな人間だ」から「私には可能性がある」へ。

セルフイメージが変わると、エフィカシーが高まります。「私にはゴールを達成する力がある」と信じられるようになります。

エフィカシーが高まると、スコトーマが外れます。今まで見えなかったチャンスや方法が見えるようになります。

そして、行動が変わります。新しい挑戦ができるようになり、実際に結果が変わっていきます。

コンフォートゾーンとセルフトークの関係

コンフォートゾーンとは、人がストレスを感じずに安心して過ごせる領域のことです。

私たちは無意識のうちに、セルフイメージに合った環境や行動をコンフォートゾーンとして設定しています。

「私にはこれくらいが似合っている」という無意識の設定が、行動の範囲を決めているのです。

セルフトークを変えてセルフイメージが更新されると、コンフォートゾーンも広がっていきます。今まで「私には無理」と思っていたことが、「私にもできるかもしれない」に変わり、行動の選択肢が増えていくのです。

今日から始める小さな一歩

セルフトークを変えることは、今日からすぐに始められます。

今日からできること

  1. 自分の心の中の独り言を観察する
  2. ネガティブな言葉に気づいたら、一度立ち止まる
  3. 「私なんて」と言いそうになったら、別の言葉に置き換える
  4. うまくいった時は「私らしい」と言う
  5. 褒められたら素直に受け取る

大きな変化は、小さな積み重ねから生まれます。

あなたの言葉があなたの未来を創る

セルフトークは、あなたが意識すれば変えられるものです。

「私なんてダメだ」という言葉を使い続けるのか、「私には可能性がある」という言葉を選ぶのか。それはあなた自身が決めることができます。

1日数万回の思考。その一つひとつが、あなたのセルフイメージを形作り、エフィカシーに影響を与え、未来の行動を決めています。

今日から、自分の独り言に意識を向けてみてください。そしてネガティブな言葉に気づいたら、優しく、でも確実に、新しい言葉に置き換えていきましょう。

あなたの言葉が、あなたの未来を創っていきます。

その力は、すでにあなたの中にあるのです。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
蓮彩 聖基 (はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ。苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了。ドクター苫米地ワークス修了。田島大輔グランドマスターコーチに師事。認知科学者 苫米地英人博士より、無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得。
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