心と感情

将来が漠然と不安なとき、心を落ち着かせるために整理すべき5つのこと

蓮彩聖基

「このままでいいのかな」「5年後、10年後の自分が想像できない」そんな漠然とした不安を感じることはありませんか?

将来への不安は、決してあなたが弱いから感じるものではありません。むしろ自分の人生を真剣に考えているからこそ湧いてくる感情なのです。

この記事では、漠然とした不安を抱えたときに整理すべきことをお伝えしていきます。

漠然とした不安の正体を知る

なぜ「漠然」としているのか

将来への不安が「漠然」としているのには理由があります。それは不安の対象がはっきりしていないからです。

「仕事のこの部分が不安」「お金がいくら足りない」というように具体的であれば、対策を立てることができます。しかし、ぼんやりと「なんとなく不安」という状態では、何をどうすればいいのかわかりません。

だからこそ、まず「漠然」を「具体的」に変えることが大切なのです。

不安は「見えないもの」に対して生まれる

人間の心は、見えないものに対して恐怖を感じる性質を持っています。

暗い部屋が怖いのは、何があるかわからないから。将来が不安なのも、これから何が起こるかわからないからです。

しかし、電気をつければ暗い部屋の恐怖は消えます。同じように、将来について「見える化」すれば、不安は小さくなっていくのです。

整理すべきこと①:今、何が不安なのかを言葉にする

頭の中のモヤモヤを外に出す

最初にやるべきことは、不安を言葉にして書き出すことです。

ノートでもスマホのメモでも構いません。「何が不安なのか」を、思いつくままに書いてみてください。

  • 仕事がこのまま続けられるか不安
  • 結婚できるかわからない
  • 老後のお金が心配
  • 今の自分に自信がない
  • やりたいことがわからない

何でも構いません。正解も不正解もないので、浮かんだことをそのまま書き出すのです。

書くことで脳が整理される

なぜ書くと楽になるのか

頭の中だけで考えていると、同じ不安がぐるぐると回り続けます。しかし、書き出すと脳は「処理した」と認識するのです。

また、目に見える形にすることで「意外と数が少ない」「同じことばかり考えていた」と気づくこともあります。

具体的な書き方

  • まず5分間、手を止めずに書き続ける
  • 文章になっていなくてもいい
  • 同じことが何度出てきてもいい
  • 誰にも見せないので正直に書く

書き終わったら、少し時間を置いてから見返してみましょう。客観的に眺めることで、新しい気づきが得られます。

整理すべきこと②:「事実」と「想像」を分ける

不安の多くは「まだ起きていないこと」

書き出した不安を見返してみてください。その中で、すでに起きている事実はいくつありますか?

おそらく、ほとんどが「これから起きるかもしれないこと」への心配ではないでしょうか。

  • 「仕事を失うかもしれない」→まだ失っていない
  • 「結婚できないかもしれない」→まだわからない
  • 「老後にお金が足りないかもしれない」→まだ来ていない

