心と感情

今、辛いあなたへ|苦しみの先に待っているもの

蓮彩聖基

闇の中でしか見えない星がある

晴れた昼間、空を見上げても星は見えません。

太陽の光が明るすぎて、星の輝きがかき消されてしまうからです。

けれど、夜になれば、無数の星が現れます。暗闘が深ければ深いほど、星はより鮮やかに輝いて見えます。

これは、人生にも当てはまることなのです。

順風満帆なときには気づけない

すべてがうまくいっているとき、私たちは多くのことを見落としています。

当たり前のように思っていた健康。そばにいてくれる人の存在。毎日食べられるご飯。眠れる場所があること。

これらは、失いかけたときに初めてその価値に気づきます。

苦しみは、私たちの目を開かせてくれるのです。普段は見過ごしていた大切なものを、はっきりと照らし出してくれるのです。

本当に大切なものが浮かび上がる

苦しいとき、余計なものが削ぎ落とされていきます。

見栄やプライド、他人からどう思われるかという心配。そういったものが、苦しみの中では意味をなさなくなります。

そして残るのは、本当に大切なものだけ。

自分が本当に求めていたこと。本当に愛している人。本当に生きたい人生。

種が芽を出すまでの暗闘

一粒の種が花を咲かせるまでには、長い時間を土の中で過ごさなければなりません。

暗い土の中で、誰にも見られることなく、じっと時を待つ。光もなく、称賛もなく、ただ静かに力を蓄える。

その時間があるからこそ、やがて芽は地上に顔を出し、美しい花を咲かせることができるのです。

苦しみは準備の時間

今のあなたの苦しみも、そのような時間なのかもしれません。

何も進んでいないように感じる。むしろ後退しているように感じる。

けれど、土の中の種が「何も起きていない」わけではないように、あなたの中でも確実に何かが起きています。

根を張っているのです。やがて大きく伸びるための、見えない根を。

冬があるから春が来る

一年中春だったら、私たちは春のありがたみを知らないでしょう。

厳しい冬を越えるからこそ、春の温かさが身に染みます。長い夜を過ごすからこそ、朝日の美しさに心が震えます。

あなたが今いる場所が冬なら、それは春が来る前兆です。

どんなに長い夜も、必ず明けます。これは、この世界の揺るぎない法則なのです。

傷ついた人だけが持てる優しさ

不思議なことに、人の痛みがわかる人は、自分も痛みを知っている人です。

苦しんだことのない人は、苦しんでいる人の気持ちがわかりません。悲しんだことのない人は、悲しんでいる人に寄り添えません。

あなたが今味わっている苦しみは、やがて誰かを救う力になります。

癒された傷が誰かを癒す

今は信じられないかもしれません。

こんな苦しみに何の意味があるのか。なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか。

その答えは、今はわからなくていいのです。

ただ、いつか振り返ったとき、あの苦しみがあったから今の自分がいる。あの経験があったから、この人を助けることができた。そう思える日が来ます。

傷は、癒されたとき、最も強い場所になります。そして、同じ傷を持つ人を癒す力になるのです。

弱さの中にある強さ

強がることが強さではありません。

弱さを認められること。助けを求められること。涙を流せること。

これらは、本当の強さの表れです。

自分の弱さを知っている人は、他人の弱さに優しくなれます。自分の限界を知っている人は、他人の限界を責めません。

あなたが今感じている弱さは、やがてあなたの最大の強みになるのです。

苦しみの中での過ごし方

無理に前を向かなくていい

「ポジティブに考えなきゃ」と自分を追い詰めないでください。

悲しいときは悲しんでいい。辛いときは辛いと言っていい。泣きたいときは泣いていい。

感情を押し殺すことは、傷口に蓋をするようなもの。一時的には楽になったように見えても、中で膿んでしまいます。

感じることを許してあげてください。それが、本当の意味で癒えていくための第一歩です。

今日一日だけを生きる

先のことを考えると、不安で押しつぶされそうになります。

「この先どうなるんだろう」「いつまで続くんだろう」

その問いに、今答える必要はありません。

今日一日を生きること。それだけで十分です。

明日の心配は明日に任せて、今日という日をただ生き延びること。それができたら、自分を褒めてあげてください。

小さな光を見つける

真っ暗闘の中でも、小さな光はあります。

温かいお茶を飲んだときのほっとする感覚。窓から差し込む朝日。誰かからの短いメッセージ。

大きな希望を探す必要はありません。小さな光を、一つずつ見つけていくこと。

その小さな光の積み重ねが、やがてあなたを照らす大きな光になっていきます。

あなたは一人ではない

苦しみの中にいると、自分だけが取り残されたような気持ちになるかもしれません。

誰もわかってくれない。誰も助けてくれない。自分だけがこんな目に遭っている。

けれど、それは苦しみが見せる幻です。

今この瞬間も、世界のどこかで、あなたと同じように苦しんでいる人がいます。同じように涙を流している人がいます。同じように夜明けを待っている人がいます。

あなたは、一人ではないのです。

苦しみの先にあるもの

今は信じられなくても構いませんが、苦しみは永遠には続きません。

どんなに深い悲しみも、時間とともに形を変えていきます。どんなに暗い夜も、必ず明けます。

そして、この苦しみを越えたとき、あなたは今よりもっと深く、もっと優しく、もっと強い人になっています。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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