不安の多くは、実際には起きていない「想像」なのです。

想像を事実だと思い込まない

脳は想像と現実を区別しにくい

私たちの脳には、想像と現実を明確に区別できないという特性があります。

だから、「失敗するかもしれない」と想像すると、まるで本当に失敗したかのような不安や恐怖を感じてしまうのです。

今この瞬間に意識を戻す

「これは今起きていることか、それとも想像か?」と問いかける習慣をつけてみてください。

想像であれば、「今は大丈夫」と認識できます。今この瞬間に意識を戻すだけで、不安はずいぶんと軽くなるものです。

整理すべきこと③:自分がコントロールできることを明確にする

コントロールできること・できないことを分ける

不安を感じる原因の多くは、自分ではコントロールできないことに意識が向いているからです。

  • 経済の動向
  • 会社の方針
  • 他人の評価
  • 社会の変化

これらは、どれだけ心配しても自分の力では変えられません。

一方で、自分でコントロールできることもたくさんあります。

  • 自分のスキルを磨くこと
  • 健康を管理すること
  • 人間関係を大切にすること
  • 情報を集めること
  • 今日何をするか決めること

エネルギーを注ぐ場所を変える

コントロールできないことに悩む時間は無駄になる

厳しい言い方かもしれませんが、自分でコントロールできないことに悩んでも、状況は変わりません。

その時間とエネルギーを、自分が変えられることに注いだほうが、はるかに建設的なのです。

具体的な整理方法

ノートに線を引いて、左側に「コントロールできること」、右側に「コントロールできないこと」を書き分けてみましょう。

そして、左側にあることに集中すると決める。これだけで、漠然とした不安がぐっと減っていきます。

整理すべきこと④:「本当に望んでいる未来」を描く

不安の裏側には「願い」がある

将来に不安を感じるということは、裏を返せば「こうなりたい」という願いがあるということです。

  • 仕事が不安→安心して働き続けたい
  • 結婚が不安→幸せなパートナーシップを築きたい
  • お金が不安→経済的に安定したい

不安を感じるのは、あなたが自分の人生を大切にしているからこそ。その気持ちを、不安から「願い」へと変換してみてください。

理想の状態を具体的にイメージする

「なりたくない自分」ではなく「なりたい自分」に意識を向ける

不安なとき、私たちは「こうなりたくない」ということばかり考えがちです。

  • 失敗したくない
  • 孤独になりたくない
  • 貧しくなりたくない

しかし、「〜したくない」を考え続けても、望む未来は近づいてきません。

意識を向けるべきは「どうなりたいか」です。

理想の未来を五感で味わう

あなたが望む未来の状態を、できるだけ具体的にイメージしてみてください。

  • 5年後、どんな仕事をしていたい?
  • どんな人と、どんな関係を築いていたい?
  • 朝起きたとき、どんな気持ちでいたい?
  • どんな場所で、どんな暮らしをしていたい?

その状態にいる自分を想像したとき、どんな感情が湧いてきますか?その感情を今、味わってみてください。

理想の未来に意識を向けることで、不安に支配されていた心に光が差し込んできます。

整理すべきこと⑤:「今日できる小さな一歩」を決める

不安を解消するのは「行動」だけ

どれだけ考えても、不安は完全には消えません。不安を本当に和らげるのは、実際に行動することだけです。

といっても、いきなり大きなことをする必要はありません。小さな一歩で十分なのです。

小さすぎるくらいがちょうどいい

ハードルを下げることが継続のコツ

「転職活動を始める」と決めると重く感じますが、「転職サイトに登録だけする」ならできそうな気がしませんか?

「資格の勉強を始める」は大変ですが、「参考書を開いて1ページだけ読む」ならどうでしょう?

小さすぎるくらいの一歩を設定すること。これが行動を続ける秘訣です。

行動すると景色が変わる

小さな一歩でも、行動すると見える景色が変わります。

転職サイトに登録したら、思ったより求人があることに気づくかもしれません。本を1ページ読んだら、意外と面白くてもっと読みたくなるかもしれません。

動き出すと、新しい情報や可能性が見えてくるのです。

不安を感じる自分を責めないで

不安は人として自然な感情

ここまで読んできて、「わかっていてもなかなかできない」と感じることもあるかもしれません。

それでいいのです。不安を感じることは、人として自然なこと。完璧に不安をなくそうとしなくていいのです。

「不安があっても大丈夫」という姿勢

不安と共存する生き方

大切なのは、不安をゼロにすることではありません。不安があっても前に進める自分になることです。

「不安だから動けない」ではなく、「不安だけど、できることをやろう」という姿勢。この小さな意識の違いが、人生を大きく変えていきます。

自分に優しい言葉をかける

不安を感じている自分を責めないでください。「不安なんだね」「怖いんだね」と、自分の感情をそのまま認めてあげること。

自分に優しくできる人は、困難な状況でも折れにくい強さを持っています。

漠然とした不安は、整理すれば必ず軽くなる

将来が漠然と不安なとき、心は暗い部屋にいるような状態です。

でも、一つひとつ整理していけば、必ず光が見えてきます。

不安を書き出し、事実と想像を分け、コントロールできることに集中する。望む未来を描き、今日できる一歩を踏み出す。

これだけで、あなたの心は少しずつ軽くなっていくはずです。

大丈夫。あなたには、漠然とした不安を乗り越えて、自分らしい未来を創っていく力があります。

今日この記事を読んだことが、その第一歩になることを願っています。

ABOUT ME
蓮彩 聖基 <br>(はすたみ こうき)
蓮彩 聖基
(はすたみ こうき)
パーソナルコーチ
1997年 青森県生まれ
苫米地式コーチング認定コーチ養成講座 第7期修了
ドクター苫米地ワークス修了
田島大輔グランドマスターコーチに師事
認知科学者 苫米地英人博士より、
無意識へ深く働きかける「内部表現の書き換え」や、コーチングの技術を習得
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